IntelのCPUソケットは長年、2世代程度のサポートしか行われておらず、3世代以上をサポートするAMDとは対照的でした。しかし、IntelがCPUソケットのサポートについて、次世代のLGA 1954から従来よりも寿命を長期化する意向を示しました。
Intelがソケット寿命の長期化を示唆。AMDを見習うように
Intelのデスクトップ向けCPUソケットは競合のAMDに比べて寿命が短いことが長年指摘されています。実際に2026年現在までに、AMDは2017年にソケットAM4を、2022年にソケットAM5を投入したのに対して、Intelは同じ期間にLGA 1151、LGA 1200、LGA 1700、LGA 1851と4つのソケットを投入。さらに2026年後半には5つ目となるLGA 1954がNova Lake向けに登場する予定です。
しかし、Club386のインタビューにて、IntelのVP兼エンスージアスト向けチャネル本部長のRobert Hallock氏が、今後投入されるLGA 1954ソケットにて複数世代のCPUをサポートする方針について語っています。
LGA 1954は3世代以上のCPUをサポートへ
Club386がHallock氏に対し、今後のIntelソケットで複数世代のCPUがサポートされる未来はあるかと質問したところ、同氏は「そうなると思う。それだけだ——そう思う(I do. That's it – I do)」と端的に回答しています。
Hallock氏はさらに、現在のIntelには新しいプロダクトマネジメントチーム、ビジネスチーム、マーケティングチーム、エンジニアリングチームが揃っていると述べています。同氏はユーザーからのフィードバックを非常に重視しており、6か月、1年、3年といったスパンで対応できるものを製品やロードマップに反映していく方針です。
なお、Hallock氏は2010年から2022年までAMDに在籍し、テクニカルマーケティングのディレクターとして長年AMDプラットフォームの訴求を担当してきた人物です。ソケットAM4やソケットAM5など、CPUを長期サポートするソケット戦略を率いた一人でもあります。AMDのソケット長寿命戦略を熟知した人物がIntelのエンスージアスト向け事業を率いているという点で、LGA 1954が複数世代のCPUをサポートする可能性は高いといえます。
LGA 1954は4世代程度サポートすると噂も

LGA 1954については、2027年発売予定のNova Lakeから、2028年のRazer Lake、2029年のTitan Lake、そして2030年のHammer Lakeまで4世代をサポートするという過去のリーク情報があります。今回のインタビュー内容とも一致しており、Intelとしてもソケットの寿命は競争力を左右する要素の1つと考えているものと見られます。
ただし、ロードマップ上で複数世代のCPU対応を予定していても、開発や市況によっては発売されない製品が出てくるケースもあります。実際に現行のLGA 1851では、本来Meteor LakeやPanther LakeなどArrow Lakeを含めて3世代までサポートする計画がありました。そのため、今回のインタビューやリークの通り4世代程度サポートできるかは実績がなく、確実に実現できるかは未知数といえます。
IntelはAMD躍進前までIntel製CPUの市場シェアが高く、CPUソケットを頻繁に変えてもユーザーがIntelを使い続ける確率が高い状態でした。そのため、ソケットの頻繁な変更でもシェアを大きく失うことはありませんでした。
しかし、AMDがコンシューマー向けCPUで30%近いシェアを握る現在では状況が異なります。ソケットの頻繁な変更はユーザーがAMDへ流出する可能性を高めるだけです。さらにAMDがソケットを長寿命化しているため、一度流出したユーザーがIntelに戻ってくるまでの期間は長くなり、その可能性も低くなっています。そのため、Intelも取り込んだユーザーを流出させないという観点で、AMDと同様にCPUソケットの長寿命化に取り組んでいると考えられます。
ただ、CPUソケットの寿命はIntelの方針だけでなく、DDR6やPCIe Gen 6など新規格の登場タイミングにも左右されます。LGA 1954がいつまで現役であり続けるかは、これらの新規格の普及時期次第といえます。場合によっては2030年以降も現役であり続ける可能性がありそうです。



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