モバイル用NVIDIA GeForce RTX 3060がマイニングの為にデスクトップ向けに転用される。

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NVIDIAではデスクトップ向けのGeForce RTX 3000シリーズではマイニングを制限するLite Hash Rateを搭載していますが、モバイル向けGeForce RTX 3000シリーズではこれらは搭載されていません。この点に目を付けてモバイル向けGeForce RTX 3060をデスクトップ向けに転用したGPUが登場したようです。

目次

モバイル向けGeForce RTX 3060をデスクトップ向けに転用

NVIDIAのGeForce RTX 3060など現在市販されているデスクトップ向けのGeForce RTX 3000シリーズではLite Hash Rateと呼ばれるEthereumマイニングを検知するとGPUを性能を制限するマイニング制限が搭載されています。

これは、本来ゲーミング用GPUであるGeForceがマイニングによって大量に買われてしまったり、マイニング後に中古市場に大量に溢れて新しいGPUが売れなくなることを防ぐ目的で搭載されていますが、モバイル向けに搭載されているGPUではこのような機能は搭載されていません。

と言うのもモバイル向けGPUを入手したい場合ゲーミングラップトップ一式で買う必要があり、GPU単品を買うより高価になる事からモバイル向けGPUがマイニングで利用されるという例はあまり見られていません。しかし、この抜け穴を付いた中国のGPUメーカーがモバイル向けのGeForce RTX 3060をデスクトップ向けGPUとして転用した例が見つかったようです。

CUDAコアは3840基のGA106を採用。GDDR6を6GB搭載

*モバイル向けGeForce RTX 3060の事をGeForce RTX 3060Mと呼称します。

デスクトップ向けに転用されたGeForce RTX 3060Mは中国のフリマサイトであるGoofishで発見されたようで、元々はどこかのマイニングファームで利用されていたものが出品された中古品となっています。

このGeForce RTX 3060Mでは正規品のGeForce RTX 3060と同じくGA106 GPUを採用していますが、CUDAコア数はRTX 3060が3584基に対してRTX 3060Mでは3840基とCUDAコア数は多くなっています。一方でVRAM容量は12GB GDDR6から6GB GDDR6に減らされていますがバス幅は据え置きの192-bitとなっています。

RTX 3060Mの外観としてはデュアルファン構成になっており、ASUSやGIGABYTEから発売されているRTX 3060のような見た目になっています。またバックプレートも搭載されているなど作りはしっかりしてそうです。インターフェイスとしてはHDMI端子を1口備えているため、マイニング用GPUとしての役割を終えた後も通常のGPUのように使えるようになっているようです。

50MH/sを55Wで実現。マイニング効率は近年出現したGPUの中で最高レベル

GeForce RTX 3060Mではモバイル向けという事で動作クロックはデスクトップ向けに比べて低く、電力効率重視な設定となっています。そのためなのか、マイニング効率に関しては非常に高くなっています。

フリマサイトに掲載された画像では、RTX 3060Mのマイニング時の性能を示すハッシュレートと消費電力に関する画像が掲載されています。その画像ではハッシュレートは約50.5MH/sを消費電力55Wで実現しているとの事です。

デスクトップ向けのGeForce RTX 3060ではLite Hash Rateが搭載されているため34MH/sぐらいが最大性能、Lite Hash Rateが解除された初期のRTX 3060でも48 MH/sを100W程度で実現していたため、性能と効率の両面で向上が果たされています。

性能面ではミドルレンジGPUという事でRTX 3060 Tiに若干劣る性能となっていますが、効率面では1W辺り0.9MH/sと言う高い水準になっています。

この性能と効率はマイニング用GPUとして高効率で高性能と注目を集めていたRTX A2000の約1.2倍の性能と約1.5倍の効率を誇っており、マイニング専用GPUであるCMP 170HXに対して約1.4近く効率的なGPUという計算になります。

GPUモデル MH/s W PPW
GeForce RTX 3060 Mobile 50.5 55W 0.909
CMP 170HX 164 250 0.656
RTX A2000 41 66 0.621
Radeon RX 6600 30 50 0.600
Radeon RX 6600 XT 32 55 0.582
Radeon VII 93 200 0.465
GeForce RTX 3060 Ti 58 130 0.446
GeForce RTX 3070 58 130 0.446
Radeon RX 6800 64 150 0.427
Radeon RX 5700 XT 55 130 0.423
GeForce RTX 3080 91 230 0.396
Radeon RX 5600 XT 40 110 0.364
GeForce RTX 3090 114 320 0.356

価格は通常のGeForce RTX 3060とほぼ同等で販売。

GeForce RTX 3060Mはフリマサイトで購入個数によって変わりますが、最低545ドルから最大570ドルで販売されているとの事です。

1ドル120円で日本円に換算すると6.5万円から6.8万円になりますが、日本では通常のRTX 3060が最安値で6.6万円で販売されている事からRTX 3060に比べて大きく変わる事は無いようです。ただ、このRTX 3060Mはマイニングに利用されていた事やNVIDIAからのドライバーがどのようにサポートされるのか不明な点が多くその点を考えるとかなり割高なGPUと言えそうです。

このGeForce RTX 3060Mですが、CUDAコア数が通常のRTX 3060よりも多くなっていますが消費電力は低く抑えられているので、普通のゲーミングやTDPを120W化などするとどうなるのか気になる所です。ただ、HDMI端子もなども搭載されているため、その内海外のYoutuberなどが買って紹介してそうな気がしますね。少し前に、CMP 170HXをLinusTechTipが自腹で買っていたので今回も同じノリで買ってそう・・・

中国ではマイニングが2021年6月頃から禁止されていたはずですが、この時期に出てくるという事は当局から隠れてマイニングしていたという事なのでしょうかね。ただ、恐らくフリマサイトに大量に出ている原因としてはEtherumの価格が大きく低下している事や、中国でも原油価格などエネルギーコストが大きく上がってきている事からGPUを売って少しでも損失を減らしたいという思惑があるかもしれません。

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