エージェント型AI需要でCPU不足が深刻化。Zen 6 Ryzenの発売や供給に暗雲

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AIはグラフィックカードやメモリの需要を大きく押し上げてきましたが、ここ最近台頭し始めている「エージェントAI」の影響でCPUに対する需要が想定を大きく上回っていることをAMD CEOのLisa Su氏が明らかにしました。

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エージェント型AIの台頭でCPU需要が急拡大中

AIにおいてはGPUが推論やトレーニングの中心を担ってきましたが、2025年後半から複数のツールやシステムを自律的に操作してタスクを遂行するエージェント型AIが台頭しています。

このエージェント型AIでは従来のGPUなどに加え、CPUの役割が増えると見られています。モルガンスタンレーのカンファレンスに登壇したAMD CEOのLisa Su氏によると、エージェント型AIの影響でCPUは需要が供給を大きく上回り始めているとのことです。

AMD CEOが強気予想すら上回る需要拡大を認識

AIにおいてはCPUよりGPUに対する注目度が高く、サーバー向けCPUで非常に高い収益シェアを握りつつあるAMDよりNVIDIAの方が注目を集めています。しかし、Lisa Su氏によると、AMDは直近のCPU需要についてGPUベースのAIデータセンター需要を見越して比較的強気な予想を立てていたとのことで、2025年頃には年平均成長率は10%台後半に達するという見通しでした。

しかし、現在の需要はこの強気な予想すら大きく超えている状況とのことで、データセンターを建造・運用するクラウドサービスプロバイダー(CSP)も「AI関連のCPUコンピューティング需要は過小評価されていた」と述べるなど、各社がCPUの確保に動き出していることが示唆されています。

供給のタイト化は2026年がピーク、2027年にかけて段階的に改善へ

Lisa Su氏はまた、わずか3〜6か月の間に需要が大きく変化したことでサプライチェーンの調整が追いついておらず、供給がタイト化していることも明らかにしています。

そのため、2026年頃は一時的に供給不足が発生する懸念があるものの、2026年から2027年にかけて供給キャパシティの拡大に取り組んでいるとのことで、段階的に供給状況は改善していく見通しを示しています。

TSMC 2nmのキャパシティ逼迫でZen 6世代Ryzenは後回しになる可能性

AMDはTSMC 2nmで製造されるZen 6アーキテクチャのEPYC Veniceを2026年下半期に投入することを明言しており、同CPUはスケジュール通り開発されていることを明らかにしています。また、すべての大口顧客がEPYC Veniceを発売と同時に導入を希望するなど、発売前から非常に高い期待が寄せられています。

しかし、TSMC 2nmを巡ってはAI需要の急拡大を背景に製造キャパシティが逼迫しているとされており、供給面での不安が残ります。EPYC Veniceなどデータセンター向け製品は利益率が高いため供給が優先される一方、コンシューマー向けのRyzenは後回しとなる可能性があります。

実際に、EPYC Veniceと同じTSMC 2nm製チップを使用するZen 6世代のRyzenは当初2026年後半の発売が予想されていましたが、最近になって2027年初旬への延期が噂されています。TSMC 2nmの立ち上がり状況やデータセンター向けCPUの需要次第では、Zen 6世代Ryzenは発売されても供給不足や価格高騰に直面する可能性が考えられます。

コメント・考察

AI分野ではGPUやHBMへの注目が圧倒的に高い状況が続いてきましたが、エージェント型AIの台頭によりCPUの重要性が改めて浮き彫りになった形です。サーバー向けCPUで高いシェアを確保しているAMDにとっては追い風といえそうですが、需要の急拡大に供給が追いつかないという状況はGPUやメモリで見られたのと同じ構図です。短期的にはCPUの価格が大きく跳ね上がる懸念があります。

また、今後消費者として懸念が出てくるのがZen 6世代のRyzenの行方です。Zen 6 RyzenはCPUコアが内包されるCCDがサーバーとデスクトップ向けで共通化されています。そのため、サーバー向け需要が高まれば必然的に、デスクトップ向けに流せるCCDの数が減ります。実際、最近になりZen 6世代のRyzenが2027年発売に延期されるなど影響が出始めているほか、発売されても供給が限られるなどアップグレードを考えている消費者にとっては悩ましい状況が続くことになりそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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