Intel Foundryが外部顧客向けに開発中の14Aプロセスについて、AMDとNVIDIAがサーバー向け製品での採用を検討している可能性があることが、GF Securities(広発証券)の分析レポートで明らかになりました。
Intel 14AプロセスがAMDやNVIDIAなどの大型顧客獲得の可能性
Intelのファウンドリー事業は発足当初、大型顧客の獲得に苦慮しており、Intel 14Aで顧客獲得が実現できなかった場合にはファウンドリー事業からの撤退も検討されると言われていました。しかし、中国の証券会社であるGF Securitiesの調査によると、AMDやNVIDIAなどがサーバー向け製品でIntel 14Aプロセスの採用を検討していることが明らかになりました。
AMDはZen 7cなど? NVIDIAはVera CPUで採用する可能性も
GF Securitiesによると、AMDとNVIDIAは次世代のサーバー向け製品でIntel 14Aプロセスの採用を検討しているとのことですが、現時点で具体的にどの世代の製品から対応を検討しているのかまでは明らかにされていません。
ただし、Intel 14Aは2028年から量産開始予定であり、AMDはすでにZen 7世代のEPYCをTSMC 14Aで製造することを検討していると言われています。そのため、仮にIntel 14Aを採用するとしたら、Zen 7cなどメインのZen 7より遅れて登場するCPUになることが考えられます。
NVIDIAに関しては、Grace CPUなどArm CPUに力を入れていますが、2028年以降の量産となると、Feynman世代のGPUと組み合わされるVera CPUになると考えられます。
Appleに続く外部顧客獲得に? TSMCより地政学リスクとコストの低さが有利

Intelを巡っては、すでにAppleがIntel 18A-Pを用いてノートPC向けのApple M7チップを2027年に製造すると言われているなど、徐々に大口顧客の獲得に向けて成果が出てきているようです。
この背景としては、一強状態のTSMCが先端プロセスの価格を大きく引き上げていることに加え、台湾に主力工場が集中していることから地政学的リスクもある状態です。
一方で、Intelはコストについては明らかになっていませんが、製造拠点のほとんどが米国本土に位置することから地政学リスクが非常に低くなっています。特にサーバー向けなど、安全保障上また企業の収益面で重要な製品のバックアップ策として、魅力的な選択肢になっています。
Intelのファウンドリー事業は2021年に発表されて以降、大口顧客の獲得などには繋がっていませんでした。しかし、ここ最近になりTSMCの価格高騰や量産キャパシティーを大きく上回っていること、地政学的リスクなどTSMC1社に依存する体制にはリスクがあることが顕在化しているほか、米国のトランプ政権の輸出入規制強化や関税などのリスクもあるため、AMDやNVIDIAなど米国企業にとっては米国生産が可能なIntelは魅力的な選択肢になりつつあると言えそうです。
また、サーバー向けで必須である高度なパッケージングもTSMCのCoWoSに比べてIntelのEMIBは安価で巨大化が可能な他、シリコン製造からパッケージングまでIntelは米国内で完結されることもできるため、AMDやNVIDIAがサーバー向けでIntel 14Aに関心を寄せていると考えられそうです。



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