IntelがCES 2026で正式発表したPanther Lake世代のCore Ultra 300シリーズは、内蔵されるArc B390 GPUの性能が非常に高いと見られています。同社の発表資料ではGeForce RTX 4050並みの性能を記録していましたが、レビューでも同様に非常に高い性能が確認され、65W以下のメインストリーム向け製品としては最強クラスの性能を持つことが明らかになりました。
レビュー解禁されたIntel Panther Lakeの内蔵GPU性能が判明
IntelのPanther Lake世代Core Ultra 300シリーズは、2026年1月に開催されたCES 2026にて正式発表が行われ、その中で内蔵GPU性能が非常に高いことが明らかにされました。
特にこの内蔵GPU性能は、Intelに対してAMDが先行する分野であり、Panther Lakeでどれだけ競合できるのかが注目されていました。同CPUは2026年1月26日にレビュー解禁が行われ、AMDのRyzen AI 300シリーズに対して非常に高い性能を持つことが明らかになりました。
同じ消費電力でRyzen AI 300内蔵のRadeon 890Mの2倍以上の性能に
レビューでは主に、Core Ultra 300シリーズの最上位モデルとなるCore Ultra X9 388Hを搭載したノートPCで計測されています。
Core Ultra X9 388HはCPU側のコアに4P+8P+4LPEの合計16コアを備え、内蔵GPU側にはXe3アーキテクチャーで構成されるコアを12基搭載した構成になっています。同様の内蔵GPUを備えるモデルとしては、Core Ultra X7 368Hなどもラインアップされています。

ComputerBaseがまとめた1080p解像度におけるベンチマークでは、Core Ultra X9 388Hは競合となるRyzen AI 9 HX 370に対して、25Wでの動作では163%、最大性能である65W動作時には218%と2倍を超える性能を発揮するなど、驚異的な結果となっています。


個別のゲームで見ると、比較的重いCyberpunk 2077は1080p解像度でレイトレーシングありの低画質設定の場合、25W動作時で47fps、65W動作なら62fpsと十分プレイ可能な領域に達しています。また、F1 25では1080pの中画質設定で25Wで90fps、65Wで143fpsとなっており、高画質設定でプレイしても60fps以上を出せる水準にあることが明らかになっています。
GeForce RTX 4050にも迫る性能

NotebookCheckのベンチマークでもCore Ultra X9 388Hは高い性能を示しています。ベンチマークの記録では、同CPUはGeForce RTX 4050に対して8%劣るレベルにまで迫っており、1世代前のエントリー向けディスクリートGPU並みの性能を持っています。今後の内蔵GPUの性能向上次第では、エントリー向けディスクリートGPUが本格的に市場から駆逐される可能性もあるレベルに達しています。
ハンドヘルド型デバイス向けとしても期待できる性能


The Phawxでは、ハンドヘルドなどに搭載したことを想定して、35W以下の消費電力でCore Ultra X9 388Hをより上位のRyzen AI Max+ 395と比較しています。
20Wでの運用ではCore Ultra X9 388Hが最も優れた結果を出しており、Cyberpunk 2077をSteam Deck向けプリセットで1080p出力させても45fps程度を発揮し、Ryzen AI Max+ 395に対して18%優れる結果になっています。
また、より低い15Wの消費電力でもCore Ultra X9 388Hは30%優れる性能を発揮するなど、低い消費電力でも高い性能が出せるよう最適化されているようです。ハンドヘルド型ゲーム機などに搭載しても十分高い性能を発揮できると見られています。
一方で、30Wに引き上げるとRyzen AI Max+ 395が58.5fpsに対して、Core Ultra X9 388Hは54.4fpsと7%劣る結果になっています。しかし、メインストリーム向けノートPCやハンドヘルド型デバイスで一般的な30W以下の消費電力帯では、Core Ultra X9 388Hは最強のゲーミング性能を持つと言えます。
2027年発売のNova LakeではXe3Pへ進化。一方でAMDはRDNA 3.5を継続採用...
今回のベンチマークはCore Ultra X9 388Hおよび内蔵GPUのArc B390など最上位モデルで計測を行っている点には注意が必要です。しかし総じて、IntelがPanther Lakeで投入したXe3アーキテクチャーで構成されるGPUは、電力効率と性能を極めて高い次元で実現できていると言えます。
また、IntelはこのXe3の改良版であるXe3Pを、2027年1月に発表が噂されるNova Lake世代のCPUに搭載すると言われています。これらの製品ではさらに高いグラフィックス性能が期待でき、メインストリーム向けCPUでも問題なくゲーミングができる時代に近づいている状態です。

一方で、今まで内蔵GPU性能で頂点に位置していたAMDですが、最近のリークでは2024年に投入され、今回大きく性能差を付けられてしまったRDNA 3.5アーキテクチャーで構成される内蔵GPUを、メインストリーム向けには2029年まで使うと言われています。Intelの内蔵GPU性能の飛躍的な向上を見て方針を改めるのかなど、今後の動向に注目が集まります。
Intelの内蔵GPUはここ数年、AMDに対して1歩、2歩遅れている印象がありましたが、Panther Lakeで一気に巻き返しを図ったと言えます。さらに今後、Nova LakeでXe3Pを投入するなど、少なくとも直近1年間は同社の内蔵GPU性能が飛躍的に向上すると言えそうです。
また、ハンドヘルド型ゲーム機などではAMD製APUが採用される事例が多かったですが、今回のPanther Lakeの性能を見て、今までAMD製APUを採用していたハンドヘルド型ゲーム機がIntelを採用し始めるのかなど、勢力図に変化が見られるのか期待が集まります。
一方で、AMDに関してはIntelがここまで性能向上を果たすと想定していなかったのか、メインストリーム向け製品にはRDNA 3.5を2029年まで採用し続けるという話があります。このIntelの動きを受けてこれらの方針が変わるのかも、今後注目すべき点と言えそうです。



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