TSMCが2023年頃から更なる値上げを検討中。旧プロセスノードも対象に

AMDやNVIDIAにAppleなどに対して多くの半導体を製造するTSMCですが、2023年より最新鋭の3nmや5nmのみならず、40nmや28nmなどの旧プロセスノード含めて値上げが検討されているようです。

値上げ続きのTSMC、さらに値上げ実施

TSMC plans 5-9% price hike starting in 2023 (digitimes.com)

TSMCで製造される半導体はAMD、NVIDIA、Apple製品など多くの企業の製品で採用がされています。そんなTSMCですが、最近ではプロセス微細化など技術開発への投資や部品、輸送費などの生産コストが上がっている事から2021年3月頃には顧客に対して前年比25%増にあたる値上げを通知をしていました。

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TSMCでは日経新聞が1月に15%ほどの値上げを実施する可能性がある事を報じていましたが、特段新たなニュースはありません…

しかし、これだけの値上げだけでは生産や投資コスト上昇分を吸収しきれないようで、2023年頃からさらなる値上げを検討しているようです。

新旧プロセスすべてで5~9%値上げ。影響は広範囲に及ぶ見込み

Digitimesによると、TSMCでは顧客に対して1年以内に値上げを計画している事を通知したとの事です。この値上げについては部品や輸送費などの生産コストの他、先端プロセス開発や高まる半導体需要に対応した生産能力向上にかかる費用などが乗せられているとの事です。

関係者によると、TSMC側は5nmや7nmなど最先端プロセスから28nmや40nmなどレガシープロセスを使う顧客など幅広い範囲を対象に5~8%ほどの値上げを通知しているとの事です。

この値上げによって影響を受ける分野としては最先端プロセスを多用するCPUやGPUダイの他、センサーや通信、電源管理を担うICなど幅広い分野で影響が出ると見られています。

ただ、別の関係者によるとCPUやGPUなど最先端プロセスを使って製造される分野の商品ではTSMCによる値上げを転嫁する事は可能なものの、レガシープロセスを使う製品については今回の値上げを受け入れる事はかなり難しいと見られています。

 

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AMDでは2022年下半期にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズの発売を予定していますが、この…

 

TSMCでは2021年には20%台の値上げを発表していますが、この時にどうやら各プロセスノードで量産開始がされて以降、半期毎に供給価格を下げるという各社との契約も見直しているようです。TSMCがここまで値上げに踏み切る背景にはコスト高騰などの影響もあるようですが、今後進められていく3nmや2nmなど最先端プロセスの研究開発や設備投資に莫大なコストがかかる事や、半導体需要の高まりを受けた生産設備の拡充などがあるようです。研究開発についてはTSMCでは21年内には5490億円、設備投資については3.5兆円と桁違いの額となっており2022年には設備投資が5兆円規模に上がると見られています。

ちなみに、「各プロセスノードで量産開始がされて以降、半期毎に供給価格を下げる」という契約がなくなったとなるとPlayStaion5などコンソール機が発売されて数年経つと廉価版が出るというやり方は通用しづらくなると考えらえられます。ですので、ゲーム機など半導体製品に対して「時間が経てば安くなる」と言う淡い期待を持たない方が良いかもしれません。

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