Ryzen 7 9850X3Dレビューは厳しめ。性能向上は最大5%に対し消費電力は最大36%増

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AMDは2026年1月29日(日本は1月30日)にRyzen 7 9850X3Dを発売予定で、一足先にレビューが解禁されました。

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Ryzen 7 9850X3Dはワッパやコスパが微妙な結果に...

AMDは2026年1月29日の発売に先立ちレビューを解禁し、世界各国でレビュー結果が掲載されています。評価が非常に高かったRyzen 7 9800X3Dに対して、今回発売されるRyzen 7 9850X3Dは性能向上こそ確認されているものの、手放しに褒められる製品ではないことが明らかになりました。

スペックの変更点は動作クロックだけ

スペックRyzen 7 9850X3DRyzen 7 9800X3DRyzen 7 7800X3D
コア/スレッド8/168/168/16
アーキテクチャZen 5Zen 5Zen 4
ベースクロック4.7 GHz4.7 GHz4.2 GHz
ブーストクロック最大5.6 GHz最大5.2 GHz最大5.0 GHz
総キャッシュ104 MB104 MB104 MB
TDP120W120W120W

Ryzen 7 9850X3Dは、すでに発売されているRyzen 7 9800X3Dとコア数やスレッド数、キャッシュ容量など基本的なスペックはすべて同じです。唯一大きく変わっているのがブースト時の動作クロックで、Ryzen 7 9800X3Dの最大5.2 GHzから7.7%向上となる最大5.6 GHzに引き上げられています。なお、動作クロック向上に伴うTDP変更などは行われていません。

この動作クロック向上は、CPUのステッピング変更など設計変更によるものではありません。単純に現行のRyzen 9000X3Dシリーズ用CCDの中から、より高い動作クロックに耐えられる個体を選別しているだけのようです。

ゲーミング性能はRyzen 7 9800X3Dに対して差が付く条件は限定的

Ryzen 7 9850X3Dにおいて最も重要視されるゲーミング性能について、AMDは正式発表時にRyzen 7 9800X3D比で平均7%の向上を謳っていました。しかし、もともとRyzen 7 9800X3Dの性能が高かったため、レビューでは性能向上が見られる条件はかなり限定的であることが明らかになっています。

Hardware Unboxedのレビューでは、1080pで画質設定を中程度に抑えた場合と高画質に設定した場合でベンチマークを実施しています。このうち中程度の画質では約5%の性能向上が見られ、AMDの公称値に近い水準に達しています。しかし、高画質にするとその差は2.5%に落ち込みます。

この原因は、すでにRyzen 7 9800X3Dの時点でゲーミング性能が十分に高く、GeForce RTX 5090を使用してもGPUがボトルネックになっているためと考えられます。実際に、フレームレートの下位1%を示す1% Lowの結果は画質設定にかかわらず5%向上で安定しており、これもGPUボトルネックを裏付ける材料となっています。

なお、複数のゲームをまとめた他のレビューでは、Ryzen 7 9800X3DとRyzen 7 9850X3Dの差はTom's Hardwareが3%、TechPowerUPではわずか1%差と、ほとんど性能差がないケースも見られます。

ゲーミング性能は微増も消費電力は爆増

Ryzen 7 9800X3Dはゲーミング時の消費電力の低さが魅力の1つでしたが、Ryzen 7 9850X3Dではその魅力が消し飛んでいます。

Hardware Unboxedでは2つのタイトルでCPUの消費電力を計測しています。The Last of Us Part 1では24%増となる95Wから118Wへ、Cyberpunk 2077では36%増となる93Wから126Wへと、大幅に消費電力が増加しています。

この傾向は、Hardware Unboxedのゲーミングベンチマークで見られた5%向上より低い向上幅を記録したTom's HardwareやTechPowerUPのレビューでも同様です。Ryzen 7 9850X3Dはゲーミング性能の向上幅にかかわらず、Ryzen 7 9800X3Dに対して消費電力が20〜30%増加しており、製品投入の意義が薄れる結果となっています。

コストパフォーマンスも悪化

CPU定価(USD)定価(日本円)
Ryzen 7 9850X3D499ドル (+4%)94,800円(+9%)
Ryzen 7 9800X3D479ドル86,800円

Ryzen 7 9850X3Dの価格は、Ryzen 7 9800X3Dに対して海外では4%増となる20ドル、日本では9%増となる8,000円の値上げが行われています。性能向上幅が最大でも5%であることを考えると、定価ベースでは海外のベストケースでようやく同等水準です。消費電力を気にしなければ購入を検討してもよいかもしれません。

しかし、実売価格で見るとRyzen 7 9800X3Dは470ドル以下で販売されており、あえてRyzen 7 9850X3Dを選ぶ理由はなくなります。

日本では発売時の価格が高く設定されがちで、その傾向がさらに顕著です。定価で比べても9%の値上げとなっており、コストパフォーマンスは大きく悪化しています。実売価格でもRyzen 7 9800X3Dは量販店で正規品を購入しても85,800円であり、Ryzen 7 9850X3Dは10%以上も高価です。たった5%の性能差に対して払うコストとしては大きすぎるといえます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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