2026年に生産されるメモリの70%はデータセンターが消費。家電から自動車まで供給不足が波及へ

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AIに対する爆発的な投資を背景に、GoogleやMicrosoftなどのクラウドサービスプロバイダー(CSP)はデータセンターの建設を積極的に進めています。このデータセンター建設ラッシュを背景に2025年から深刻化しているメモリ不足は、2026年にはさらに深刻化し、PCのみならず家電から自動車まで幅広い分野に深刻な影響を与える可能性が懸念されています。

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データセンター建設によるメモリ不足の影響はコロナ渦並み?

AIに対する投資拡大を背景に、GoogleやMicrosoftなどのクラウドサービスプロバイダー(CSP)はデータセンターを乱立している状態です。これによりAI向けデータセンターに必須となるメモリの消費が大きく拡大し、PC向けパーツではDDR5やGDDR6/7などグラフィックスカードの価格高騰を招いています。

ただ、このメモリ不足の影響は今後PCのみならず、家電や自動車など多くの消費者、最終的には実体経済へ悪影響を与える可能性をWall Street Journalが報じています。

2026年に製造されるメモリの70%がデータセンター向け

Wall Street Journalによると、2026年に生産されるメモリの多くは高値で買い付けが可能なデータセンター向けがほとんどになる見通しで、その規模は全生産量の70%にも達するとのことです。

一方で、メモリの生産量自体は2025年に対して大幅な増産が見込まれていないため、残り30%のメモリをデータセンター用途以外のPCや家電、自動車、産業用機器などで取り合うことになります。

自動車や家電の供給不足はコロナ渦に匹敵する可能性あり

自動車や家電では最新鋭のDDR5ではなく、レガシー規格であるDDR3やDDR4などを使用しているケースが多くなっています。しかし、サムスンやSK Hynix、Micronなどの大手メーカーはこれらレガシー規格の生産を大幅に縮小する予定です。また、DDR5など新しい規格のメモリについては、長期間にわたる供給契約が2028年分のキャパシティーまで埋まっている可能性があるなど、簡単に入手できない状況が指摘されています。

そのため、特に自動車や家電などではコロナ禍で発生した半導体不足による生産遅延に匹敵するレベルの供給不足や価格高騰が発生する可能性が指摘されています。

テレビやスマートフォンの価格高騰は避けられない見通し

現代のほぼすべての電子機器にメモリが使用されていることは周知の事実ですが、テレビ、Bluetoothスピーカー、セットトップボックス、スマート冷蔵庫といった一般的な家電製品も大幅な価格上昇に直面する可能性があります。これらの製品は利益率が極めて薄く、メモリのような主要部品の価格が跳ね上がれば、そのコストは消費者に転嫁されることになると見られています。

Counterpoint ResearchのMS Hwang氏の予測によると、メモリコストはほとんどの電子機器で価格の10%、スマートフォンでは30%を占めるようになる可能性があるとのことです。これらの製品ではメモリ価格高騰の影響がかなり大きくなることが予想されます。

自動車の生産遅延は再び深刻なものになる可能性も

自動車に関してはコロナ渦ではトヨタを中心に納車が1年以上先になっていましたが、最近の自動車はコロナ渦当時に比べて自動運転系のADASやナビ、メーターなどインフォテイメント関係で高性能なチップセットやメモリを搭載する傾向にあります。また、これらのADASやインフォテインメントに関しては法規で必須として定められている装備にも直結するため、コロナ禍の時のように一部装備を省略して出荷することはできません。

そのため、仮にメモリ不足が自動車にも波及した場合には、再び人気車種で1年以上の納車待ちとなったり、それに伴い中古車価格が大きく跳ね上がるなど、多くの消費者や企業活動にも大きな悪影響を及ぼす可能性がありそうです。

コメント・考察

AIを中心とするデータセンターがメモリを喰い荒らすことによる影響は、PC市場のみならず家電や自動車など多くの消費者に悪影響を与えるレベルに到達しそうです。実際に影響が出始めれば、世間からAIに対する評価や風当たりがどのように変化するのかは気になるところと言えます。

なお、自動車の生産遅延に関しては、自動車メーカー側もコロナ禍でサプライチェーンの多角化や安定供給に向けた取り組みを行っているため、すぐに影響が出ることはないと考えられます。しかし、メモリ不足が長期化すればメーカーの取り組みで影響を吸収することはできなくなると考えられるため、特に人気車種に関しては再び納車の長期化や転売などの影響が懸念されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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