Valveが毎月公開しているSteamハードウェア調査において、AMD製CPUのシェアが8月の40%台から9月には41.31%に達していることが明らかになりました。一方で、Intelのシェアは下落が続くなど苦戦している状況です。
コンシューマー向けCPUで調子が良いAMD。大苦戦中のIntel
ここ最近のCPU市場ではAMDのZen 5と3D V-Cacheを組み合わせたRyzen 9000X3Dシリーズがゲーミング向けで人気の一方で、Intelが同時期に発売したArrow Lake CPUは期待されていたゲーミング性能は発揮できず、Intel自身も失敗だったと発言してしまうほどでした。
そんなAMDとIntelのCPUですが、消費者の動向にも表れてきているようです。2025年9月に集計されたSteamハードウェア調査ではAMDが1カ月で1%以上もシェアを伸ばしており、ゲーミングメインのPCにおいて高い人気を集めていることが明らかになっています。
Nova Lake登場までにAMDがシェア50%に迫る可能性も

2025年9月に集計されたCPUのシェアは、Intelが前月比1.15%減の58.61%を記録。一方のAMDは前月比1.15%増の41.31%を記録しています。
現状、Intelは60%近いシェアを握るなどまだ高い状況ではありますが、Intelは2020年頃までは77%近いシェアを握っていたことから、4年で17%近いシェアを失ってしまったことになります。
また、Steamハードウェア調査はSteam上で稼働しているPC全体を対象とした調査で、新規購入PCだけでなく既存のPCも含まれています。そのため、売れている製品でも一般的には月に1%未満の変動など、比較的緩やかに反映される傾向にあります。
しかし、今回の結果では1.15%と比較的大きな変動が見られていることから、新規に組み立てられるゲーミングPCの多くがAMD Ryzen CPUを採用していることを示唆しています。
そのため、仮に今後もこの傾向が続けば、2026年末にIntelが投入する新製品Nova LakeまでにAMDが50%のシェアに迫る可能性があります。Intelにとってシェア回復が非常に困難な状況となるかもしれません。
シェアを失うと最適化の優先順位が下がるなどIntelには悪影響も
CPUなどのシェアは消費者のみならず、ゲーム開発者やBTOメーカーなども参考にしている数字です。今後AMDのシェアが上がり続ければ、BTOメーカーはAMD CPU搭載製品のラインアップを増やしたり、積極的なプロモーションを行うことが予想されます。また、ゲーム開発者も最適化をする際に、AMD製CPUを優先的に対応することが予想されます。
逆に言えば、Intelはこのままのペースでシェアを失い続ければ、さらにシェアを失うという悪循環に陥る懸念もあります。そのため、Raptor Lakeなど比較的競争力ある製品のプロモーションや競争力ある価格設定を通じて、Nova Lake登場までシェアを守る必要があるでしょう。
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