Appleは2025年前半にiPhone 16eを発売し、好調な販売実績を記録しましたが、この成功がベースモデルであるiPhone 16の存在感を薄めてしまったとも指摘されています。こうした反省を踏まえ、2026年前半に投入予定のiPhone 17eでは、ベースモデルのiPhone 17を引き立てるため、意図的に仕様を抑えた設計になる可能性が浮上しています。
iPhone 16eが上位モデルの存在感を消してしまった反省をiPhone 17eで活かす?
2025年に発売されたiPhone 16eは、根強い人気があったiPhone SEの後継モデルとして投入され、iPhone 14を彷彿とさせる薄型ベゼルと6.1インチOLEDディスプレイ、小型化されたノッチとFace IDを搭載したエントリーモデルとなっています。ただし、上位のiPhone 16に比べるとベゼルが厚く、カメラはシングルカメラ、そして内蔵チップはA18を搭載するものの一部コアが無効化されるなど、さまざまな点で性能が抑えられた仕様となっていました。
しかし、iPhoneシリーズの中で最廉価モデルであることに加え、日常的な使用や社用スマートフォンなど必要最低限の機能しか使わない層に訴求する製品となっており、北米では発売からわずか1か月でiPhone全体のシェアのうち7%を獲得する状況となっています。
ただ、この人気を背景に、Appleは後継モデルのiPhone 17eを2026年前半に投入するものの、iPhone 16eに対してより明確に上位モデルとの差別化を図る可能性があるようです。
iPhone 17eとiPhone 17の差は大きく。現行より差別化
BloombergでApple関連のニュースを専門とするジャーナリストのMark Gurman氏によると、Appleが2026年前半に投入するiPhone 17eは、現行のiPhone 16eより明確な廉価モデルとして位置づけられ、上位のiPhone 17との差がより目立つ仕様に抑えられるようです。具体的には、ディスプレイはiPhone 17で120Hz化されましたが、iPhone 17eでは60Hzに据え置かれるほか、インカメラには正方形センサーを採用した18MPカメラは採用されず、現行と同じ長方形型の12MPカメラを備えるようです。
ただし、iPhone 16eに対する改良点も入るようで、デザインは現行から変わらない見込みですが、ディスプレイ形式はノッチからDynamic Islandを採用するほか、チップセットもA19を採用します。
iPhone Proモデルの値上げで下位モデルに需要が集中する可能性も

iPhone 17シリーズは、上位のProモデルが値上げされた一方で、ベースの無印モデルは価格据え置きながらもストレージ容量が倍増し、iPhone 17 Pro並みのカメラ、そして120Hzディスプレイなど、これまでのベースモデルで目立っていた弱点を大きく改善したモデルとなっており、結果的に人気が集中しAppleにとっては販売単価が下がるなど、高性能化が裏目に出る形となっていました。
そのため、AppleとしてはiPhoneシリーズの平均販売単価をこれ以上下げないよう、iPhone 17eでは慎重な製品ポジショニングが求められる状況となっています。ただし、既にiPhone 17eは設計が終わり、量産に向けた準備に取り掛かっている段階であるため、iPhone 17に対してハードウェア面での差別化のほかに、ソフトウェア面で追加の差別化が施されるか注目されます。
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