DRAMコスト増でNVIDIAとAMDがエントリー向けモデルの販売停止を検討? ノートPCなどはメモリー容量削減へ

  • URLをコピーしました!
リーク評価
総合評価: 88%
的中率: 的中率: 4
実現性: 実現性: 5
発売までの時期: 時期: 5
具体性: 具体性: 3
整合性: 整合性: 5
情報源: 韓国経済新聞

DRAMなどはサーバーからスマートフォン、PCなど幅広い電子デバイスに搭載されている重要部品で、CPUやGPUに次いでコストのかかる部品にもなっています。しかし、ここ最近のDRAM価格高騰や供給不足を背景に、各メーカーではDRAMを減らしたり、DRAMが製品コストに占める割合が高い製品の販売停止などを検討しているようです。

目次

DDR5やGDDR6などDRAMフラッシュの価格が1カ月で2倍以上に急騰

DRAMなどのメモリ製品は、ここ数日、値上がりに関する話題が多く登場しています。DRAMeXchangeのデータによると、PC用DDR5 16Gb製品の価格は1ヶ月で136.8%上昇し、24.8ドルに達するなど、異常事態とも言える状況になっています。

また、この異常事態の収束も見通せない状況で、DRAMを製造するサムスン、SK Hynix、Micronの大手3社は、DRAMの供給を大幅に増やす計画は現時点ではないとしています。

このような動きから、市場調査会社TrendForceは、2025年第4四半期のDRAM平均固定取引価格(企業間取引契約価格)が前年同期比75%上昇すると予測しています。DRAMを使うグラフィックカードやノートPC、スマートフォンなど多くの製品の収益率に大きな悪影響を与えることが懸念されていますが、早速各社は消費者にコスト上昇分を転嫁する動きを加速させることを検討しているようです。

NVIDIAとAMDはミドルからエントリーモデルのグラフィックカード販売停止を検討

グラフィックカードにはGDDR6や一部製品はGDDR7など高性能なDRAMを搭載していますが、特にミドルレンジからエントリーモデルなど、GPUダイが比較的小さく価格を抑えた製品では、DRAMなどメモリの原価比重が非常に高くなっています。一方で、GPU自体の性能が抑えられていることから、GDDR6/7の価格高騰を販売価格に転嫁することも非常に困難な製品になっています。

そのため、業界関係者によると、NVIDIAやAMDはミドルレンジからエントリーモデルなど中低価格のゲーム用グラフィックカードの販売を終了することを検討中であることが明らかになりました。

このミドルレンジからエントリーモデルが具体的にどのモデルを指すかは不明ですが、販売終了となる可能性が高い製品はGeForce RTX 5050やRadeon RX 9060 XT 8GBなどが考えられます。一方で、RTX 5060やRadeon RX 9060 XT 16GBもミドルレンジですが、売れ筋モデルであることから、これらは大幅な値上げやGDDR6/7のスペックダウン(速度引き下げ)などでコスト削減や利益確保を目指す可能性があります。

ノートPCなどはメモリ搭載量削減を検討中

2025年以降、多くのノートPCはAI対応に向けて32GBのメモリを搭載する製品も多くなってきていますが、ASUSなど台湾PCメーカーは、メモリ搭載量を削減する方策を検討中とのことです。

こちらは具体的な話はありませんが、考えられる策として低価格帯製品の販売停止に加え、一部製品では標準搭載のメモリ容量を16GBに抑え、32GB化はオプション化するなど、製品の大幅値上げが行われなくてもスペックを引き下げることで実質的な値上げを狙うことが考えられます。

なお、TrendForceによると「企業がマージンの少ない低価格製品の生産を縮小し、全般的な価格を引き上げる可能性が高い」と述べているため、上述のような方法で実質値上げ的な措置が取られる可能性は極めて高いと言えます。

コメント・考察

NVIDIAやAMDなどのミドルレンジやエントリー向けグラフィックカードは、一般的に価格が3~5万円以内と手ごろな価格で販売されている一方で、GDDR6/7などDRAM値上がりによって今よりも1~2万円ほど値上がりした場合、RTX 5050やRX 9060 XT 8GBなど、今でもあまり売れていないモデルの販売は壊滅的なダメージを受けることは必至です。また、そうなれば薄い利益の中で生産ラインや在庫を維持する費用も掛かることから、販売停止は選択肢として合理的と言えます。

また、ノートPCでは内蔵GPUやNPUを備える製品が増えていることから、比較的速度が速いLPDDR5xを搭載しているモデルが多く存在すると共に、AI対応を謳うために2025年以降に発売された製品の多くは32GBメモリを搭載していました。しかし、DRAM価格が上がればこのような対応は不可能となるため、今後は16GBや12GBを標準搭載する製品が増えることも確実です。

このDRAM不足はAIブームが終息するなどのイベントがない限り、1年から2年は続く可能性が高いため、エントリー向けやミドルレンジ向けグラフィックスカードやノートPC購入を考えている人は、ブラックフライデーセールや年末年始セールなどで購入を済ませておいた方が後々後悔せずに済みそうです。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

コメント

コメントする


目次