Intelは2026年3月26日(木)にCore Ultra 200S Plus(Arrow Lake Refresh)の発売を予定していますが、発売に先立ちレビューが解禁されました。先代Core Ultra 200Sで課題だったゲーミング性能の改善と、大幅な値下げにより比較的高い評価を得ています。
Core Ultra 5 250K PlusとCore Ultra 7 270K Plusのレビューは比較的好評
Intelは2026年3月11日に正式発表したCore Ultra 200S Plus(Arrow Lake Refresh)を3月26日に発売します。発売に先立ちCore Ultra 5 250K PlusとCore Ultra 7 270K Plusのレビューが解禁されました。先代のCore Ultra 200Sシリーズに対してゲーミング性能が改善されたほか、コストパフォーマンスも大幅に向上していることが明らかになっています。
Core Ultra 7 270K PlusはCore Ultra 9 285K超えの性能に
| Core Ultra 9 285K | Core Ultra 7 270K Plus | Core Ultra 7 265K | |
|---|---|---|---|
| コア構成 | 8P+16E(24コア) | 8P+16E(24コア) | 8P+12E(20コア) |
| P-Coreブースト | 5.7 GHz | 5.5 GHz | 5.5 GHz |
| E-Coreブースト | 4.6 GHz | 4.7 GHz | 4.6 GHz |
| L3キャッシュ | 36 MB | 36 MB | 30 MB |
| L2キャッシュ | 40 MB | 40 MB | 28 MB |
| D2Dクロック | 2.1 GHz | 3.0 GHz | 2.1 GHz |
| MTP | 250W | 250W | 250W |
| MSRP | $589(約8.8万円) | $299(約4.5万円) | $394(約5.9万円) |
Core Ultra 7 270K Plusは先代のCore Ultra 7 265Kに対してP-Coreのコア数や動作クロックは据え置きなものの、E-Coreが4コア追加されて上位のCore Ultra 9 285Kと同じ24コア構成となっています。E-Coreの動作クロックも100 MHz向上した最大4.7 GHzで動作します。
また、Arrow Lakeで課題として挙げられていたメモリレイテンシ低減のため、ダイ間の通信を担うD2D(Die to Die)クロックが2.1 GHzから3.0 GHzへと大幅に引き上げられています。この改善がゲーミング性能の向上に寄与していると各レビューで指摘されています。
レンダリングや動画エンコードなどはCore Ultra 9 285K並みに向上

Tom's HardwareのレビューではCinebenchやVray、Handbrakeなどを組み合わせたベンチマークにおいて、Core Ultra 7 270K PlusがCore Ultra 9 285Kを7.8%上回るスコアを記録しています。$299という価格で$589の先代フラッグシップを超える生産性能は、各レビューサイトが一様に高く評価しているポイントです。
ゲーミング性能も上々。Core i9-14900Kに迫る

ゲーミング性能は先代のCore Ultra 7 265Kに対して向上しているものの、レビューサイトによって評価に幅があります。Tom's Hardwareでは17タイトル平均で265Kから約10%の向上を確認している一方、TechPowerUPでは3.7%と小幅な結果にとどまっています。この違いはテストタイトルの最適化度合いなどに起因すると考えられます。
ただし、両レビューに共通しているのは、先代の最上位モデルであるCore Ultra 9 285Kよりも優れたゲーミング性能を発揮している点です。先代Core Ultra 7 265KではAMDのRyzen 7 9700Xにも劣るゲーミング性能だったものが、同等か若干上回る水準にまで向上しており、Arrow Lakeの弱点だったゲーミング性能は着実に改善されています。
一方、AMDのRyzen 7 9800X3DやRyzen 7 9850X3Dに対しては依然として差があり、Tom's Hardwareの計測では9800X3Dに対して約20%劣る結果となっています。ただし、Ryzen 7 9800X3Dは$130〜180ほど高価であるため、コストパフォーマンスの観点ではCore Ultra 7 270K Plusに分があります。
Core Ultra 5 250K PlusはCore i7-14700KやCore Ultra 7 265K並みの性能に
| Core Ultra 7 270K Plus | Core Ultra 7 265K | Core Ultra 5 250K Plus | Core Ultra 5 245K | |
|---|---|---|---|---|
| コア構成 | 8P+16E(24コア) | 8P+12E(20コア) | 6P+12E(18コア) | 6P+8E(14コア) |
| P-Core ブースト | 5.5 GHz | 5.5 GHz | 5.3 GHz | 5.2 GHz |
| E-Core ブースト | 4.7 GHz | 4.6 GHz | 4.6 GHz | 4.6 GHz |
| L3キャッシュ | 36 MB | 30 MB | 30 MB | 24 MB |
| L2キャッシュ | 40 MB | 28 MB | 36 MB | 26 MB |
| D2Dクロック | 3.0 GHz | 2.1 GHz | 3.0 GHz | 2.1 GHz |
| MTP | 250W | 250W | 159W | 159W |
Core Ultra 5 250K Plusも同様にE-Coreが4コア追加されたほか、P-Coreのブーストクロックが100 MHz向上した5.3 GHzに引き上げられています。D2Dクロックも2.1 GHzから3.0 GHzに向上しています。
レンダリングや動画エンコードはCore i7-14700K超えの場合も

