AMD Ryzen 7 7745HXの詳細性能が判明。8コアで16コアのRaptor Lake-HX並みの性能と高い効率に

本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
この記事は最終更新日から1年経過しています。掲載内容や情報が古い可能性があります。
  • URLをコピーしました!

AMDではデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズをハイエンドノートPC向けに転用したRyzen 7045HX、通称Dragon Range CPUの投入を計画していますが、今回この中で上から2番目に高性能なRyzen 7 7745HXのレビューが登場、IntelのRaptor Lake-HX並みの性能でありながら、これらを大きく上回る電力効率である事が明らかになりました。

目次

AMD Ryzen 7 7745HXの詳細性能が明らかに。Core i7-13700HXを上回るゲーミング性能を35%低い消費電力で実現。

AMDではデスクトップ向けに開発したZen 4搭載のRyzen 7000シリーズCPUをゲーミングノートPC向けに転用したRyzen 7045HX、コードネームDragon Rangeを搭載したノートPCがまもなく発売される予定ですが、今回この中で上位モデルとなるRyzen 7 7745HXを搭載したノートPCを中国のBilbiliで活動するGolden Pig Upgrade氏が入手し、ライバルであるRaptor Lake-HX世代のIntel Core i7-13700HXやi7-13650HXを搭載するノートPCと性能を比較するなど詳細を明らかにしています。

Ryzen 7 7745HXは8コア16スレッド構成で動作クロックは3.6 GHzから最大5.1 GHz、キャッシュはL2が8MB、L3が32MBの合計40MBとなっており、デスクトップ向けのRyzen 7 7700とほとんど変わらない構成になっています。なお、今回のベンチマークで使われているノートPCはすべてLenovo製となっているようです。

まず純粋なベンチマークでのスコアではRyzen 7 7745HXはCore i7-13650HXやCore i7-13700HXに対してシングルコアは平均で7%、マルチコアでは10%程度劣る結果になっています。この結果はRyzen 7 7745HXでは8コア搭載に対して、Core i7-13650HXでは14コア(6P+8E)、Core i7-13700HXでは16コア(8P+8E)であるためとみられています。

ただ、消費電力面で見るとRyzen 7 7745HXは消費電力80Wを超えるとRaptor Lake-HXに対して劣る電力効率となるものの、80W以下であればRyzen 7 7745HXの電力効率の方が高く、45W近辺では16%上回る結果となっています。

この高い電力効率によってゲーミング時のパフォーマンスはRaptor Lake-HXを上回る性能を発揮しており、Core i7-13650HXに対しては最大7%、Core i7-13700HXに対しては最大5%上回るゲーミング性能となっています。

Cinebenchなど通常ベンチマークでは劣っていたRyzen 7 7745HXがゲームでは上回っている理由としては、ゲームではCPUへかかる負荷は低く、Ryzen 7 7745HXが電力効率的に高い部分を活用できるため、GPU側へ回せる電力が多くなっておりGPUがその分高い動作クロックで動作できる事からゲーミング時の性能が高くなっています。

実際に、ゲーム時の消費電力においてもCore i7-13700HXは平均79Wの消費電力を使っていますが、Ryzen 7 7745HXは50.9W、約35%低い消費電力で動作している事からGPU側により多くの電力と排熱キャパシティーを割り当てる事でゲーミング時のパフォーマンスを向上させることが可能となります。

このRyzen 7 7745HXではオーバークロックもサポートされており、Golden Pig Upgrade氏はPBOを用いたオーバークロックを行っており、Cinebench R23の結果はシングルコアは4%、マルチコアは3.5%の向上が見られるとの事です。なお、このPBOによって増える消費電力量は比較的少ないとの事です。

 

IntelのRaptor Lake-HXでは性能重視で消費電力度外視の傾向があるため、CinebenchなどCPU重視のタスクでは高い性能が出せますが、肝心のゲーミングではGPUへ割り当てられる電力が減ってしまっているためゲーミング時の性能がRyzen 7 7745HXより劣るという本末転倒な結果になっています。

そのためゲーミングノートPCにはRyzen 7 7745HXやRyzen 9 7945HXが最適の一方で、モバイルワークステーションなどではCPU性能が高いCore i7-13700HXやCore i9-13900HXなどが最適と言えそうです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次