Intelは次々世代CPUにあたるNova Lakeを2026年後半に発売予定です。同CPUには最大52コアを搭載するモデルのほか、AMDの3D V-Cacheに似た巨大キャッシュ搭載モデルも登場します。今回、この巨大キャッシュ搭載モデルのラインアップの一部が明らかになりました。
Nova Lakeの巨大キャッシュ搭載モデル「bLLC」はアンロックモデル限定搭載
IntelのNova Lakeは、AMDに対抗するため最上位モデルで16P+32E+4LPEの合計52コア構成が予定されています。また、ゲーミング用途では3D V-Cacheへの対抗策として、巨大キャッシュであるbLLC(Big Last Level Cache)を備えるモデルの投入も計画されています。
そんなNova Lakeについて、リーカーのJaykihn氏がbLLC搭載製品の詳細を明らかにしました。同氏によると、bLLCはアンロックモデル限定で搭載される予定で、Core Ultra 9など最上位向けには搭載されず、メインストリーム向け製品を中心に展開する計画とのことです。
bLLC is not Ultra 9 to begin with.
— Jaykihn (@jaykihn0) November 25, 2025
The naming for segmentation is preliminary right now.
It’s 8+12 and 8+16.
主にCore Ultra 5とCore Ultra 7のKバリアントに搭載へ
Jaykihn氏によると、Nova LakeでbLLCを搭載するのは「unlocked」SKU、つまり末尾にKが付いている製品のみになる見通しです。そのため、搭載モデルは限定的になります。
また、bLLCが搭載される製品は8P+12Eまたは8P+16E構成になるとのことで、製品としてはCore Ultra 5またはCore Ultra 7として発売する方向で検討されていることを明らかにしています。
Nova LakeのCPUなどを含むCompute Tileは8P+16Eで構成され、最大2基搭載できると言われています。しかし、IntelはbLLC搭載モデルではCompute Tileを1基のみ搭載する製品を対象としています。つまり、Ryzen 9 9950X3Dのように片側に大容量キャッシュを備えたダイ、もう片側は通常ダイという構成で混合してコア数を増やしたモデルは計画されていないようです。
bLLCを2基搭載したモデルも現時点では計画されず
Nova Lakeを巡っては、8P+16EのCompute Tileを2基搭載する最上位モデルにさらにbLLCを搭載する可能性も指摘されていました。しかし、Jaykihn氏によるとこのようなモデルは現時点では計画されていないとのことです。
bLLCは1基あたり144MBのL3キャッシュを備えるため、2基搭載となれば最大288MBという大容量キャッシュが実現されます。ただ、bLLCを2基搭載することで、主眼であるゲーミング性能が大きく向上するかは不明です。また、bLLCはNova Lake以外にもサーバー・データセンター向け製品への投入が予定されているため、生産キャパシティーなど供給面でも課題があるものと考えられます。
Nova LakeのbLLCはAMDの3D V-Cache搭載CPUに対抗する製品として投入されるものですが、アンロックモデル限定搭載ということで、3D V-Cacheと同じくゲーミング性能を最優先に考えるユーザー向けの上位製品という位置づけで販売するようです。ただ、ラインアップとしては8P+12Eまたは8P+16Eのみに限定されるとのことですので、Core Ultra 5とCore Ultra 7の2モデルのみがbLLC搭載機種になる可能性が極めて高いと考えられます。
そして、最上位モデルのCore Ultra 9など8P+16EのCompute Tileを2基搭載した52コアモデルへのbLLC搭載は現時点で検討されていないようです。ただ、最上位モデルへのbLLCはそもそも同機能の主眼がゲーミング性能向上であることから、ワークステーション向けに近い52コアモデルへ搭載する意味はないと言えます。また、bLLC自体は今後サーバー向け製品(Diamond Rapids)などにも搭載されると考えられ、IntelとしてはbLLC生産に必要なキャパシティーを温存しておきたいという意図もあると言えそうです。



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