レンダリングや動画エンコードなど生産性タスクにおいてはE-Coreの追加とクロック向上の効果が顕著に表れており、先代のCore Ultra 5 245Kに対しては約25%の性能向上が確認されています。この向上により、Core i7-14700KやCore Ultra 7 265Kにも迫る性能を発揮しています。
ゲーミング性能は先代から6.5%向上しCore i7-14700K並みに

ゲーミング性能も先代の245Kから6〜12%ほど向上しており、Core i7-14700KやRyzen 5 9600Xと同等の水準に達しています。$199(約3万円)という価格を考慮すると、エントリー〜ミドル帯でのコストパフォーマンスは非常に高いといえます。
性能トップではないが、コストパフォーマンスは大幅向上

Core Ultra 7 270K PlusとCore Ultra 5 250K Plusは先代モデルに対して性能が向上したリフレッシュ版であり、性能面で目を見張るほどの飛躍があるわけではありません。
| Core Ultra 7 270K Plus | Core Ultra 7 265K | Core Ultra 5 250K Plus | Core Ultra 5 245K | |
|---|---|---|---|---|
| コア構成 | 8P+16E(24コア) | 8P+12E(20コア) | 6P+12E(18コア) | 6P+8E(14コア) |
| 価格 | $299 | $394 | $199 | $309 |
| 日本円換算 | 61,800円(予想) | 78,800円 | 41,800円(予想) | 59,800円 |
しかし、価格は先代モデルに対して約100ドル近い値下げが行われており、コストパフォーマンスの向上幅は大きくなっています。
ゲーミング性能に焦点を当てたコストパフォーマンス比較では、Core Ultra 5 250K PlusのMSRPは発売から1年以上経過した実売価格のRyzen 5 9600Xに近い水準となっています。Core Ultra 7 270K Plusも実売価格のRyzen 7 9700XやRyzen 7 9800X3Dよりも高いコストパフォーマンスを示しており、発売後に価格がこなれてくればさらに競争力が増すと見られます。
ただし、現在はメモリやSSD価格が高騰しているため、新規でDDR5プラットフォームに乗り換える場合はCPUのコストパフォーマンスが高くてもPC構築全体の費用は大きくなります。加えて、Core Ultra 200S Plusに対応するLGA 1851マザーボードは2027年に発売が見込まれるNova Lake CPUで世代交代が行われる見通しであるため、プラットフォームの将来性という観点ではAM5を採用するAMD Ryzenに分があります。
Core Ultra 200S Plusは、Intelにとって名誉挽回ともいえる製品です。性能トップの座こそAMDの3D V-Cache搭載製品が維持していますが、コストパフォーマンスという観点では非常に優れており、メモリやSSDなどが高騰する中で消費者にとってはありがたい存在になりそうです。
もっとも、この高いコストパフォーマンスを見るに、最初からこの形で出していればArrow Lakeに対する市場の評価は全く異なっていたはずです。初代Arrow Lakeの価格設定と性能バランスについては、Intelの戦略ミスだったと言わざるを得ません。
一方で、今回のCore Ultra 200S PlusからIntelがコストパフォーマンスを積極的に追求する姿勢へ転換したとも受け取れます。2027年に登場するNova Lakeでも同様の価格戦略が取られる可能性は高く、AMDの出方次第では再びコンシューマー向けCPU市場でシェアを取り戻す展開も期待できそうです。


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