PlayStation 5 Pro(PS5 Pro)には、ソニー独自のアップスケーリング技術「PSSR」が搭載されています。このPSSRの大幅改良版にあたる「PSSR2」が、2026年中にも投入される見込みです。対応ゲームでは、画質とパフォーマンスの大幅な向上が期待されます。
PS5 ProのPSSRが2026年にPSSR2へ大幅改良。画質はFSR 3からFSR 4で実現されたのと同等レベル
ソニー独自のアップスケーリング技術「PSSR」は、AMDとの共同プロジェクト「Project Amethyst」の成果として生まれた技術です。現状のアップスケーリング性能は、画質・パフォーマンスともにFSR 3以上ではあるものの、FSR 4には達していないレベルでした。
また、PS5 Proがライフサイクル後半に差し掛かるにつれ、ゲームが求めるハードウェア要件は高まっています。特にメモリ容量をいかに効率的に使うかが課題となり始めています。
こうした背景から、ソニーはPSSRの新バージョンとなるPSSR2を開発中とのことです。今回、PSSR2の登場時期や改良される主要機能などが明らかになりました。
PSSR2は入力データ削減や開発ツールも充実しFSR 4相当の画質に

「Moore's Law is Dead」がゲーム開発者から入手したリーク情報によると、ソニーはPSSRの大幅刷新にあたるPSSR2(内部コード:MFSR2)を開発中とのことです。
PSSR2は大幅刷新と呼べる規模のアップデートになります。開発ツールの面では、「PSML Replay」と呼ばれる画質グリッチ対処機能など、開発者がPSSR2へ簡単に最適化できるツールを多数用意しているとのことです。同情報では、AMDがFSR 4向けに提供する開発者向けツールよりも、PSSR2の方が充実していることが明らかにされています。
性能と画質も大幅な向上が見込まれています。PSSR2の動作に必要な入力データは、初代PSSRに比べて削減されており、メモリ使用量も低減されています。この変更によりGPUの処理時間が短縮される一方で、アルゴリズムの改良とメモリ使用量削減を通じてアップスケーリング画質も向上するとのことです。画質の向上度合いは、AMDがFSR 3からFSR 4で達成した進化と同等レベルになると言われています。
PSSR2と共にAMDはFSR 4のPS5 Pro対応も2026年に計画中。ただし別技術として独立
PSSRは冒頭の通り、AMDとの共同開発プロジェクト「Project Amethyst」として推進されています。しかし、PSSRは今後もAMDのグラフィックスカード用アップスケーリング技術であるFSRシリーズとは別機能として開発されるようです。それぞれ独立したアップスケーリング技術として、個別に開発が継続されるとのことです。主な理由として、ソニーはAMDの技術に依存することを避けたい意向があるとされています。
一方、AMD側もFSR 4をPS5 Proでの動作に対応させる方向で開発を進めており、2026年の対応が予定されています。
そのため、今後登場するゲームでは、開発者の意向によってPSSR2とFSR 4の両方が利用可能になる見込みです。ゲームタイトルごとに最適なアップスケーリング技術を選択できる環境が整うと見られています。
PSSR2では、FSR 3からFSR 4へ進化した際と同程度の画質向上が期待されています。仮にそうであれば、4K解像度でも解像感のある画質を実現しつつ、ゴースティングやテクスチャのちらつきといった視覚的なグリッチが大幅に軽減されることになります。多くのユーザーが恩恵を実感できる変更になると言えるでしょう。
また、開発者向けツールも充実しているとのことで、PSSR2対応タイトルが増加するにつれ、画質向上の効果も現行PSSRより明確に感じられるようになると予想されます。ライフサイクル後半に差し掛かるPS5 Proの価値を高めるアップデートとして、どこまでユーザー体験を改善できるか注目されます。



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