AMD Zen6搭載EPYCの情報出現。256コア以上搭載、キャッシュも大きく変更

本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
この記事は最終更新日から1年経過しています。掲載内容や情報が古い可能性があります。
  • URLをコピーしました!

AMDでは2022年にZen 4、2023年にZen 5アーキテクチャー搭載EPYCなど1年毎にEPYCシリーズをリリース予定としていますが、2025年頃に発売されると見られているZen6アーキテクチャー搭載するEPYCに関する初期情報が出現しました。

目次

今後も高い需要を誇るであろう、データセンター向けEPYC

AMDではサーバー、データセンター向けCPUとしてEPYCをラインアップしており、2021年3月にはZen 3アーキテクチャーを搭載したEPYC Milan、2022年にはZen 4アーキテクチャー搭載のEPYC Genoaをリリース予定としています。

このEPYCはAMDにとっては収益の柱になりつつあり、エンタープライズ部門の売上高は前年比で50%以上の売上増を記録しており、今後もサーバー、データセンター需要は増える事からAMDではこれらの分野の製品について性能強化をより一層図るものと見られています。

そんなEPYCについてですが、2023年頃に登場が予想されているZen 5アーキテクチャー搭載EPYCでは合計256コアにもなりますが、2025年頃に登場すると見られているZen6アーキテクチャーを搭載するEPYCではコア数のみならずキャッシュやメモリー関係が大幅に強化される見込みとなっているようです。

200コア以上搭載し、L2/L3キャッシュ関係は再設計へ。HBM搭載も

AMDではアーキテクチャー名として『Zen』と言う名称を2017年に発売がされたRyzen 1000シリーズから使っていますが、Moore’s Law is DeadによるとAMDは少なくとも2024年頃発売のZen 5までは『Zen』と言う名称を使うものの、それ以降についてはまだ明確には決まっていないようです。

ただ、現時点ではまだ『Zen』と言う名称が使われる見込みで、Zen6アーキテクチャーを搭載するEPYCシリーズはEPYC Venice(ヴェネツィア)と呼ばれるようです。

このZen6搭載のEPYCについては、一世代前のZen 5と同様にハイブリッドアーキテクチャーが採用される見込みで、Zen 5 EPYCで予定されている256コア512スレッドを超えるコア数を持つと見られています。また、CPUソケットについてはZen 4 EPYCと共に登場するソケットSP5からソケットSP6に移行する可能性があるようです。

Zen6ではコア数などZen 5に比べると増える可能性はあるものの、最も大きな変更点はL2とL3キャッシュ周りになるとの事で、完全な新作になるとの事です。

また、HBMへの対応も行われるようで、3Dスタッキング技術を応用したHBMキャッシュと大容量のL3キャッシュが搭載され、これら2つを協調制御してCPUパフォーマンスの底上げが行われると見られています。

Zen6 EPYC VeniceはIntelのDiamond Rapidsと対抗?

Zen6 EPYC Veniceが発売されると見られている2025年にはIntelが2017年に発売されたZen EPYC登場以来、サーバー・データセンター向け製品で奪われていたリードを取り戻すべくIntel 3 (5nm)を採用した最大144コア288スレッド搭載のDiamond Rapidsを投入予定としています。

このDiamond Rapidsでは前世代のGranite Rapidsに対してIPCは39%、全体的な性能としては80%ほど向上すると見られており大幅な性能向上が見込まれています。

また、Intelでは2024年に発売が予定されているGranite Rapids以降、IPCを前世代に対して35%台の改善を見込んでいるため、AMDに取られていた性能面でのリードをGranite Rapids以降の製品で取り返す事を目論んでいるようです。

ただ、AMDとしてはサーバー・データセンター向け製品は売上高の内大きな割合を占めており、性能的なリードは収益にも直結するためAMDとしてはZen 4からZen 5、そしてZen6と次々と新設計のアーキテクチャーを投入してIntelには対抗するものと考えられます。

AMDのZen系アーキテクチャーとサーバー・データセンター向け製品であるEPYCはAMD躍進を支える製品であり、IntelのXeon系製品には絶対に負けられないため研究開発や新商品投入ペースが落ちるという事は無さそうです。

AMDのデータセンター向け製品であるEPYCとコンシューマー向け製品のRyzenの間では同じアーキテクチャーを採用しているため、Zen6のコンシューマー向け製品にはHBMなどは搭載されないものの、L2/L3キャッシュ関係の見直しについてはZen6搭載のRyzen 9000シリーズにも繋がる話と考えられます。

最近、AMDやIntelではキャッシュの拡大を行う方向に進んでおり、AMDでは既にL3キャッシュの拡大については3D V-Cacheなどで行っていますが、L2キャッシュの拡大についてはZen 4で512KBから1MBへと拡大はされるものの、IntelのRaptor LakeのようにL2キャッシュを2MB搭載と言う次元にまで来ていません。そのため、Zen6においては低レベルキャッシュの容量拡大が可能なように再設計が行われるのかもしれませんが、どちらにせよ消費者としては今後もCPUの性能の進化を目の当たりに出来るのは嬉しい事と言えそうです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次