メモリに使用されるDRAMの不足がここ最近大きな問題になりつつありますが、同時にSSDストレージに必須となるNANDも供給に余裕がない状況で価格が上昇しています。そんな中、NAND製造大手のサムスンとSK HynixがDRAM製造にリソースを回すためにNANDを減産することが明らかになりました。
サムスンとSK Hynixが高価格なDRAM製造を優先へ。NANDフラッシュは後回し
PCからデータセンターまで幅広い分野で使われるメインメモリに必要なDRAMは、ここ最近の需要増により供給不足の状態に陥っており、それに伴い取引価格が大きく跳ね上がっています。これに対して、サムスンやSK HynixなどDRAM製造を手掛ける大手は収益をさらに伸ばすべくDRAMの供給増を図ろうとしていますが、新工場の設立には依然として時間がかかる状況です。
そのため、両社はDRAMの供給量を短期的に増やすため、SSDなどストレージに使われているNANDフラッシュの製造ラインをDRAM製造に振り分ける方向で検討していることが明らかになりました。
2026年のNAND生産量は前年比で減少。DRAM出荷を優先するため
朝鮮日報が入手した市場調査会社Omdiaの資料によると、サムスンはNANDウェーハの生産量を2024年の490万枚から今年は468万枚へ下方修正したとのことです。SK Hynixも同様に、昨年の190万枚から今年は170万枚へ減産する見通しとなっています。
この減産の背景には、両社が収益性の高いDRAM部門への設備投資を優先している状況があります。NANDの製造ラインをDRAM向けに転用したり、サムスンの一部工場で導入されているDRAMとNANDを混合生産できるハイブリッドラインでDRAMの製造比率を大幅に高めたりしていることが要因と見られています。
NANDフラッシュの契約価格が最大38%上昇する見通し
現在、世界的にDRAMが不足しており、その主な要因はAI向けデータセンターの急増です。このデータセンターではSSDの需要も高まっており、特に大容量SSDを構成できるQLC NANDの需要が大きく増加しています。
また、今後登場するNVIDIAのVera Rubinに搭載されるSSD容量も従来のBlackwell世代に対して10倍以上となる1152TB(約1PB)を備えると言われており、2026年には3460万TB、2027年には1億1520万TBもの新規NAND需要が発生する見込みです。
そのため、NANDの需要は今後も高く推移する予定で、2026年第1四半期のNANDフラッシュ契約価格は市場調査会社TrendForceによると前四半期比で33~38%の上昇が予想されています。加えて、データセンター向けにQLCの増産が進むことで、コンシューマー向けNANDの供給は相対的に圧迫される傾向にあります。
今後、SSDなどコンシューマー向けフラッシュストレージの値上げがより顕著になる懸念があり、SSDなどのパーツ単体に加え、ノートPC、スマートフォン、コンソールゲーム機など幅広い製品への価格転嫁が懸念されます。
NANDフラッシュを搭載するSSDの価格はすでに値上がりが見られており、2025年秋頃の価格から現在は約2倍に上昇しています。ただし、DDR5などのDRAMほどの値上がりは見られていません。しかし、今後NANDの供給が制限される一方で需要が増えれば、メモリと同様に大幅な価格高騰が見られるようになるかもしれません。
そのため、SSDの購入を検討している方は早めの購入をおすすめします。




コメント