発売時には高値で取引されていたものの、ここ最近は価格が落ち着き始めているNVIDIAやAMDのグラフィックスカードですが、主要コンポーネントの1つであるGDDR6やGDDR7の供給価格引き上げに伴い、よくて横ばい、将来的には値上げが実施されるリスクが出ているようです。
DRAM値上げでGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズの価格に影響
近年、AIブームによりデータセンターが積極的に建設されている状況ですが、このブームが原因でデータセンターに必須となるDRAMなどのメモリーの需要が大きく拡大し、結果的にDRAMを製造するサムスンやMicronなどが30%に迫る値上げを実施することを明らかにしています。このDRAM価格値上がりにより、GDDR6やGDDR7を採用するGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズの価格動向について、今後変化が見られる可能性があるようです。

グラフィックスカードは一般的に、NVIDIAやAMDなどがGPUとセットでGDDR6/7などのメモリーを供給し、各AIBがこれらのセットを基に基板やGPUクーラーなどを搭載して、最終製品としてグラフィックスカードを市販しています。
そんなグラフィックスカードですが、中国の博板堂によると、最近見られているDRAM価格の値上げはGDDR6やGDDR7などにも適用される見込みで、今後GDDR7などの調達コストが上昇し、AIBに対してセット供給している製品の供給価格についても値上げが実施される製品が出てくるようです。
Radeonは値上げの可能性が高め。GeForceは価格据え置きの可能性も
このGDDR6/7の値上げに伴い、AMDのRadeon RX 9000シリーズは市場価格が安価に設定されていることから値上げの余地があるようです。そのため、今後AMD向けのGDDR6の供給価格が大きく値上げされた場合には定価は変わらなくても、市場価格が徐々に上がってくる可能性があるようです。
一方で、NVIDIAに関しては定価も市場価格も比較的高めに設定されていることから、多少GDDR7のコストが上がってもそれらを吸収する余力が残されているようで、価格が据え置かれる可能性が高いようです。ただし、このGDDR7の価格高騰により発売以降見られていた市場価格の下落には歯止めがかかると考えられており、今後の販売価格は横ばいか若干の上昇が見られる可能性が高いです。
来年以降はGDDRなどの価格が更に値上がり? 買うなら早めがいい?

GDDR6やGDDR7などが含まれるDRAMについては、市場調査会社によると2025年第4四半期には前期に対して8~13%値上がりすると予想されており、特にGDDR6の供給制約が厳しい状況に置かれていることが明らかにされています。また、2026年以降はより収益性が高いHBM4の生産に重点を移す可能性が高く、GDDR6/7などの供給はさらに制約される可能性が高いようです。
そのため、今後GDDR6/7の価格上昇は避けられない状況にあることから、もしグラフィックスカードの購入を検討している場合は、これらの動向を踏まえて購入時期を検討したほうが良いでしょう。
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