マイニング企業がGPUをAI向けに提供するなどの収益モデルを模索中

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マイニング企業はEthereumやBitCoinなど仮想通貨がブームとなった時に大規模な投資などを推し進めていましたが、2023年現在の仮想通貨市場はかなり冷え込んでおり、このようなマイニング企業では収益を確保する事に苦慮しています。ただ、近年ブームになりつつあるAIについて、マイニングに必要なコンピューティング性能を用いて収益を上げるモデルを模索しているようです。

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収益確保に苦しむマイニング企業。AI向けにGPU性能を提供して利益を確保へ?

マイニングについては2020年から2021年頃にかけて、アメリカの金融緩和が発端となりBitcoinやEthereumなどの仮想通貨価格が大きく高騰し、これに便乗すべく個人、企業問わず多くがマイニング用にGPUやASICなどの購入に走りました。しかし、2022年頃からアメリカのインフレが深刻化し、中央銀行が金融引き締めに走ります。これがきっかけでBitcoinなどは下落し、Ethereumなどはこの仮想通貨価格下落に続いて、GPUなどを使って出来ていたマイニングが出来ないPoSに移行するなどマイニングで収益を上げる事は非常に難しい状況になっています。マイニング業界では、ブロックチェーンベースの仮想通貨をマイニングするために約2兆円に相当するGPUが購入されたと見られています。しかし、2022年9月に行われたEthereumのPoS移行によりマイニング企業の収益性は大幅な低下が見られました。この収益減少から規模の小さい個人はGPUの売却を進め、中規模なマイニング企業などもGPUを売却し事業を縮小が相次いでいたのですが、マイニングに特化した企業であるHive BlockchainやHut 8 Miningなどはマイニングで使用していた高性能GPUなどを用いて、最近需要が急増しているAI向けにコンピューティングパワーを提供し、収益を確保する新しいビジネスモデルを模索しているようです。

Bloombergの報告によると、これらの企業は既にGPUのコンピューティング性能を提供するHPCサービスによって数十億円の利益を上げています。この中でもHive Blockchainは、2024年までにHPCサービスから13億円以上の収益を生み出すことを目指しており、翌年にはこの収益源を倍増させることを期待しています。Hive Blockchainは、2021年初頭にNVIDIAから86億円分のGPUを購入し、AIサービスで収益を生み出す投資を積極的に行っているようです。Hut 8 Miningも、暗号マイニングからHPCサービスへの移行に成功しており、Bloombergの報告によれば、同社は2022年にHPC事業から22億円以上の収益を上げ、総収益の約11%を占めました。

AIなどコンピューティング性能を提供するサービスとしてMicrosoft AzureやAmazon Web Services(AWS)など大手企業が参入している事業となっていますが、規模の小さいHive BlockchainやHut 8 Miningでは既に大量のGPUを使うマイニング作業を経験してきたため、GPUメンテナンス経験の豊富さやエネルギー管理の最適化のノウハウを持っており、大手に対して低コストでの運用が可能になると見られています。

今後、マイニングに特化していた企業についてはこのようにAI向けにGPUコンピューティング性能を提供する収益モデルへ徐々に転換していくと見られていますが、今後AI向けにGPUパワーの需要が急増すればAI向けにGPUコンピューティング性能を提供する企業が増えて来る可能性があります。この流れが企業の大小関わらず広がるとマイニング時と同じ様にGPUの供給が不足するという事態になりかねませんので、自作PCなどを作っているユーザーはAI用途で使われているGPUについて動向を中止しておいた方が良さそうと言えそうです。

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