Windows 11ではWindows Updateの配信を高速にダウンロードするために「配信の最適化」と呼ばれる機能が導入されています。しかし、この機能には時間経過とともにメモリ使用量が増加し続ける、メモリリークのような挙動があることが明らかになりました。
Windows 11 24H2以降に自動有効化された「配信の最適化」にメモリリーク?
MicrosoftのWindows 11には、P2P(ピアツーピア)方式でWindows Updateに必要なファイル類を配信する「配信の最適化」と呼ばれる機能が導入されています。これにより、Microsoftのサーバーだけでなく、同一ローカルネットワーク内の他のPCやインターネット上の他のデバイスからもアップデートファイルを取得できる仕組みになっています。
この機能により、大容量のアップデートファイルを効率的にダウンロードでき、帯域幅の節約やダウンロード時間の短縮が期待できます。しかし、この「配信の最適化」を司るプログラムに、メモリリークのような症状があることが明らかになりました。
「配信の最適化」を司る「DoSvc」が時間経過とともにメモリを爆食い
RedditユーザーのNiff_Naff氏は、WindowsのプロセスID(PID)とサービス名を用いて、時間経過とともにメモリ使用量がどのように推移するかを追跡しました。
その結果、DoSvc(Delivery Optimization Service)と呼ばれるWindows Updateの「配信の最適化」を司るサービスが、他のサービスと比較して時間経過とともにメモリ使用量が著しく増加していることを発見したとのことです。

同氏によると、この挙動は約1か月前から確認されており、メモリリークの可能性が指摘されています。なお、Microsoftが最近、Windows 11 24H2以降でこのサービスがデフォルトで起動するよう動作を変更したことも、問題が顕在化した一因と見られています。
この症状が多くのWindows 11搭載PCで発生しているのか、いつから発生し始めた不具合なのかなど、詳細は不明です。もし気になる場合は、「設定アプリ」から「Windows Update」→「詳細オプション」→「配信の最適化」と進み、「ほかのデバイスからのダウンロードを許可する」のトグルスイッチをオフにすることで無効化できます。
なお、配信の最適化を無効化してもWindows Updateは正常に受け取れるため、セキュリティ上の問題が生じる心配はありません。
Microsoftは同社の製品に含まれるコードのうち30%がAIによって書かれていることを、CEOのSatya Nadella氏が明らかにしています。しかし、不具合や検討不足ともいえる仕様も増えている傾向が見られるため、もう少し品質にフォーカスしてほしいところです。
なお、このメモリリークがどこまでの範囲で発生しているのかは明らかになっておらず、フィードバックハブを見てもまだ報告はされていません。そのため、極めて限定的な環境でしか発生しない可能性もあります。心配な方は、上述のとおり配信の最適化を無効化することをおすすめします。
配信の最適化はMicrosoftのサーバー負荷軽減が主な目的の機能です。ユーザー側のメリットはダウンロード速度の向上程度なので、メモリ消費が気になる方は無効化しても大きな影響はないでしょう。



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