AM4登場から9年目に新製品が登場。Ryzen 5 5600Fが発売
2016年に登場したソケットAM4は、現在でも現役で販売が続いており、エントリー向け市場では根強い人気を保っています。そんな中、登場からまもなく9年目を迎える同ソケット向けに、新たなCPU「Ryzen 5 5600F」が発売されたことが明らかになりました。
Ryzen 5 5600F | Ryzen 5 5600 | |
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コア/スレッド | 6コア / 12スレッド | 6コア / 12スレッド |
ベースクロック | 3.0 GHz | 3.5 GHz |
ブーストクロック | 4.0 GHz | 4.4 GHz |
L3キャッシュ | 32 MB | 32 MB |
Ryzen 5 5600Fは、Ryzen 5 5600をベースにした派生モデルです。「F」というサフィックスから、内蔵GPUを無効化したモデルと見られがちですが、もともとRyzen 5 5600には内蔵GPUが搭載されていないため、このモデルに関しては単に動作クロックを抑えた下位モデルという位置づけで「F」が付けられているようです。
実際、仕様を比較すると、ベースクロックは3.5 GHzから3.0 GHzに、ブーストクロックも4.4 GHzから4.0 GHzに引き下げられています。
なお、Ryzen 5 5600Fの販売地域は「APJ(アジア・太平洋・日本)」と示されており、日本国内でもBTO向けに採用されたり、パーツ単体として販売される可能性があると見られています。
エントリー向けとして根強い販売と在庫処分が目的?
AMDは新世代のソケットAM5において、エントリーモデルのラインアップを用意しておらず、最も安価なRyzen 5 8400Fでも価格はおよそ2.4万円前後と、やや割高な設定です。一方、ソケットAM4向けのCPUには1万円以下のモデルもあり、加えてマザーボードの価格も非常に安価なため、依然としてエントリー向け市場で高い支持を集めています。
また、AMDは2020年に登場したZen 3アーキテクチャをベースとした製品を、リフレッシュや動作クロックの微調整を通じて毎年展開しています。この背景から、Zen 3のシリコンダイが余剰在庫として大量に残っている可能性もあり、Ryzen 5 5600Fはその在庫を有効活用する目的もあると考えられます。
ソケットAM4は、Ryzen 7 5700X3Dの生産終了など、徐々に縮小に向けた動きも見られていました。しかし、今回のRyzen 5 5600Fの登場に加え、懸念されていたDDR4メモリについても、高い需要から各社が2026年前半までの生産継続を表明しており、AM4プラットフォームは少なくとも2026年前半までは現役として残り続ける見込みです。
ちなみに、ソケットAM4は2016年9月に登場しているため、来年で投入から10年目になりますが、今後このソケットがどこまで延命されるのか、注目が集まりそうです。
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