GeForce RTX 4090はPCIe Gen4 x8相当の帯域幅を利用。PCIe Gen5は次世代でも不要？

最近発売されている多くのマザーボードではPCIe Gen 5にも対応していますが、グラフィックスカードにおいては最新かつ最高性能のGeForce RTX 4090でさえもPCIe Gen 4でさえフルに使えていない事が明らかになりました。

NVIDIAのGeForce RTX 4090ではPCIe Gen 4 x8相当の帯域幅しか使用せず。PCIe Gen 5はまだまだ不要？

最近発売されているマザーボードでは一部ではPCIe Gen 5対応のNVMe SSD用スロットに加え、グラフィックカード用のx16スロットでもPCIe Gen 5に対応しています。ただ、このPCIe Gen 5対応グラフィックカードは現時点では登場しておらず、言わば宝の持ち腐れ状態なのですがこの状態は恐らく2年後のGeForce RTX 5000やRadeon RX 8000シリーズにおいても同じ状況となる可能性がありそうです。

TechPowerUPが2023年時点で最高性能であるNVIDIAのGeForce RTX 4090を用いて、PCIeの世代とレーン数でどれだけパフォーマンスが変化するのかベンチマークし、RTX 4090はPCIe Gen 4 x16をフルに使っているとは言えず、x8相当である事が明らかになりました。

ベンチマークはCPUにCore i9-13900K、GPUにはGeForce RTX 4090を用いて、PCIe Gen 4モードでx16またはx8、PCIe Gen 3モードでx16、x4の合計4つのケースでベンチマーク計測を行っています。

NVIDIA GeForce RTX 4090 PCI-Express Scaling with Core i9-13900K | TechPowerUp

なお、各PCIe世代とレーン毎の帯域幅は以下の通りになっています。

*ここで示される値は理論上の最大値のため実際の転送速度は表より数%少ないです。

ベンチマークでは最新のタイトルをレイトレーシングをオンにし、最高画質に設定する事で帯域を最大限使用するようになっています。

結果としては、PCIe Gen 4の16レーンと8レーンでは性能差は2%差しか見られない事が結果で明らかになりました。また、PCIe Gen 4 8レーンではPCIe Gen 3の16レーンと帯域幅は同じであるため、RTX 4090をPCIe Gen 3対応マザーボードで使用してもパフォーマンスに大きな影響を与えないようです。

一方で、PCIe Gen 3 8レーン（PCIe Gen 4では4レーン相当）からはパフォーマンスが6~7%程度下がるなど帯域幅不足が原因と見られるパフォーマンスの低下が確認できます。そして、PCIe Gen 3の4レーンではパフォーマンスは17~20%下がる結果になっています。

PCIe Gen 4 16レーンと8レーンのパフォーマンス差はゲームによって異なるようで、Far Cry 6やElden Ringなどでは8%程度のパフォーマンス低下がみられるようで、GeForce RTX 4090では16GB/s以上の転送量は使うものの、16レーンで使える32GB/sは必要ではないレベルに留まっています。

現在、PCIe Gen 5 16レーンを備えたマザーボードは比較的高価なハイエンドモデルを中心に搭載されていますが、これらのマザーボードは将来的な拡張性を重視して買う人が多いです。しかし、現行のGeForce RTX 4090でさえもPCIe Gen 4 16レーンは使っておらず、8レーンでも事足りてしまう事を考えると、2024年に登場が予定されているNVIDIA GeForce RTX 5000やAMD Radeon RX 8000でPCIe Gen 5 16レーンが必要となる可能性は小さく、PCIe Gen 5 x16スロットがフルに活用できる日はまだまだ来ないと言えそうです。