AI需要の急拡大により、DRAMやNANDフラッシュの供給逼迫が続いていますが、HDDにも同様の波が押し寄せています。世界最大級のHDDメーカーであるWestern DigitalのCEOが、2026年の生産能力はすでに全量が予約済みであることを明らかにしました。
AI向けHDD需要が急拡大。Western Digitalの2026年生産分は完売に
世界中で進むデータセンターの大規模建設に伴い、大量のデータを保存するためのストレージとしてHDDの需要が急増しています。AIの学習や推論に必要なデータはエクサバイト規模に達しており、Webから収集したデータやバックアップ、推論ログなどの保存先として、HDDはコスト効率に優れた記憶媒体として不可欠な存在となっています。
こうした需要の急増を受け、Western DigitalのIrving Tan CEOは2025年度第2四半期の決算説明会において、同社の2026年の生産能力がすべて確保済みであることを明らかにしました。
AWSやGoogle Cloudなど大手CSPと2028年までの長期契約を締結
Tan CEOによると、Western DigitalはAWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといった大手クラウドサービスプロバイダー(CSP)を含む主要顧客7社と確定発注(PO)を締結しており、さらにそのうち2社とは2027年分の、1社とは2028年分の長期供給契約(LTA)も結んでいるとのことです。これらの契約にはエクサバイト単位の供給量と価格条件が含まれており、同社の生産能力が数年先まで大手CSPに押さえられている状況です。
こうしたエンタープライズ需要への集中は、同社の売上構成にも明確に表れています。Western Digitalの投資家向け広報担当副社長によると、クラウド関連の売上が全体の89%を占める一方で、コンシューマー向けはわずか5%にとどまっています。
そのため、今後はHDDなどのストレージもメモリやNANDフラッシュと同様に、収益率の高いデータセンター向け供給が優先される可能性があります。コンシューマー向けや小規模なエンタープライズ向けは後回しにされ、品薄や大幅な価格高騰が発生する懸念が出てくると言えそうです。
データセンターの建設ラッシュによって、最初はGPUやサーバーに必須なメモリが、その次はSSDなどの高性能ストレージが供給力を上回る需要により値上がりしていましたが、その流れはHDDにも波及することは確実と言えそうです。DRAMやNANDも本格的な値上げが見られる前に、その年の生産分が完売になったという話が出ていたため、今後HDDもコンシューマー向けを中心に品薄による値上げが見られると言えそうです。
NASなど大容量ストレージを必要とするユーザーにとっては、今後のHDD価格の上昇や製品ラインナップの縮小が懸念されるため、早めの購入を検討したほうがよいと言えそうです。



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