GEEKOM A9 Maxの実機詳細レビュー

目次

GEEKOM A9 Maxの基本的な仕様について

GEEKOM A9 MaxはGEEKOMが2025年に発売したミニPCで、CPUにはAMDのZen 5とRDNA3.5を組み合わせたAPUの「Ryzen AI 9 HX370」を搭載したモデルになっています。

CPURyzen AI 9 HX 370 (TDP 28W)
グラフィックスRadeon 890M (16CU)
メモリーSO-DIMM DDR5 5600 MT/s = 32GB
ストレージPCIe Gen 4 NVMe SSD 1TB
(PCIe Gen 4 2280スロットが2つ)
OSWindows 11 Pro
インターフェイスフロント側
– USB3.2 Gen2 Type-A x4
– 3.5mm ステレオジャック
リア側
– USB4 Type-C x 2
– USB2.0 Type A x 1
– USB3.2 Gen 2 Type A x 1
– 2.5Gbps イーサーネットポート x2
– HDMI 2.1 x 1
側面
– SDカードリーダー
ワイアレス機能Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4
サイズ幅195 x 奥行き195 x 高さ47.5mm
価格32GB RAM + 2TB SSD : 169,000円(セール中 139,900円)

今回のレビューはGEEKOMからA9 Maxの提供を受けています。

パッケージ内容と同梱物

箱は他のGEEKOM製品と同じく重力で下側の箱が落ちてくる仕組みで本体が同梱されているパッケージになっています。

同梱されている付属品も同じで、ACアダプターの他に、長さ100cmのHDMIケーブル、モニターの裏面にA9 Maxを設置するためのマウントに加え、簡単な説明書が入っています。

GEEKOM製ミニPCでは長年、日本では一般的ではない3ピンを同梱していましたが、当モデルでは一般的な2ピンに変更されています。

GEEKOM A9 Maxのデザインと品質、拡張性について

ここではGEEKOM A9 Maxのデザインや品質、ミニPCではあるものの気になる拡張性について解説します。

デザインと品質:本体は全面アルミ筐体

外観は一般的なミニPCでよくある正方形デザインになっていますがA9 Maxは前面にUSBポートを4つ搭載することから筐体サイズが大きくなっています。

筐体の素材はI/O関係のポートがまとめられている背面と底面を除くと全周がアルミニウム合金で作られています。表面はサンドブラスト加工が行われており、触れた感触はさらさらとした手触りで、持ち上げる際には堅牢かつ電源オフ時はひんやりとした手触りで、質感は非常に高いと言えます。

前面のインターフェースはUSB3.2 Gen 2のType-Aポートを合計4つ搭載し、そのうち1つはパススルー充電に対応しています。また、そのほかはオーディオジャックと電源ボタンのみが備わったシンプルなデザインになっています。

インターフェイス類がまとめられた後面は電源入力、USB-PDやAlt-Mode対応のUSB4とHDMI 2.1ポート、最大2.5Gbps対応のイーサーネットを2つ搭載しています。またUSB3.2 Gen 2とUSB 2.0対応のType-Aポートを1個搭載しています。

拡張性:SSDやメモリーの交換が可能

本体底面にはゴム足が4つあり、これを取るとネジが出てきます。このネジを取り外すことで本体内にアクセスすることができます。

本体底面を覆っている蓋を開けるとWi-Fiのアンテナなどを備えたブラケットが蓋として覆いかぶさっています。このブラケットを取ることでSSDやメモリーへアクセスすることが出来ます。ただ、注意点としてWi-Fiアンテナ用の細いケーブルが繋がれているため、ブラケット取り外し時は慎重に配線を切らないように注意する必要があります。

本体の拡張性としては、2つのSO-DIMMスロットが設けられており、1枚あたり64GBのDDR5-5600 MT/sメモリーモジュールまで対応しています。そのため、64GBモジュールを2枚搭載することで最大128GBのメモリ容量を実現することが出来ます。また、PCIe Gen 4対応NVMe SSDスロットが2つあり、その内1つはType 2230の空きスロットが用意されているため、ストレージの追加も可能になっています。

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GEEKOM A9 Maxの各種パフォーマンスについて

Ryzen AI 9 HX 370について

GEEKOM A9 MaxにはAMDの最新鋭APUであるRyzen AI 9 HX 370を搭載しています。このAPUはCPU側はZen 5を4コア、省電力なZen 5cコアを8コアの合計12コア構成、24スレッドで動作します。

動作クロックはベースが2.0 GHz、ブースト時が最大5.1 GHzに設定されています。

内蔵GPUはRDNA 3.5アーキテクチャーで構成されるCompute Unitを16基備えたRadeon 980Mが搭載されており、これらが動作クロック最大2.6 GHzに設定されています。

GEEKOM A9 MaxのCPUパフォーマンス

Cinebench R23とGeekbenchで計測した結果は、Ryzen AI 9 HX 370の性能はデスクトップ向けで同じくZen 5を搭載するRyzen 7 9700Xに迫るスコアを叩き出しており、先代のRyzen 9 8945HSに対してはシングルコアでは14%、マルチコアでは35%近く高い性能を出しています。

