PCIe Gen5対応NVMeは爆熱気味。冷却ファン搭載は必須になる模様

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IntelのAlder Lake-SよりPCIe Gen 5に対応するマザーボードが出現し、PCIe Gen4で止まっているNVMe SSDについても数年以内にPCIe Gen 5対応などが行われると見られています。そんなPCIe Gen 5対応NVMe SSDですが、動作に不可欠なコントローラーについて高速読み書きが実現できる代わりに爆熱となるようです。

目次

PCIe Gen 5対応 NVMe SSD

Phison Reiterates High Temperatures For PCIe Gen 5 NVMe SSDs, Up To 125C Limit For Controller & Active Cooling Requirement (wccftech.com)

PCIe Gen5とは2019年に策定が行われたPCI Expressの最新規格となっています。現在一般的なPCIe Gen 4ではNVMeで利用されるx4レーンであれば8GB/sが規格上の最大値であり、GPUなどで利用されるx16レーンであれば32GB/sが規格上の最大値になっています。一方でPCIe Gen 5では転送速度はGen 4に対して倍増しており、x4レーンであれば16GB/s、GPUなどで使われるx16レーンでは64GB/sと言う速度になっています。

PCIe Gen 4に対応したNVMe SSDは各社から様々なモデルが発売されていますが、上記の通りGen 4規格が最大8GB/sが理論上の最大値である事から各社から発売されるNVMe SSDの転送速度は7 GB/s程度になっています。そんな、NVMe SSDですがPCIe Gen 5に対応するマザーボードがIntelや間もなくAMDから発売される事を受けてNVMe SSDの動作に不可欠なコントローラーを製造するPHISONがPCIe Gen 5に対応するコントローラーを2021年秋に発表しましたが、どうやらこのコントローラーはPCIe Gen 5を活かした高い転送速度を実現する一方で発熱が非常に大きいとの事です。

温度に敏感なNANDメモリー

PHISONのブログによると、コンシューマー向けのNVMe SSDに搭載されるNANDメモリーの動作温度は0℃から70~85℃に設定されている事が多いですが、高温や温度変化に対してNANDメモリーはあまり強くないため25℃から50度の範囲内で動作させる事が最もパフォーマンス面でもデータ保持の面でも推奨されるとの事です。

ちなみに、PHISONが作っているメモリーコントローラーに関しては最大125℃まで耐えられる設計になっているとの事ですが、NANDメモリーはそこまで高い温度まで耐えられません。そのため、NANDメモリーの温度が80℃を超えるとデータ保持のために強制的にシャットダウンがされるようになっているとのことです。

また、高温も好ましくないですが、温度差もパフォーマンスに大きな影響を及ぼすようで、高い温度で書き込まれたデータを低い温度の時に読みだそうとするとエラー訂正などの処理が多く入りパフォーマンスが落ち込むとの事で25℃から50℃の範囲内で動作するようにNVMe SSDは設計する必要があるとの事です。

PCIe Gen5対応NVMe SSDはパッシブ冷却では対応不可な模様

PCIe Gen 4に対応した多くのNVMe SSDでは発熱が大きいことからヒートシンクを搭載し、継続的な読み書き時にパフォーマンスが落ちないように熱を逃がすように設計がされているモデルが多いです。しかし、PCIe Gen 5ではPCIe Gen 4より転送速度が2倍程度に向上している事から発熱量は現行モデルより大きくなるとの事で、PHISONによるとコンシューマー向けのPCIe Gen 5対応NVMe SSDからはヒートシンクは必須となり、空気を流す冷却ファンの搭載も必要になると想定しているようです。

PHISONが開発中のPCIe Gen 5対応のメモリーコントローラーでは高い転送速度を実現するために16nmから7nm化を行いパフォーマンスを上げつつ消費電力の低減を図っているようです。しかし、それでもTDPは14WとタブレットPCに搭載されているCPUに近い値になっています。

そのため、ファンを搭載しないヒートシンク(パッシブ冷却)だけでPCIe Gen5 メモリーコントローラーに読み書き時など高負荷を掛けた際にはメモリーコントローラーの熱でヒートシンクが飽和、NANDメモリーにまで熱が伝わってしまい、サーマルスロットリングによるパフォーマンス低下や、最悪の場合には強制シャットダウンなどが行われてしまう可能性があるようです。

CPUやGPU、NVMe SSDなど半導体製品は進化すれば進化するほど性能が上がる一方で、消費電力も下がるイメージを持っている人も多いですが実際には性能は大きく上がり、消費電力も上がる方向に向いています。例えばGPUでは2020年に発売されたモデルは最大350Wだったものが、2022年発売のモデルでは600Wになると予定されていたり、CPUも105Wから170Wに増えるなど・・・

そんなトレンドに追従するかのようにNVMe ではPCIe Gen5に対応するメモリーコントローラーは最大14W消費するようで、その次の世代であるPCIe Gen 6対応のものはTDPが28Wになるとも言われています。

This Product is a Meme – Corsair MP600 PRO Hydro X water-cooled SSD – YouTube

この調子でいけばNVMe SSDも水冷で冷やす時代が本当に来るかもしれませんね。

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