Intelが先行して技術概要などを公開していた次世代CPUのPanther Lake世代のCore Ultra 300シリーズですが、同社は2026年1月5日に開催されるCES 2026にて正式発表することを明らかにしました。
Intel Panther LakeがCES 2026で正式発表。各モデルの仕様や性能もここで明らかに
Intelの次世代CPUにあたるPanther Lakeは2025年10月に業界向けイベントで一部の技術概要などが明らかにされたものの、一般消費者向けに展開される各モデルの仕様や性能などは明らかにされていませんでした。また、同CPUを採用するノートPCなども明らかにされていませんでしたが、Intelは公式サイトにてPanther Lakeを2026年1月5日に発表すると明らかにしました。

この発表会はCES 2026で行われ、同社のコンシューマー向け製品を担当するClient Computing Group担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJim Johnson氏が登壇します。次世代Intel CPU搭載PCやエッジソリューション、そしてPanther Lake CPU、すなわちIntel Core Ultra Series 3が実現するAI体験について説明するとのことです。
Intel Panther Lakeの概要
Panther Lakeは、Lunar Lakeの「省電力性」とArrow Lakeの「絶対性能」を一つに集約した意欲的なプロセッサーです。全14モデルがTDP 25Wという高効率な設定で統一され、コア構成にはP-CoreのCougar Coveと改良型E-CoreのDarkmontを組み合わせ、最大16コア(4P+8E+4LPE)から最小6コアまで幅広く展開されます。
内蔵GPUにはArc Celestial世代のXe3アーキテクチャーを採用しており、最大構成ではノートPC向けRTX 3050 Ti並みの性能を発揮するとされ、グラフィックス性能の飛躍的な向上が見込まれています。
特筆すべきは、Panther LakeがIntel 18Aプロセスで製造される最初の製品であるという点です。Intelにとって、この製品で高性能かつ安定した供給を実現できるかは、ファウンドリー事業の信頼性を確立する上で極めて重要です。この18Aでの実績が、将来登場するIntel 14Aプロセスの採用を検討する潜在顧客への最大のアピール材料となるため、Panther Lakeの出来栄えはIntelファウンドリー事業の命運を握る第一関門として、業界内外から注目度の高い製品になっています。
新ブランド「Core Ultra X」も登場予定
Panther Lakeでは2023年から投入されたCore Ultraブランドに変更が行われ、新たにCore Ultra Xシリーズも投入されます。このCore Ultra Xシリーズは内蔵GPUを強化した製品に与えられる見込みで、Panther LakeではXe3を12コア搭載した製品はすべてCore Ultra Xになると言われています。
Panther Lakeについては本来2025年末までに登場する予定でしたが、歩留まり問題などで発売が大幅に遅れることが懸念されていました。しかし、結果的には2026年1月発売ということで当初の予定より少し遅れる程度に抑えられたことから、同社の決算に大きな悪影響を与えることは避けられそうです。
ただ、Panther Lakeは省電力性能や内蔵GPU性能が非常に高く魅力的な製品であることは間違いないものの、ノートPCなどでは高騰しているDRAM/NANDフラッシュの価格の影響で値上げが必須の状態であり、Panther Lakeも当初想定していた価格より高い価格帯で搭載ノートPCなどが発売されることが予想されます。
そうなれば、販売台数は想定を下回る可能性があるほか、既に供給不足に陥っているRaptor Lakeなど旧世代CPUに人気が集中する可能性もあります。実際にPanther Lakeを搭載するノートPCの販売価格やその後の販売状況には注目が集まりそうです。



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