AMDが将来ロードマップを公表。Zen 7や次世代GPUの存在が公式に明らかに

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AMDは投資家ならびにアナリスト向けにAMDの現状を説明する「Financial Analyst Day」を開催しましたが、この中でAMDが将来的に投入するCPUおよびGPUのロードマップ情報が明らかになり、噂されていたZen 7に加えRDNA 4の後継GPUの存在が公式に明らかになりました。

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AMD Zen 7と「次世代GPU」の存在が明らかに

AMDは過去に明らかにしたロードマップにて、CPUはZen 6やZen 6cが2026年以降に登場することを明らかにしていた一方で、その先に存在すると噂されていたZen 7や、RDNA 4以降のGPUに関する構想は具体的には明らかにされていませんでした。しかし、2025年11月11日にAMDが開催した「Financial Analyst Day」にて、同社が将来的に投入するCPU、およびGPUそれぞれのロードマップを明らかにしました。

Zen 7を開発中と正式に発表。AVX10などにも対応?

CPUのロードマップでは今まではZen 6およびZen 6cまでしか明らかにされていませんでしたが、リーク情報などでZen 7が開発中と言う話は度々存在はしていました。そんなZen 7ですが、今回AMDは同CPUについて存在を正式に認め、2nm以降の次世代プロセスを採用することが明らかにされています。

また、機能としては概要レベルですが、AI推論などで重視される行列(マトリックス)演算を司る機能が刷新されるようで、特にAI向けの機能が拡充されるようです。

なお、AMDは10月にIntelと共同でx86アーキテクチャ推進団体である「x86 Ecosystem Advisory Group」の1周年記念のプレスリリースにてAVX10やACE (Advanced Matrix Extensions for Matrix Multiplication)の標準化に関して前進していることを明らかにしているため、このZen 7においてはこのx86 Ecosystem Advisory Groupが推進する新しい命令セットに対応することが予想されます。

GPUは「次世代GPU」と記載。RDNAなのかUDNAなのかはまだ決まらず

ゲーミング向けGPUについてはRDNA 4以降の世代について、一時はCDNAと統合され、UDNAとなると噂されていました。そんなRDNA 4以降のGPUですが、ロードマップではRDNA 4の後継の次世代GPUが開発中であり、AIへの対応やレイトレーシング性能の強化が行われることが明らかにされていますが、その名称については明らかにされておらず、現時点ではRDNA 5なのかUDNAになるのかは決まっていないようです。

CDNAは存続。RDNAもそのままRDNAで続く可能性大

UDNAと言う名称は元々AMDのグラフィックス本部長であるJack Huynh氏が海外メディアとのインタビューでRDNAとCDNAを統一を予定し、これらをUDNAと呼んでいると言う話から出てきた名称でした。そのため、特にRDNA 5ではUDNAと名称が変更されるのではないかとも噂されていました。

しかし、今回のロードマップではCDNA側は2026年に登場するCDNA 5の後継として「CDNA Next」がロードマップ上には記載されていることから、今後もCDNA単独で存続することが確実です。

そのため、2026年から2027年に登場予定のゲーミング向けGPUでUDNAへ名称が変更される可能性は極めて低く恐らくRDNA 5として登場すると考えられそうです。

なお、AMDが今後、CDNAとRDNAをアーキテクチャレベルでは基本設計などを統合する可能性はあるものの、CDNAもRDNAも一定の知名度を得ていることから対外的には今後もデータセンター向けGPUはCDNAとなるため、ゲーミング向けのRDNAはそのままRDNAシリーズとして続く可能性が高いと言えそうです。

コメント・考察

Financial Analyst Dayは主に投資家向けイベントであることから、発表内容もほとんどがAIに焦点を当てた内容になっていました。ただ、その中でもコンシューマー向け製品に紐づくものもあり、それが今回正式に存在が明らかになったZen 7と次世代GPU(多分RDNA 5)になっています。

Zen 7はAdvanced Nodeと書かれているため、製造プロセスは確実に2nm以降に変更されると言え、リークで言われているTSMC 14A採用の可能性がかなり高いと言えます。また、AVX10やACEなど新しい命令セットにも対応するなどサーバー向けEPYCで求められる高い性能がそのままコンシューマー向けにも反映されそうです。

GPUは情報が限定的だったものの、「AIとレイトレーシング」がキーワードになっているため、FSRの品質向上を通じてNVIDIAのDLSSへ対抗するほか、NVIDIAに対して劣っているレイトレーシング性能の向上を引き続きテーマとして開発が行われるようです。リークでもRDNA 5ではレイトレーシング性能が大幅向上すると言われているため、NVIDIAに対してRDNA 4以上の競争力を持つのか今後の動向に注目が集まります。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 対応するのが、AVX10.1 か AVX10.2 なのかそれが問題だ。
    これからのことを考えれば AVX10.2 であって欲しい……。

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