IntelのArcディスクリートGPUの開発中止が幹部レベルで承認された可能性。

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Intelでは9月以降にディスクリートGPUとなるArc Alchemistのハイエンドモデルなどを発売予定ですが、なんと今後のArc GPUに関しては開発を中止する可能性があるようです。

まもなく発売となるArc Alchemist

IntelではディスクリートGPUとしてArc Alchemistを当初の計画では2021年中に発売としていましたが、部品供給問題やドライバーの不具合で2021年発売には間に合わず、2022年の早い段階で発売を目論むも、2022年9月現在、エントリーモデルのArc A380以外のモデルは発売時期に関する情報も出ていません。

そんなよくわからない状況のArc Alchemistですが、Moore’s Law is Deadが入手した情報によると、IntelはこのArcディスクリートGPUについて今後の開発を中止する決定がされた可能性が高いと言うリークを入手したようです。

Intel’s Xe Odyssey is Over: Discrete ARC is Effectively Cancelled – YouTube

Intel ArcディスクリートGPUは開発中止に。Battlemageもベストシナリオでエントリーモデルのみ登場

Moore’s Law is DeadがIntelの関係者から入手した情報によると、Intelのグラフィックス部門(AXG)は社外でArc GPUについて積極的な広報活動を行っているものの、Intel社内ではArcが生き残れる可能性は少ないと見ている人は多いとのことです。

また、現行のArc Alchemistの次期モデルとなるArc BattlemageではGPUをタイル化しモデルに応じて搭載するタイル数を調整してローエンドからハイエンドまでカバーする計画でしたが、この計画はうまく行っていないようでBattlemageに関しては通常のシングルダイとなり、ベストケースシナリオでラップトップ向けのエントリーまたはローエンドダイが一つ登場というレベルとのことです。

そんなこんなでかなり悲惨な状況となっているArcディスクリートGPUですが、つい最近になって多くのIntel関係者からArcディスクリートGPUについて開発中止が幹部レベルで承認されたとのことです。

2022年9月9日には、IntelはEvercore社との定例会談にて今年の会計年度は厳しい状況で、IntelのCEOであるPat氏は『成功していない、見込みのない事業に関しては撤退をさらに進める』とも述べており、今回Moore’s Law is Deadが言っているArcディスクリートGPUの開発が中止となるという話はArcの開発遅延具合や次期モデルのBattlemageの開発状況からすると説得力がある内容とも言えそうです。

発売前のArc Alchemistの今後はどうなる?

Intelではすでにエントリー向けとなるArc A380を一部地域で発売を開始していますが、ミドルレンジのArc A580、ハイエンドのA750とA770については発売日も不明な状態で放置が続いています。

Moore’s Law is DeadによるとIntelではこれらのモデルの発売は予定しているものの、供給量は非常に少なくなるとのことです。また、未発売となっているA580やA750、A770についてGeForce RTX 4000シリーズやRadeon RX 7000シリーズが発売されるなかでどのようにして売ればよいのかIntelでは明確な作戦がなく、惰性で売られるという状況になりそうとのことです。

 

IntelのArc Alchemistに関しては2020年から発売が噂され、NVIDIA、AMD以外の第3の選択肢としてかなり期待されており、GPUの供給不足や価格高騰が深刻化する2021年中頃では救世主的な存在になるのではないかとも言われていました。(Intel自身も100万台供給すると息巻いていました)

しかし、そんなに甘くなかったようでドライバーの最適化不足で何度も遅延し、結局は2021年発売は成されず、2022年も9月中旬に差し迫ろうとしていても大半のモデルは発売時期すら不明とかなり悲惨な状況なのは間違いないです。

Intel自体も決算は非常に悪く収益性の高いサーバー・データセンター事業はSapphire Rapidsの延期などでAMDにシェアを大きく奪われる予定で、今後NVIDIAやAMDに対してスタートから周回遅のArcをこれ以上続ける意味と余力は無いとIntelの幹部は判断したのかもしれません。

個人的にはArcの開発中止は残念ですが、Intelの状況を見ているととてもじゃないですけど手広く事業を進められるとは考えられず、収益が期待できるMeteor Lakeなどモバイル向けCPUで競争力を確保できるように内蔵GPUなどの開発に集中して行ったほうが良いと思います。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (6件)

  • どうせ内蔵GPUのドライバは書かないといけないんだから、儲からなくてもしばらくはビデオカード作っててもいいと思うけどね(´・ω・`)

    • 第一第二世代ぐらいは失敗する覚悟がないと事業なんて継続出来無いと思うけどな
      逆に言うとそのぐらいインテルの経営状況はヤバいのかもな

  • これあんまアテにならない気がするけどな
    Moore’s Law Is Deadって8月入るくらいまで「(内部スケジュール表だと言い張ってたものから遅れが出てたってだけで)インテルのカードはもう発売されない! 全部キャンセルされた!」ってカードリリース自体が白紙にされたに違いない!プロモカードすら配布されてないからそうだ!って喚いてたとこだから
    結局、先日スペック詳細も出て間もなく発売ですってなったとこに、今度はこれまたリークだと言い張って今後の開発全部キャンセルだ!って感じ

    その人、元の動画や記事では「だから第一世代のカードもほとんど供給されない」って言ってたそうだけど、一世代目についてはとっくにロット生産済みなんじゃって自分で言ってたくらいな上、売るどころか生産自体ほとんどしないでやめておこうなんて出来るタイミングはとうに過ぎてる
    中国でA380出す前どころか、去年の秋冬あたりに「やっぱ無理っぽいから全部やめるわ!」って投げてたら可能だったかもくらい
    まがりなりに現行世代のミドル品程度のを仕上げて出すとこまで来ちゃったとなると尚更な。一から3060や3060Tiクラスなんて開発自体金かかってるだろうし
    もう、とりあえず出してみて経過を見るしかないって状態

  • 現状の既存モデルの暴落っぷりや需要の無さを見たら相当厳しいから、売れなくて終わりましたってパターンがかなり濃厚
    ただ、今度はそれはそれで「ベストシナリオなら第二世代をエントリー・ローエンドだけ出せる」ってのが馬鹿らしい話になるそうな

    元々第一世代がローエンドからミドルくらいまでしかないような現行世代準拠の低めの構成
    二世代目はAMDの次世代みたいなマルチダイ構造で、現行ハイエンドから次世代レベルにまで手を出せるものにする予定だった。マルチダイなら数を増やしたり減らしたりで性能変えられるんで、大幅カットすることでエントリーやミドルクラスも手広く出すつもりだった
    それが「二世代用マルチダイ構造導入失敗で全部終わったけど、ベストシナリオならモノリシックでエントリーだけ出す」って言ってるわけだしね
    一世代目が大失敗してマルチダイ化もダメだった状態で、失敗作だった前世代のダイとあんま変わらないの使ってエントリー品だけってかなり無意味。A380に毛が生えた程度かA580に毛が生えた程度のだけ出してもまるで意味が無いというか、次世代用技術導入失敗で開発失敗、前世代も商売的に大失敗してますって時点でベストシナリオもクソもなく即時終了で凍結だろそれって感じだし

    「一世代目はまだ出してすらいないけどもう失敗と割り切られてて、生産自体ほとんどされない」「二世代目も既に開発失敗して凍結決定されているので一切出ない、何もかも終了が確定している」って言いきらない辺り、リークというより予想の類なんだと思うわ

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