Appleが2025年9月に発売したiPhone 17シリーズですが、予想を大きく上回る形でベースモデルの需要が拡大しており、結果的にAppleの収益構造に影響を与える可能性が浮上してきました。
iPhone 17 無印版の出荷待ち期間が大幅延長。販売が絶好調
Bank of AmericaのアナリストであるWamsi Mohan氏は最新の投資レポートで、Apple公式サイトや各キャリアサイトでの出荷待ち期間を追跡した結果、9月22日時点でiPhone 17ベースモデルの出荷待ち期間が18日に達していることを明らかにしました。これは前年のiPhone 16の10日と比較して大幅に延長されており、需要の高さを物語っています。
特に中国市場では出荷待ち期間がさらに長期化しており、その背景として政府による電子製品への15%補助金制度でiPhone 17ベースモデルが対象になっていることと、iPhone Airが規制当局の承認待ちで中国では販売されていないことが需要集中の要因として挙げられています。
性能の大幅向上が需要を押し上げる理由に
iPhone 17ベースモデルの需要拡大は、従来のProシリーズ限定だった機能が標準モデルに搭載されたことが大きな要因となっています。主な機能向上は以下の通りです。
- 120Hz ProMotionディスプレイ:可変リフレッシュレート対応でバッテリー性能も向上
- 48MP超広角カメラ:iPhone 16の12MPから大幅アップグレード
- 48MPメインカメラ:2倍光学品質テレフォトズーム機能搭載
- 18MP自撮りカメラ:iPhone 16の12MPから50%向上
- 256GBベースストレージ:従来の2倍容量
特に、120HzのProMotionディスプレイはiPhoneのベースモデルでは長年不満として多くのレビューでも挙げられていた機能でしたが、これらが改善されたほかカメラ機能も全体的にiPhone 17 Proに対して望遠カメラが無いぐらいの変更しか入っていないほか、ベースのストレージが256GBに拡大されるなど長年据え置かれていた機能が大幅向上しています。
一方で、販売価格は先代のiPhone 16から据え置かれていることから多くのiPhoneユーザーにとって従来まで少し物足りないモデルから、ちょうどいい存在になりつつあります。
ただ、UBSのアナリスト、David Vogt氏によるとベースモデルでは前年比で出荷待ち期間が延長されている一方で、他の3モデル(Pro、Pro Max、Air)については需要が相対的に低迷していることを明らかにしています。
特に中国以外の市場では、ProおよびPro Maxモデルの出荷待ち期間は前年比でほぼ横ばいとなっており、Airモデルについては16 Plusと比較して需要が平行線もしくは下降傾向にあるとのことです。
価格戦略が裏目に
今回のiPhone 17シリーズでは価格戦略に大きな変更が加えられました。AirとProモデルでは価格が引き上げられた一方、ベースモデルは256GBのストレージ容量向上により実質的な値下げとなっています。
ただ、AppleとしてはiPhone 17より高価なiPhone Airを投入や、iPhone 17 Proの値上げにより平均販売価格の向上が見込まれてきましたが、今回は最も安価なiPhone 17に需要が集中することで、全体の収益向上が抑制される可能性がありそうです。
今回のiPhone 17では、AirとProモデルで価格引き上げが実施された一方、ベースモデルは256GBへのストレージ増量にも関わらず実質的な値下げとなりました。これにより、多くの需要がiPhone 17のベースモデルに引き寄せられたと見られています。
また、この販売比率の変化によりAppleではiPhone AirやProで価格を引き上げたものの、平均販売価格に関しては向上の余地が極めて限定的になる可能性があり、同社が高収益を目指して導入したiPhone 17 Proの値上げ、そして新たな高付加価値モデルであるiPhone Airに対して、シェア維持を狙ったiPhone 17ベースモデルの価格据え置きが収益性の面で想定外の結果をもたらしている状況になっています。
そのため、今後iPhone 18シリーズ登場時にはベースモデルの価格見直しや、上位のAirやProモデルに対する差別化がより鮮明になる可能性があります。
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