AMD Ryzen AI 7 445はRyzen AI 5 340より上位の型番を冠していますが、Notebookcheckの実機テストでは性能がRyzen AI 5 340と同等かそれ以下であることが明らかになりました。型番から上位モデルと判断して購入すると、期待を下回る可能性があります。
上位型番のRyzen AI 7 445がRyzen AI 5 340に劣る結果に
AMDは2026年1月のCESでRyzen AI 400シリーズの新モデルを発表しましたが、搭載ノートPCの多くはまだ販売が始まっておらず、実機での性能比較はほとんど行われていませんでした。そんな中、NotebookcheckがLenovo Yoga 7 2-in-1 16に搭載されたRyzen AI 7 445のテスト結果を公開し、上位型番にもかかわらず下位モデルを下回るという結果が波紋を呼んでいます。
CPU・GPU両方で下位のRyzen AI 5 340以下のスコア

Notebookcheckの集計ベンチマークによると、Ryzen AI 7 445のCPU総合スコアは61.2ポイントで、下位モデルであるRyzen AI 5 340の63.7ポイント(Lenovo Yoga 7 2-in-1 14搭載)を下回っています。IntelのCore Ultra 7 256Vの60.7ポイントはわずかに上回ったものの、上位型番としては物足りない結果です。
内蔵GPUのRadeon 840Mについても状況は同様で、3DMarkベースのスコアは19.3ポイントにとどまり、Ryzen AI 5 340の22ポイントを下回っています。なお、IntelのArc 140V搭載モデルは同テストで約41ポイントを記録しており、内蔵GPU性能ではIntelに大差をつけられている状況です。
型番は上位でもZen 5コアが減少、L3キャッシュも半減
Ryzen AI 7 445とRyzen AI 5 340はともに6コア12スレッドですが、コアの内訳が異なります。
Ryzen AI 5 340(Krackan Point)はZen 5コアを3基、省電力のZen 5cコアを3基搭載しています。一方、Ryzen AI 7 445(Gorgon Point)ではZen 5コアが2基に減少し、代わりにZen 5cコアが4基に増加しています。性能重視のZen 5コアが1基減ったことで、シングルスレッド性能やマルチスレッド性能に影響が出ていると考えられます。
加えて、L3キャッシュも16MBから8MBへ半減しており、最大ブーストクロックも4.8GHzから4.6GHzに引き下げられています。TDPやNPU性能(50 TOPS)、iGPUの構成(4コア、2900MHz)は共通であるため、CPU性能に直結する部分で明確にスペックダウンしている形です。
| Ryzen AI 7 445 | Ryzen AI 5 340 | |
|---|---|---|
| コードネーム | Gorgon Point | Krackan Point |
| コア構成 | Zen 5 ×2 + Zen 5c ×4 | Zen 5 ×3 + Zen 5c ×3 |
| 最大ブースト | 4.6 GHz | 4.8 GHz |
| L3キャッシュ | 8 MB | 16 MB |
| iGPU | Radeon 840M(4コア) | Radeon 840M(4コア) |
| NPU | 50 TOPS | 50 TOPS |
| TDP | 28W(15-54W) | 28W(15-54W) |
型番だけでは判断できないAMDのモバイルSKU
Ryzen AI 7 445は型番こそRyzen AI 5 340の上位に見えますが、実態はリフレッシュ版であり、高性能なZen 5コアが3基から2基に減らされている点で消費者を惑わせる構成となっています。型番の数字だけを見て上位モデルと判断すると、かえって性能の低い製品を選んでしまうリスクがあります。
こうした状況を踏まえると、AMDのノートPC向けCPUを選ぶ際には型番だけで判断せず、Zen 5(P-Core)とZen 5c(E-Core)の搭載比率やL3キャッシュ容量といった実際のスペックを事前に確認することが求められます。ただ、本来であればメーカー側が性能を素直に反映した型番体系を整えるべきですが、AMDのモバイル向けSKUは以前から複雑化の一途をたどっており、改善の兆しは見えていません。
そのため、現状ではユーザー自身がスペックを精査して判断するしかないのが実情です。



コメント
コメント一覧 (1件)
この前CHUWIの件で騒動に巻き込まれたAMDですが、これは正直どうなのでしょうかねぇ。
一部コメに「AMDのナンバリングも大概」というコメントがあり気になっていたのですが。
これを見ると、CHUWIのこと偉そうに非難できる立場じゃない、と言われても仕方ないです。
騙しているわけではないですが、ナンバリングの信頼性を毀損する愚策だと思います。