Intel Nova Lakeの命令セットが判明。ほぼすべてのモデルでAVX10.2とAPXに対応

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Intelが2026年に発売を計画している次世代コンシューマー向けCPUのNova Lakeについて、Intelが公開した公式資料にて最新の命令セットであるAVX10.2やAPXに対応することが明記されていることが判明しました。

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Intel Nova LakeはAVX10.2やAPXなど最新命令セットに対応

Intelは2026年に新しいアーキテクチャを全面的に採用したNova Lake CPUをノートPCからデスクトップなど幅白いコンシューマー向けに発売を予定していますが、Intelが公開した命令セットアーキテクチャ(ISA)のリファレンスマニュアルにて、同CPUがAVX10.2ならびにAPX(Advanced Performance Extensions)に正式対応することが明らかになりました。

Intelの公式資料では、AVX10を「統一されたベクターISA」と説明しており、128-bit、256-bit、512-bitのベクター長を単一のフレームワーク内で扱えるようにする設計になっています。

これにより、Alder Lake以降使用できなかったAVX-512などのベクター長まで扱うことが可能にるため、一部ワークロードでは性能向上が期待できるほか、断片化していたAVX-512のエコシステムの統合も可能になるため、開発者にとってより使いやすい環境を提供することが狙いとされています。

なお、Intelはこのドキュメント内で情報は変更される可能性があると明記していますが、ISA参照資料への記載はIntelのアーキテクチャロードマップにおいて正式な位置付けを得たことを意味しており、実装がほぼ確実視される段階に入ったと見られています。

ノートPCからデスクトップまでAVX10.2に対応

今回判明した情報で特筆すべき点は、AVX10の対応がデスクトップ向けとモバイル向けの両方のNova Lakeラインアップに適用されることです。従来、512-bit幅のベクター演算はサーバー向けCPUに限定される傾向がありましたが、AVX10の導入によりクライアント向けCPUでも本格的な512-bitベクター演算が利用可能になります。

これにより、科学計算、メディア処理、AI推論といったベクター演算を多用するワークロードにおいて、コンシューマー向けCPUでも大幅な性能向上が期待できます。特にクリエイター向けのコンテンツ制作や、ローカルでのAI処理などの用途では、パフォーマンスの向上を体感できる可能性があります。

また、AVX10は統一されたプログラミングモデルを提供するため、サーバー向けとメインストリーム向けCPU間での断片化が減少し、ソフトウェア開発者にとっても最適化がしやすくなると見られています。

一方でエントリー含めてAVX 10.2に対応するかは不明

Nova Lakeは最上位モデルは16P+32E+4LPEで合計52コア化されるなど現行のXeonに迫るようなスペックとなる一方で、エントリー向けは4P+0E+4LPEなどスペックの差が非常に大きくなっています。そのため、コストを引き下げる必要があるエントリーモデルではダイサイズの制約からAVX10やAPXなど一部命令セットが搭載されない可能性があります。

特に、AVX10の中でも512-bitまで対応するとダイサイズ拡大にもつながってしまう一方で、非対応とすればNova Lake間で再び512-bitの対応、非対応で断片化するため公式資料が言う「統一されたベクターISA」とは異なってしまうことから下位モデルを中心にAVX10を割り切って非搭載とする選択肢を取る可能性は十分考えられます。

コメント・考察

IntelではAVX-512についてコンシューマー向けでは無効化するなど、サーバー向け製品との差別化のために使われていました。しかし、AMDはZen 4からコンシューマー向けとサーバー向け共にAVX-512へ対応させるなどしており、Intelとしても競争力確保のためNova Lakeでは基本的にAVX10(AVX-512相当)へ対応する方針に切り替えたものと考えられます。

なお、このAVX10 (AVX-512)はAI推論などで効果を発揮するほか、動画編集などのクリエイティブ用途でも高い効果が期待できるため、特にコア数が大きく増えるNova Lakeのハイエンドモデルではこの新しい命令セットへ対応することによる恩恵は大きく、実際での使用環境やベンチマークでも効果を発揮すると考えられます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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