MSIがグラフィックスカード15〜30%値上げへ エントリー向けは30%削減の方針

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MSIはNVIDIA製GPUの供給が市場需要に対して約20%不足していることを明らかにするとともに、エントリー向けグラフィックスカードの比率を30%削減し、RTX 5060やRTX 5070など中価格帯以上の製品にリソースを集中させ値上げも実施する方針を同社トップが示しました。

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MSIトップがエントリー向けGPUの縮小や値上げ予定を明らかに

MSIの黄金請(ホアン・ジンチン)総経理は、台湾メディアの投資家向け説明会の取材に対し、メモリ価格高騰などの影響によりマザーボードやグラフィックスカードなど同社の主力製品の販売台数が大きく減少していると述べています。そのため、「今年は創業以来最も厳しい年」であるとの認識を示すとともに、その対策として今後グラフィックスカードなどでは選択と集中の下、製品ラインアップの縮小や大幅な値上げを実施する方針を明らかにしました。

エントリー向けを30%削減。確保できた部材でRTX 5070などを優先生産

MSIの黄金請氏によると、メモリ不足や価格高騰を背景にグラフィックスカード製造に必要なGPUやメモリなどNVIDIAから届けられる部材が需要に対して20%程度慢性的に不足している状況とのことです。そのため、MSIは従来まで製品全体の30%を占めていた低価格帯製品のラインアップを削減し、今後はより高い収益が得られるGeForce RTX 5070など中・高価格帯のグラフィックスカードを優先的に生産する方針へ転換することを明らかにしています。

この方針転換により2026年は前年比でMSIのPCの出荷台数は10~20%ほど減少が見込まれる予測ですが、売上高は前年並みか前年以上に増加も可能であるとしています。

メモリ供給不足で価格競争する意味が消滅。15~30%の値上げも予定

黄金請氏によるとグラフィックスカード向けのメモリなどは実質的に配給制になっており、どのメーカーも十分な部材を確保できないため供給が制限され、結果として価格競争ができない状況になっているとのことです。

また、2026年はCPUではZen 6やNova Lake、GPUではGeForce RTX 6000シリーズやRDNA 5など新製品が投入されないことに加え、メモリ価格高騰などが様々なメディアで連日報道されていることを背景に「今買わなければさらに値上がりする」と考える消費者が多く、値上げが受け入れられやすい環境にあるとの見解を示しています。

そのため、MSIはメモリ価格高騰によるコストアップをカバーするために、グラフィックスカードを含むゲーミング向け製品の価格を15~30%値上げする予定です。これだけ大きな値上げを行っても競争力が大きく削がれないとする見方を示しており、今後グラフィックスカードのさらなる値上がりが懸念されます。

ハイエンドGPUはピークアウトの兆しもエントリーGPUは価格が横ばい

GeForce RTX 5000 (ハイエンド) 価格推移
表示範囲: 2026-03-17まで
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GeForce RTX 5000 (エントリー) 価格推移
表示範囲: 2026-03-17まで
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MSIの黄金請氏がエントリー向けのラインアップを縮小するという発言は他のメーカーでも行われている可能性が高いものの、グラフィックスカード全般の価格が上がる中でエントリー向けGPUの需要は従来よりも高まっているといえます。そのため、日本限定の価格推移でもGeForce RTX 5000シリーズではRTX 5070以上のハイエンド製品ではピークアウトの兆しが見えるものの、RTX 5060以下の製品では価格が横ばい傾向を維持しています。

そのため、GeForce RTX 5060以下の製品の購入を検討している場合、既に値上がりが見られているものの早めに購入に踏み切った方がダメージが小さく済むといえそうです。一方、ハイエンド製品についても値上げ予定が出されているため早めの購入が得策に見えますが、各社がリソースを集中させるセグメントでもあるため、どこかで価格が調整される可能性もありそうです。

コメント・考察

NVIDIAのグラフィックスカードを巡っては、2026年3月現在、日本では在庫が戻り始めている状況ですが、世界的にみると2025年12月以降は在庫がまばらな状況です。これはMSIの黄金請氏が述べるように需要に対して20%ほど少ない供給しか行われていないのが原因と見られ、今後も需給のアンバランスな状況が続き、価格も不安定化するといえそうです。

また、MSIと同様に今後各社AIBも値上げやエントリー向け製品のラインアップ縮小に向かう可能性はかなり高いといえます。その一方で、価格高騰によりエントリー向けしか買えないというユーザーも増えることから、特にエントリー向けGPUでは値上がりが他のセグメントに比べて大きくなるかもしれません。

ただ、こうなると新たにゲーミングPCを購入する層が減るほか、買い替えのハードルも上がるため、MSIが思うように価格引き上げやセグメント上昇による売上高維持・向上が図れるという予想はかなり楽観的ともいえます。今後の売上推移が、この強気な見通しの妥当性を占う試金石となりそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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