グラフィックスカードを巡っては、ここ最近のDRAM値上がりによりすでにAMDがAIB各社へ値上げを通達したと言われていますが、まだ値上げを通達していないNVIDIAに関しても近いうちに値上げされることがリーク情報より明らかになりました。
NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズも値上がりへ
グラフィックスカードは製造コストの多くをGPUコアとGDDR6/7などのVRAM部分が占めていると言われていますが、VRAM部分はここ最近のDRAM不足により大幅に値上がりしていることが明らかになっており、これらコンポーネントの調達価格高騰は免れない状態になりつつあります。

その影響はAMD製グラフィックスカードに出始めており、AIBに対して通達以降に出荷されるGPUとVRAMを値上げすることを通達したことが明らかにされています。
一方で、NVIDIAはVRAMなどの在庫をAMD以上に持っていると言われておりまだ値上げされたという情報はないものの、中国の博板堂で活動するリーカーによると、公式発表はまだないものの近いうちに値上げが行われることを明らかにしています。
GDDR7を製造するサムスンも契約価格値上げを通達中
NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズにはサムスンやMicron、SK HynixなどDRAMメーカー各社が製造するGDDR7を搭載しているものの、大多数のモデルはサムスン製を備えています。

そんなサムスンですが、DRAM最大手ということもあり現在の供給不足時には価格設定で大きな影響力を発揮しています。報道によれば、DDR5 32GBモジュールの価格を2025年9月時点では149ドルに設定していましたが、11月には60%値上げとなる239ドルで供給するなど強気な価格設定で各社に対して供給交渉に挑んでいることが明らかにされています。
そのため、NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズ用に調達するGDDR7に関しても、供給の大部分を占めるサムスン側は強気な価格を提示してくる可能性が高いと言えます。その値上げ分によるコスト増はそのまま消費者側へ転嫁され、最終的にはグラフィックスカードの値上げにつながると考えられます。
値上げ幅は上位モデルほど大きくなる?RTX 5090は1万円以上値上げも
まだ値上げが正式発表されていないため、値上げ幅は不明ですが、RTX 5000シリーズに用いられているGDDR7 2GBモジュールは平時は4ドル前後でした。しかし、現在は価格が2倍程度にまで跳ね上がっているため、モジュールあたりの価格は8ドルを超えます。
そのため、例えばGDDR7モジュールを合計16枚搭載するGeForce RTX 5090では1万円前後、8枚搭載するRTX 5080やRTX 5070 Tiでは約5000円ほどのコストアップにつながります。
なお、実際の販売価格はこのコストアップ分以上に設定される可能性も高いため、特にRTX 5090などでは2万円、RTX 5080やRTX 5070 Tiなどでも1万円前後の値上がりも考えられます。
博板堂のリークでは値上げ時期は明らかにされていませんが、すでにAMDが値上げに踏み切っている他、GDDR7の調達価格が上がることは必須であることから、2025年内にAIBへ値上げが通達され、2026年1月の早いうちに量販店などにまで値上がりが波及する可能性があります。
特にグラフィックスカードについては円安に加え、今回のDRAM値上がりなどの影響を受けることは確実で、値下がりが期待できる要素は皆無です。また、現在RTX 5090以外のモデルは発売時より15%以上値下がりしており、RTX 5080は17万円以下、RTX 5070 Tiは12.5万円前後、RTX 5070は8万円前後で購入できます。
ですので、グラフィックスカードを近々買い替えたいと考えている人は、ブラックフライデーセールや年末年始のセールまでには購入を急いだ方が良さそうです。



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