サムスン Exynos 2600が量産開始。歩留まりも50%を超えるように

サムスンは次世代Galaxy向けに自社の2nmプロセスを採用したExynos 2600を2026年投入予定で開発をしていますが、どうやらこのExynos 2600について遂に量産化の目途が立ち、9月末にウェハー投入が始まり、早ければ10月終わりにもファブアウトを迎える予定のようです。

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悲願の先端プロセスの成功まであと1歩。2nmプロセス採用製品が量産化達成へ

サムスンではファウンドリー事業を展開しており、Nintendo Switch 2向けのチップなども作られるなど一定の採用実績はあるものの、その多くはTSMCの最先端プロセスに比べると1~2世代以上古いプロセスのみで、TSMCの肩を並べる最先端プロセスについては歩留まりなどの問題から他社での採用実績のみならず、サムスン自社製のExynosでさえも採用を見送ることが度々ありました。

しかし、現在開発中の2nmプロセスであるSF2プロセスについては先代の3nm系のSF3に比べて歩留まりが良好に推移しているとのことで、Exynos 2600のダイサイズの場合は既に50%を超える歩留まりを実現しているとのことで、本格的な量産に必要とされる60%を目前に迫っているとのことです。これにより、2026年前半に発売されるGalaxy S26シリーズには同社製Exynos 2600が多くのモデルで採用され、スマートフォン事業の採算改善ならびに商品力向上に大きく貢献することが期待されています。

前世代の失敗を挽回する重要プロジェクト

サムスンの自社ファウンドリーに関しては先代のSF3プロセスは当初、Exynos 2500が製造されそれらがGalaxy S25シリーズの一部モデルに採用されることが計画されていました。しかし、SF3プロセスの低い歩留まりからGalaxy S25へのExynos 2500搭載は見送られました。これによりファウンドリー事業はSF3で新規顧客を獲得することに失敗した他、Galaxy S25シリーズへ割高なQualcomm製Snapdragonを搭載することに繋がり、大きな損失を被りました。

そのため、今回のSF2プロセスの成否はファウンドリー事業のみならず、スマートフォン事業にも重要となるプロジェクトとして位置づけられており、サムスンは建設中だったテキサス工場から技術者を戻してまで開発するなど多くのリソースを注ぎ込んできました。

なお、このサムスンSF2を採用するEyxnos 2600はGalaxy S26シリーズの内、ベースモデルを中心に採用予定で、上位のGalaxy S26 UltraなどにはSnapdragon 8 Elite Gen 5が採用される予定ですが、価格が比較的抑えられたベースモデルに製造コストが安価なExynos 2600を搭載することでスマートフォン事業の採算性は大きく改善することが期待s荒れています。

ファウンドリ事業の巻き返しにも期待

サムスンSF2プロセスがExynos 2600に本格採用され、量産も予定通り行われる影響は同社のスマートフォン事業の採算のみならず、ファウンドリー事業の地位強化にも効果があると期待されています。特に、サムスンの先端プロセスについてはQualcommなどが度々検討するものの、歩留まりを理由に見送られてきましたが、SF2プロセスの歩留まりが順調に推移すれば一部製品にて採用される可能性が高まることが期待できます。特に、TSMCは先端プロセスが事実上の独占状態であり、コスト上昇や生産能力の限界が顕在化しており、代替サプライヤーを求める顧客企業が増えているため、SF2を巡っては商機がある状態です。

なお、サムスンはこの2nmプロセスについてロングノード戦略を打ち出しているため、今後さらなる改良版が登場予定とのことで、Qualcommなど有力なファブレス企業に採用してもらえるのか注目が集まります。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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