2022年Q4のGPU出荷台数も前年同月比35%減。一方で好転の兆しも?

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GPUの出荷台数は2021年を境に、価格高騰やマイニング需要喪失により2022年は大幅な下落を記録していますが、この2022年第4四半期のGPU出荷台数が調査会社より明らかになりました。結果は前年同月比に比べて35%減少と依然としてGPU需要が低いものの、状況が好転する兆しも見え始めているようです。

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2022年Q4のGPU出荷台数は前年同月比で35%減少も好転の兆しも見え始めている模様

グラフィックスカードの需要は2020年から2021年にかけて過去最高を記録したものの、その内容はコロナやマイニング、転売など一時的な需要によるものだったため、これらの需要が収まった2022年にはGPUの販売価格だけが悪目立ちし、結果的にグラフィックカードがほとんど売れないという状態になりました。実際に、2022年Q3のGPU出荷台数はデスクトップ向けディスクリートGPUが過去20年で最低の6.9百万台を記録していますが、このGPU出荷台数を調査しているJon Peddie Research社が2022年Q4のGPU出荷台数について調査結果を明らかにしました。

2022年通年ですべての種類のGPUの出荷台数については6420万台が記録されていますが、前年同期比では-35%、前四半期比では-15.4%の減少が記録されています。

また、デスクトップ向けのディスクリートGPUに絞った統計では、2022年Q4の出荷台数は合計743万台が記録されていますが、前年同期比では-43.7%減少と大幅な減少となっています。

この台数は2022年Q3に記録された過去最低の690万台より7.8%増となっておりグラフィックカードの需要が戻り始めているとも捉えられますが、2022年Q4にはNVIDIAのGeForce RTX 4090やRTX 4080、AMDがRadeon RX 7900 XT/XTXを発売するなど新モデル発売の効果が7.8%増の中に含まれている事は確実で、需要が完全に回復し始めていると判断するほど強気な台数にはなっていません。

セグメント別のシェアに関しては、デスクトップGPUは24%減少し、ノートブックGPUは43%減少し、2011年にピークを迎えて以来最大の減少となりました。

 GPUは市場の先行指標であり、PCの出荷前にシステムに組み込まれます。次の四半期に半導体ベンダーのほとんどは平均で-6.44%下方修正を予想しています。前四半期は平均で-0.21%の下方修正を予想しましたが、楽観的な予測と言えます。

今四半期のGPU出荷量(統合/埋め込み/ディスクリート)は、前四半期から-15.3%減少しました。通年ではGPUは6400万台が出荷され、前年に対しては-3850万台の減少でした。これは、GPU市場が年間ベースでマイナス成長であったことを示しています。

Jon Peddie Research

ディスクリートGPUのシェアに関しては、NVIDIAは2022年Q3の86%から82%へシェアを減らしていますが、依然としてディスクリートGPU市場を寡占している状態が続いています。一方で、AMDに関しては前期より2%増の9%、Intelは3%増の9%と僅かながら向上しています。

最後にJon Peddie Research社ではCPUの出荷台数についてもデータをまとめており、これはPCの出荷台数そのものを示すものに近い数字となります。ただ、この結果は悲惨で2022年Q4の結果は5400万台で、前年同期比で比べると36%減少、前期比でも18%減少となっておりまだ底には達していない可能性がありそうです。

PCを買うユーザーは個人向けも多いですが、オフィスや企業で支給されるPCも非常に多くなっています。インフレやアメリカでの利上げを背景とした景気後退懸念から企業の新規投資は抑えられる傾向にあり、ノートPCやオフィス用のデスクトップは売れず、個人ではインフレによる生活費高騰でデスクトップのディスクリートGPUの売れ行きも低い状態が続いています。デスクトップ向けのディスクリートGPUでは前四半期より出荷台数は改善はしていたものの、これは出荷台数ベースでカウントしているため、NVIDIAやAMDが新製品を出せば自然と増える仕組みになっていますので回復したとは言い難いと個人的には考えています。

正直、ここまでGPUやCPUの出荷台数が下がっている事を考えると2023年Q1や2023年Q2も低空飛行を続けると見られています。

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