AMDは2026年初め頃に現行のZen 5搭載APUであるStrix Point APUのリフレッシュモデルとしてGorgon Point APUを投入される見通しです。同APUがベンチマークサイトに登録され、そのモデル名や一部スペック情報が明らかになりました。
SiSoftwareベンチマークにGorgon Pointが登場。Ryzen AI 400シリーズと命名へ
AMDは2024年に発売したZen 5 + RDNA 3.5を搭載するStrix PointからCPUのモデル名をRyzenと4桁表記のモデル名を廃止し、AI PCを意識して「Ryzen AI」というブランド名と共にRyzen AI 300シリーズとしてStrix Point APUを発売しました。
Ryzen AI 300シリーズはすでに発売から1年が経過し、競合のIntelもPanther Lakeを投入することからリフレッシュモデルとしてGorgon Pointと呼ばれる新APUの投入が計画されています。今回、このGorgon PointがSiSoftwareのベンチマークに登録され、そのモデル名に加え動作クロックやコア数、キャッシュ容量などの一部スペックが判明しました。
Ryzen AI 9 HX 470がベンチマークに登録される。動作クロックは現行より向上

SiSoftwareのベンチマークに登録された製品はRyzen AI 9 HX 470と呼ばれるモデルで、モデル名から現行のRyzen AI 9 HX 370の後継モデルと見られています。
スペックは12コア、24スレッドでこれは現行のRyzen AI 9 HX 370と同じですが、動作クロックは最大5.1 GHzから5.25 GHzに引き上げられており、これがGorgon Pointの主な変更点と見られています。
内蔵GPUは現行と同じくRadeon 890Mが搭載されていることからCompute Unitは16基となります。なお、内蔵GPUの動作クロックは今回明らかになっていませんが、こちらもCPUと同じく最大クロックが向上すると見られています。
なお、今回のSiSoftwareのベンチマーク結果はRyzen AI 9 HX 370に対して15%劣る結果が記録されています。しかし、CPUがES(Engineering Sample)品であったり、搭載されているノートPCの冷却やBIOSなどが試作品段階で性能が発揮しきれていない可能性があります。
また、SiSoftwareのベンチマーク自体、CPUの純粋な計算能力を計測するという性質からレンダリングやゲーミングなどリアルワールドでの性能評価には直結しない傾向にあるため、参考程度にとどめておく必要があります。
AMDのGorgon Pointは、現行のStrix Pointのリフレッシュモデルと位置づけられており、スペックや性能の大幅な飛躍は当初から期待されていませんでした。むしろ、昨今のAMDは製品名の変更頻度が高いことから、性能そのものよりもモデル名が最大の注目点となっていましたが、どうやら順当にRyzen AI 400シリーズとしてラインナップされる公算が高いようです。
なお、本製品は2026年末から2027年初頭に登場予定のZen 6世代、Medusa Pointまでのつなぎ役という側面が強く、競合するIntel Panther Lakeに対しては、性能で圧倒するというよりは、次世代までの空白期間を埋め、市場での存在感を維持するための防衛的な製品となりそうです。



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