Intelのデスクトップ向け次世代CPUにあたるNova Lake-Sでは、AMDの3D V-Cacheに対抗する大容量キャッシュモデルが一部製品に投入される予定です。今回、bLLC搭載モデルのコア構成や暫定的なラインアップに関するリークが登場しました。
Nova LakeのbLLC搭載モデルは合計4モデル? 最大52コア、288MBのキャッシュを搭載?
Intelは2026年終わり頃を目処に、デスクトップ向け次世代CPUとしてNova Lake-Sを投入予定です。同CPUは最大8P+16E構成のCompute Tileを基本とし、このタイルを最大2基搭載することで16P+32E+4LPEの合計52コア構成を実現します。
さらに、Compute TileにbLLC(big Last Level Cache)と呼ばれるキャッシュ容量を大幅に拡張した仕様も用意されており、AMDのZen 6に対抗するCPUとして期待されています。
そんなNova Lake-Sですが、今回は特にゲーミング用途で性能向上が期待されているbLLC搭載モデルのコア構成などに関して、新しいリーク情報が登場しました。
bLLCは52コアモデルにも搭載を計画。最大288MBのbLLCを搭載へ
8+12
— kopite7kimi (@kopite7kimi) November 26, 2025
8+16
(8+12)+(8+12)
(8+16)+(8+16)
Not 100% sure yet.
The power supply design of the new platform will be a challenge for motherboard manufacturers.
リーカーのKopite7kimi氏によると、bLLCを搭載するNova Lakeは合計4つの製品に展開されるとのことです。仕様は8P+12Eや8P+16EといったCompute Tileを1基のみ搭載する製品のほか、8P+12Eや8P+16EのCompute Tileを2基搭載したモデルも投入されるとしています。
| Compute Tile構成 | コア数 | bLLCキャッシュ容量 |
|---|---|---|
| 8P+16E x2 | 16P+32E+4LPE (合計52コア) | 288MB |
| 8P+12E x2 | 16P+24E+4LPE (合計44コア) | 288MB? |
| 8P+16E | 8P+16E+4LPE (合計28コア) | 144MB |
| 8P+12E | 8P+12E+4LPE (合計24コア) | 144MB |

bLLC搭載モデルのリークをめぐっては、数日前に別のリーカーであるJaykihn氏が、8P+12Eおよび8P+16EのCompute Tileを単独で搭載した製品にしかbLLCは搭載されないと述べていました。今回のリークについてJaykihn氏は、このような製品は把握していないが否定もできないとしています。
デュアルbLLC版は消費電力が高め? マザーボード価格高騰につながる可能性も
Nova Lakeでは定格TDPが現行の最大125Wから150Wに引き上げられるといわれています。同時に52コアという大量のコアとbLLCなど大容量キャッシュを搭載することから、ピーク時の消費電力は大きくなる見込みです。
Kopite7kimi氏は、マザーボード側の電源回路設計をより強化する必要があると指摘しています。そのため、Nova Lakeと同時に登場するLGA 1954対応マザーボードは、現行製品に対して価格が高騰する懸念があります。また、コスト削減を図ったハイエンドのZ系以外のマザーボードで52コアのbLLC搭載CPUを組み合わせた場合、最大パフォーマンスを発揮できないなどの制約が生じる可能性もあります。
Nova Lake-Sに搭載されるbLLCは、AMDの3D V-Cache搭載モデルに対抗できるゲーミング性能が期待されている製品です。そのため、8P+12Eや8P+16EのCompute Tileを1基搭載したモデルが主力になると考えられます。
一方で、フラッグシップモデルとしてゲーミングとクリエイティブ用途の両方に対応する製品として、bLLCを2基搭載したモデルにも需要はあるといえます。また、最高性能を持つ製品を投入することでブランドイメージ向上にもつながるため、これらの製品を投入する合理性は十分にあります。
ただし、bLLCの細かな構造などは不明ですが、通常のCPUよりもコストがかかることは必至です。bLLC製造に必要な設備のキャパシティも不明であるため、仮に発売されても価格や供給面で入手難易度が高くなる懸念があります。そもそもサーバー向けなどより収益性の高い製品に製造が優先される可能性もあり、この仕様の製品が発売までたどり着けるかは確実ではないと考えられます。



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