メモリ価格高騰がルーターやONUを直撃。通信機器向けメモリは1年で600%超の上昇で値上げや供給に懸念

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AI需要を背景としたメモリ価格の高騰は、PCやスマートフォンだけでなくルーターやゲートウェイといった通信機器にまで深刻な影響を及ぼし始めています。こうしたコンシューマー向け組み込み機器に使われるDRAMやNANDなどのメモリ価格は、1年で600%以上に高騰しているようです。

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メモリ価格高騰の波がPC・スマートフォンを超え通信機器に到達

DRAMとNANDなどのメモリ製品の価格高騰は、主に利益率の高いAIサーバー向けに供給が集中すると同時に需要が高いことなどが背景になっています。Counterpoint Researchによると、少なくとも2026年6月まで価格上昇は続く見通しです。上半期中にピークを迎える可能性はあるものの、供給問題そのものの解消には時間がかかるとしています。

こうした中、PCやスマートフォン以上に深刻な打撃を受けているのが、ルーターやゲートウェイといったブロードバンド関連機器であることが明らかになりました。

メモリ価格はスマートフォン向けが3倍に対し、ブロードバンド向けは約7倍に高騰

Counterpoint Researchの月次データによると、過去9か月間でスマートフォン向けメモリ価格が約3倍に上昇したのに対し、ブロードバンド製品に使われる民生機器向けメモリの価格は約7倍にまで跳ね上がっているとのことです。

特にWi-Fiなどルーター関係への影響は凄まじく、安定した供給契約を持たず交渉力の弱いOEMほど厳しい状況に追い込まれています。

Counterpoint Researchの部品コスト (BOM)分析サービスのデータでは、低〜中価格帯ルーターのBOMに占めるメモリの割合は、1年前の約3%から現在は20%超にまで膨れ上がっています。これは部品全体の5分の1以上をメモリが占めるという異常な状態であり、製品の価格設定や利益率に直接響く水準です。

こうしたコスト上昇は今後、一般的に販売されている個人向けのWi-Fiルーターに加え、エンタープライズ向け製品も価格高騰に見舞われる懸念があります。さらに、フレッツ光やNURO光などの光回線サービスで提供されるONU(光回線終端装置)やホームゲートウェイについても、調達コスト増や供給不足に陥る可能性があります。そうなれば、今後これらの機器コストが月額料金や初期費用へ転嫁されたり、Wi-Fi 7対応ルーターなど新型機器への切り替えが遅れたりする可能性も出てきます。

コメント・考察

メモリ価格高騰では主にPCやゲーム機など大容量メモリを搭載する製品での影響が懸念として挙げられがちですが、このような製品ではDDR5など最新規格の製品を使っているほか、調達量も多く交渉力もある程度持ち合わせている企業が多いです。一方で、ルーターやONUなどの機器はDDR4など古いメモリを使っているケースが多く、製品設計も旧世代のままであることが少なくありません。加えて、大容量メモリが不要な製品特性上、発注されるメモリモジュールの数が少なくなりやすく、調達時の交渉力はどうしても弱くなります。そのため、価格高騰や供給不足の影響をかなり受けやすいと考えられます。

ただ、このような機器はPCやゲーム機ほどメジャーではないため、本格的に入手困難になるまであまりニュースにならないと考えられます。Wi-Fiルーターなどの買い替えや固定回線の切り替えを考えている人は、動向に注視した方が良さそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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