ソニーが2027年に発売予定とされるPlayStation 6(PS6)について、ポータブル版の詳細なスペック情報がリークされました。内蔵チップセット「AMD Canis」はTSMC 3nmプロセスで製造され、Nintendo Switch 2よりも小型ながら高性能を実現。ドッキング機構の採用やメモリ最大48GB搭載の可能性など、注目すべき仕様が明らかになっています。価格は399〜499ドル(約6万〜7.5万円)が見込まれ、Nintendo Switch 2に近い価格帯での発売も期待されます。
PlayStation 6 (PS6)のポータブル版のスペック情報がリーク
ソニーは2027年以降に現行PlayStation 5(PS5)の次世代機にあたるPlayStation 6(PS6)を発売すると見られており、すでに大まかなスペックに加えて、据え置き型とポータブル版の両方が登場するとの観測から注目を集めています。
今回、そのポータブル版について、内蔵チップセットの仕様やおおまかな性能、さらにNintendo Switch 2を意識した機能が搭載される可能性が明らかになりました。
内蔵チップセットは小さいながらも高性能。VRAMは最大48GB搭載?!

Moore's Law is DeadがPS6のポータブル版に内蔵されるチップセット「AMD Canis」について、スペックや大まかな性能をリークしています。
チップセットのサイズはNintendo Switch 2内蔵T239チップよりも小さく
PS6ポータブルに内蔵されるAMD CanisはTSMCの3nmプロセスで製造され、チップセット全体のダイサイズは135mm²以下に収まる計画とのことです。
| チップセット | 搭載機種 | ダイサイズ |
|---|---|---|
| NVIDIA Tegra X1 | Nintendo Switch | 100mm² |
| ★AMD Canis | PS6ポータブル | 135mm² |
| NVIDIA Tegra T239 | Nintendo Switch 2 | 207mm² |
| Ryzen Z2 Extreme | ROG Xbox Ally | 233mm² |
このサイズはハンドヘルド型ゲーム機向けチップセットとしてはかなり小型です。PCゲームもプレイ可能なRyzen Z2 Extreme(233mm²)の約58%、Nintendo Switch 2内蔵のTegra T239に対しても約65%の大きさにとどまります。
この小さなダイサイズにより、PS6ポータブルでは低い消費電力と発熱を実現できるほか、先端プロセスであるTSMC 3nmを活用してもコスト上昇を抑えられると見られています。
Nintendo Switch 2のようにドックして性能を伸ばすことが可能
今回明らかになった資料には「ハンドヘルドモード」と「ドックモード」の記載が見つかっているとのことで、PS6ポータブルではNintendo Switch 2のようなドッキング機構を採用する可能性が高いと見られています。
CPUにはZen 6世代、GPUはRDNA 5世代でPS5に迫る性能を発揮へ
AMD Canisは最新世代のCPU/GPUアーキテクチャを備える見通しです。
CPUはZen 6cコアを4基、低電力コアのZen 6 LPを2基搭載した合計6コア構成となります。Zen 6cはゲーム処理を担当し、OSなどの常駐処理はZen 6 LPが担う設計です。この構成により、OSがゲーム用のCPUリソースを消費する状況を抑制でき、Zen 6 LP非搭載時に比べて最大約20%の性能向上が期待できるとのことです。
GPU側はRDNA 5アーキテクチャで構成されるCompute Unit(CU)を16基搭載する見込みです。動作クロックはハンドヘルドモード時には最大1.2GHz、ドックモードでは1.65GHzで動作するとされています。
これによりピーク性能が発揮できるドックモード時では、ラスタライズ処理においてPS5に対して55〜75%程度の性能、レイトレーシングにおいては1.3〜2.6倍ほど高い性能が期待できるとのことです。
仮にこの性能であれば、PS6ポータブルに最適化されていないゲームでもPS5に若干劣る程度の性能でプレイできるほか、最適化が行われていればFSR 4などのアップスケーリング技術を活用することでPS5を上回る可能性も示されています。
メモリ容量は最大48GBまで対応可能
ハンドヘルド型ゲーム機では、消費電力やマザーボードの面積の関係からメモリ容量やバス幅が制限される傾向にあり、これがゲーミング性能に大きな悪影響を及ぼしています。
しかし、PS6ポータブルでは比較的余裕を持った設計になるようで、メモリ仕様は192-bitのバス幅でLPDDR5x 8533MT/sを搭載するとのことです。これは帯域幅で言うと約200GB/sに相当します。
また、今後登場するゲームでは、NPCやマップ生成など様々な機能にAIが多く活用されると見られています。そのため、多くのゲーム開発者は5年以内に想像を絶するような大量のメモリが必要になると考えているとのことで、開発しやすい環境も目指すPlayStationにおいては、場合によっては48GBという大容量メモリを搭載することも検討されているようです。
特にLPDDR5xは1GBあたりの単価が安いことから、48GBという容量を搭載しても販売できないほどの価格にはならないようです。ただし、コストを抑えられるポイントの1つでもあるため、最終的には24GB〜36GB程度に収まると考えられています。それでも現行PS5の16GBから最低1.5倍は増える可能性が高いようです。
PS5とPS4のゲームがプレイ可能。MicroSDやM.2 SSDなど拡張性も高め
後方互換性については、PS5およびPS4のゲームがそのままプレイ可能とされています。これはAMD製APUを採用していることで実現しやすい要件であり、まったく異なるアーキテクチャを用いるPS3への対応は現時点で不明です。
拡張性としては、microSD Expressスロットに加えてM.2 SSDスロットも備え、内蔵ストレージが不足した場合に容易に増設できる仕様が想定されています。ただし、microSD ExpressとM.2 SSDはいずれもNVMeストレージであるため、量産時にはコストやスペースの都合でどちらか一方に絞られる可能性はあります。
発売時期は2027年で価格はNintendo Switch 2並みの可能性も
PS6ポータブル版は、据え置き型の登場から1年後に発売されるといった過去のリークもありましたが、今回の情報では製造開始が2027年中旬、発売は2027年秋とされています。
販売価格については直接のリークこそないものの、現時点のスペックをもとに試算した製造コストは約375ドルと見込まれており、ソニーが挑戦的な価格設定を行う場合は399〜499ドルと、Nintendo Switch 2に近い価格帯での販売も可能とされています。なお、Moore's Law is Deadの情報提供者は、YouTuberになる前に半導体や電子部品メーカーの営業職に就いていたとされ、コスト見積もりに一定の自信を示しています。実際、PS5発売前にもおおよその販売価格を的中させた実績があります。
この価格帯は日本円でおよそ6万〜7.5万円のレンジになる見込みです。現行PS5が約6万円で販売されていることを考慮すると、極端に高い水準ではないと言えるでしょう。
PS6ポータブル版に加え、ソニーは現行PS5の後継となる据え置き型コンソール機も開発中と見られます。PS6ポータブル版やPS6が最終的にどのようなスペックや性能で着地するのか、今後の情報に引き続き注目が集まります。


コメント