データセンター特需を背景にメモリ不足価格は高騰している状態ですでにDDR5やグラフィクスカードなどの値上がりにつながっています。しかし、データセンターに不可欠となるCPUもまもなく値上げが予想されているようでAMD、Intelはサーバー向けCPUの値上げを実施する可能性が指摘されています。
AMDやIntelがサーバー向けCPUを最大15%値上げへ?
近年、AIへの投資拡大を受けて、Amazon、Google、Microsoftといった大手クラウドサービスプロバイダー(CSP)は大規模なデータセンターの建設を進めています。このデータセンター建設ラッシュによりメモリ不足の顕在化と大幅な値上がりが起きています。
ただ、現時点でこの需給バランスの崩れと値上がりはメモリのみにとどまっていますが、金融機関KeyBancの調査によると、IntelやAMDはこれらCSPからの需要を背景に2026年第1四半期中にサーバー向けCPUを最大15%値上げする方向で検討を進めていることが明らかになっています。
データセンター建設ラッシュでAMD EPYCやIntel Granite Rapidsが在庫不足に
サーバー向けCPUの需要が急増している背景には、データセンター建設ラッシュに加え、最新鋭のサーバー向けCPUが出揃ったこと、そしてAI向けデータセンターへの投資により後回しにされていた従来型サーバーへの投資が再開されたことがあるようです。これにより2025年のサーバー出荷台数は前年比6%増が予想されているほか、2026年にはさらに16〜17%の出荷増が予想されています。
この成長の内訳としては、エンタープライズ向けは横ばいまたは微減が予想される一方で、CSPなどクラウド向けは25%の成長が見込まれるとのことです。
その結果、AMDではZen 5アーキテクチャーを搭載するEPYC TurinやIntelのGranite Rapids世代のXeonに対する需要が集中し、在庫不足からの値上げ検討という流れに向かっているようです。
AMD Ryzen 9000やZen 6世代のRyzenは供給不足や値上げの可能性も
サーバー向けCPUとして近年シェアを伸ばしているAMDのEPYCは、コンシューマー向けのRyzenと共通するCPUダイ(CCD)を搭載した製品になっています。そのため、Zen 5世代のEPYC Turinに対する需要が高止まりする状況となれば、Zen 5を備えたCCDが取り合いとなります。
そうなった場合、AMDはRyzen 9000向けより高い利益が見込めるEPYC向けへの供給を優先することが考えられ、その結果としてRyzen 9000シリーズの供給不足や値上がりなどが懸念されます。
なお、AMDは2026年後半にZen 6世代のRyzenとEPYCも投入予定ですが、こちらもEPYC VeniceとRyzenで共通のCCDを用いると言われています。特にこのZen 6はTSMC 2nm(N2P)など生産キャパシティーに限りがある設備を用いるため、仮にCSPなどがZen 6の投入を加速させた場合にはZen 6 Ryzenの供給不足が顕在化する可能性もあり、コンシューマー向けCPUの投入スケジュールや入手性に影響が出ることも考えられます。
データセンター需要によるメモリ不足によりDDR5やグラフィックスカードの値上がりが顕著に見られるようになっていますが、近いうちにCPUも値上がりとなると、しばらくの間は自作PCやBTOなどPCを組んだり購入したりすること自体がかなり困難になりうる状況と言えそうです。
特にAMDのEPYCはRyzenと共通設計が取り入れられている関係から、利益率が高い製品を優先的に製造することが容易です。2020〜2021年に半導体不足が顕在化した際には、AMDは実際にZen 3をEPYC向けに優先的に供給していたことがあります。
そのため、今後サーバー向けCPUの需要が高止まりすればRyzen 9000シリーズの供給不足に加え、Zen 6世代のRyzenでも入手が困難な状況が発生する懸念がありそうで、まだまだPC市場の需給や価格は不安定な状況が続きそうです。



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