PCMark 10のスコア

PCMark10においては合計7463ポイント記録されています。

ウェブブラウジングや各アプリの起動など日常用途、Wordやエクセルなどオフィス用途、そしてRAWなどの画像編集や動画編集では10,000ptと不満が一切ない性能を意味するスコアを示していることからこれらの作業はかなり快適に実行することが出来ると言えます。

特に動画編集など重めの作業でもCPU性能に加え、内蔵GPUも強化されていることから1440pやエフェクトなどを多用しなければ4K解像度でも編集やエンコードを問題なく実行することが可能です。

GEEKOM A9 Maxのゲーミング性能

3DMark TimeSpyにおいてはGraphics Scoreが3341ポイントを記録しており、デスクトップ向けのGeForce GTX 1650に近い性能を発揮しています。ただ、このスコアは同じくRyzen AI 9 HX 370を搭載する製品に対して若干低いスコアとなっていますが、その理由はDDR5-5600 MT/sのメモリに足を引っ張られているためです。ですので、もしゲーミング性能を何よりも重視したい場合はLPDDR5xなどを搭載したミニPCが良いかもしれません。

その他ゲームでのパフォーマンス

ゲームタイトル画質設定平均FPSLow 1%
Apex Legends1080p High49.5 FPS33.6 FPS
Cyberpunk 20771080p High22.6 FPS17.1 FPS
F1 20241080p High53.9 FPS38.0 FPS
GTA V1080p High64.9 FPS40.1 FPS
Call of Duty BO61080p Low51.1 FPS35.4 FPS

FSRなどなしで1080p解像度の高画質設定で各種ゲームを30分程度、プレイした際のフレームレートは上記のようになっています。基本的にCyberpunk 2077など重いゲームは快適にプレイすることは難しい状態ですが、それ以外のゲームであれば平均30FPSを超え、設定を調整すれば60FPSの維持も可能です。そのため、例えばコンソール機には出ていないインディーズゲームを少しかじってみたい時にGPU性能がネックとなることはありません。

GEEKOM A9 Maxの消費電力と長時間の負荷を与えた際の動き

Cinebench R23を10分間連続で動かした際の挙動です。Ryzen AI 9 HX 370は定格では45Wに設定されていますが、A9 Maxでは瞬間的に65Wまで電力が増えますが、そのあとは55Wを維持してブースト状態が保たれます。この時の動作クロックはZen 5コアが4.0GHz近辺、Zen 5cコアが3.0GHz近辺で動いています。

CPU温度は80~85℃で推移しており放熱面ではかなり余裕があるように見えます。ただ、BIOS側の設定上、55Wのブースト状態は500秒しか続かず、そのあとは定格の45Wに引き下げられる仕様になっています。この仕様はBIOS設定で変えられないようになっています。

内蔵されているSSDの性能

内蔵されているSSDはLexar製のPCIe Gen 4対応NVMe SSDが搭載されています。CrystalDiskMarkによると読み取り性能は6,205 MB/s、書き込み性能は5,440 MB/sということで非常に高性能なNVMe SSDが搭載されています。

GEEKOM A9 Maxの日常での使い心地と使い勝手

PCではパフォーマンスなどが重要でもありますが、毎日使うという点で気になる使い勝手や使い心地について取り上げて行きます。

USB-PD入力に対応

GEEKOM製のミニPCではUSB-PD入力に対応してない機種も多かったのですが、A9 MaxはUSB-PD入力に対応しているため、出力が大きめのアダプターさえ持っていれば専用のACアダプターを持ち運ぶ必要はありません。ただ、Ryzen AI 9 HX 370を搭載することから100W近い出力を持つUSB-Cアダプターが必要です。

最大4画面出力に対応

A9 MaxはHDMI 2.1を2口、DisplayPortとして出力できる機能を備えたUSB-Cを2口備えているため、最大4画面出力にも対応しています。また、内蔵APUの性能も高いため例え4画面出力を行ってもかくつくことは無く快適に作業をすることが出来ます。

GEEKOM A9 Maxの最終評価:ゲームもプレイできる万能ミニPC

  • ゲーミングも可能なGPU性能
  • 最大4画面出力対応
  • 金属製筐体で質感が高い
  • 3年保証が標準で付与
  • SDカードスロット標準搭載
  • 高負荷時はファンノイズが少しうるさい
  • CPUのブースト持続時間の調整が不可

GEEKOM A9 MaxはRyzen AI 9 HX 370を搭載するなどミニPCの中ではハイエンドに属する製品で価格はセール時で139,900円とそれなりの価格はしますが、最新鋭かつ最上位のノートPC向けAPUを搭載していることから価格相応の性能を持っています。特に、日常作業や動画編集などメインPCとして使っても満足のいく性能を持ち合わせているほか、ゲームもプレイできるためこれ1台でほとんどの用途をカバーできるPCと言えます。

また、A9 Maxは他のGEEKOM製品と同様に3年の保証が標準で付属されているため長期間に渡って使う場合にも安心です。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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