AMDのARM版APU「SoundWave」の出荷リストに登場。エントリー向けでARM市場へ参入へ。

AMDは現在主流のx86アーキテクチャを採用するAPUとは別に、新たに「SoundWave」と呼ばれるARMアーキテクチャ採用のAPUを開発中です。このたび、貿易情報データベースに出荷記録が登録され、開発が継続中であることに加え、APUのチップサイズなどの詳細が明らかになりました。

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AMD初のARM搭載APU「SoundWave」の試作品の存在が確認される

AMDは、QualcommやNVIDIAのWindows on ARM市場参入に対抗するため、同様にARMアーキテクチャを採用したAPUをコードネーム「SoundWave」という名称で開発していることが2024年5月頃に明らかになっています。

そんなSoundWaveですが、現在も開発が続いているようです。船舶や航空機で輸送される貨物の貿易情報をまとめるNBD DATAに登録され、開発状況に加え、一部仕様の情報が判明しました。

設計検証用ボードが出荷。FF5ソケット採用の小型APUに

出荷リストによると、2025年8月中旬から下旬にかけて、SoundWaveを意味する「SWV」という名称で、APUの構造や熱、電気特性などを評価すると見られる評価ボードが複数出荷されています。これにより、2026年後半頃と噂されている発売に向けて、着実に開発が進められていることが確認できます。

また、この評価ボードからSoundWaveが採用するソケットとパッケージサイズも判明しました。ソケットにはFF5と呼ばれるものを採用し、サイズは32×27mmのBGA1074であると判明しています。

FF5ソケットは、Steam DeckやRyzen Z2シリーズに採用されているFF3ソケットの後継と見られています。また、パッケージサイズが小型であることから、SoundWaveはエントリー向けノートPCなど低価格帯製品への採用を目指したAPUであることが推測されます。

ARM on Windowsにはエントリー向けで参入

Windows on ARM市場には、QualcommがSnapdragon Xシリーズで2024年後半から参入しています。しかし、ハイエンドモデルを中心にラインアップした結果、優れた電力効率を持ちながらも、当初期待されたほどのシェア拡大には至っていないとの指摘もあります。

一方、SoundWaveは、Chromebookなどに搭載されていたMendocinoの後継として投入されるエントリーモデル相当の仕様になると言われています。

現時点で明らかになっているスペックは、CPU側がARMで構成される高性能コア2基、高効率コア4基の6コア構成です。内蔵GPUはRDNA 3.5アーキテクチャを採用し、4基のCompute Unitを搭載するなど、性能を抑えた仕様になっています。

AMDの狙いは、ARMの強みである低消費電力を活かし、バッテリー容量や筐体サイズに制約があるエントリー向けモデルに投入することと考えられます。動画視聴やネットサーフィンなど、ユーザー用途が限られる低価格帯モデルを充実させ、ARM市場で一定のシェアを獲得する戦略と見られています。

なお、AMDはSoundWaveに関して2026年後半以降の投入を目指していると言われていますので2026年1月初めに開催されるCES 2026やそのあとの各種イベントなどで同APUについて正式発表が行われるはずです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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