ソニーは薄型PS5に続き、PS5 Proでも一部改良を施した新モデル(CFI-7100)を一部地域で発売しています。このPS5 Proはコストダウンが行われている一方で、旧モデルに対して消費電力の削減や動作音の静音化など、様々な改良が施されていることが明らかになりました。
PS5 Pro (CFI-7100)の分解でコストダウン以外にも大きな改善が複数見つかる
ソニーはインフレや関税など製造コストの上昇に対応するため、薄型PS5のデジタルエディションではSSD容量を減らしたり、マザーボードのVRMを減らすなどコストダウンを重点的に行ったCFI-2100モデルを投入しました。

同様にコストダウンを施したPS5 ProであるCFI-7100が、欧州など一部地域で既に発売されています。このPS5 Pro CFI-7100について、YouTuberのAustin Evans氏が分解を行い、先代のPS5 Pro(CFI-7000)に対する変更点を調査しました。
外観デザインは変更されず。ただし重量は約100g軽量化

PS5のデジタルエディションでは、PS5中央に配置されているグロスブラックの加工が艶消し加工に変更されるなどのコストダウンが行われていました。
しかし、PS5 Proでは外観にコストダウンが入っておらず、旧型のCFI-7000と新型のCFI-7100の違いを外観から確認することはできません。
ただし、内部構造の一部が変更されているため、旧型では3.1kgあった本体重量が新型では3.0kgと約100g(正確には87g)軽量化されています。これにより物流コストなどの低減が可能になっています。
消費電力は僅かに低減。騒音は20%程度削減


新型PS5 Proは僅かながら消費電力が削減されることがリークで明らかにされていましたが、実際にゲームをプレイした際には、旧型に対して新型は約4%ほど消費電力が削減されていることが判明しています。


また、本体の騒音も消費電力低減やコスト削減と同時に行われた改良により下がっています。旧型では48.5dBあったファンノイズが、新型では46dBへ低減されました。
なお、2台の差はたった-2dBと感じられますが、-2dBは音圧では20%減となるため、明らかに違いを感じられる差となっています。そのため、新型PS5 Proは旧型に比べて、特に騒音の面で大幅な改良が加えられたことになります。
内部設計はコストダウン重視。薄型PS5と同じく電源回路などを簡素化


分解では、本体カバーを外すと現れるファンから設計が異なっていることが判明しました。旧型では金属製シュラウドがファンを覆っていましたが、新型ではプラスチック製シュラウドに変更されています。
また、ファンも羽の枚数は同じ19枚ですが、設計変更が施されておりファン本体の軽量化も行われています。
電源ユニットもサイズは同じですが、本体重量が20g軽量化されるなど、何かしらの設計合理化が含まれているようです。

マザーボードはほぼ同じ形状になっていますが、VRMなど電源周りのチップの削減が見られます。これによりPS5 Proの中で比較的高価なマザーボードのコストダウンを図っていると見られています。
ただし、薄型PS5デジタルエディションで見られたようなヒートシンクからヒートパイプを一本無くすといった大きな変更は行われておらず、コストダウンの度合いとしては薄型PS5デジタルエディションで見られたほど過激なものにはなっていません。
この新型PS5 Proは現時点では日本で発売されていないものの、欧州やアメリカでも順次発売されていることから、旧型モデルの在庫が無くなり次第、日本でも切り替えられると見られています。
ただし、薄型PS5デジタルエディションのようにSSD容量が減らされるという大幅なコストダウン措置は施されていないため、現行品を急いで買う必要はありません。
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