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絶好調のAMD。最大の死角はAI対応とNVIDIAのエコシステム?

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AMDはここ最近はIntelを超えるような存在感を示しており、製品面でもRyzenやEPYC、Radeonなど高い競争力を持つ製品を次々と投入し、株価は数年前の1桁ドルから2桁~3桁ドルにまで上昇しています。そんな絶好調のAMDに対して最大の死角は近年急激に認知度が高まっているAI対応となる可能性があるようです。

目次

絶好調のAMDだが、最大の死角はAI対応。NVIDIAに対抗できるだけの製品やサービスが不足気味

AMD is losing the AI battle, and it’s time to worry | Digital Trends

AMDではここ数年存在感を増してきており、CPUにおいてはIntelを上回る競争力を持つ製品を投入してきています。結果、サーバー・データセンター向け分野においてはIntelが9割以上のシェアを握っていましたが、2023年にはIntelのシェアが8割を切り、AMDが2割以上を獲得するなど躍進を続けています。また、グラフィックカードにおいてもAMDはNVIDIAに追いつこうと新製品を発売しており、最新のRadeon RX 7000シリーズは従来までのモデルに比べて好調な売り上げを記録しています。

そんな、絶好調のAMDですが、将来もこの調子をキープできるかは不明で最大の死角は近年急激に認知度が高まっているAI対応となる可能性が出てきているようです。

GPUはゲームのためだけではない

数年にわたり、GPU市場はNVIDIAに依存していましたが、ここ最近はAMDが大きな進歩を遂げゲーミング用グラフィックスカードにおいてはNVIDIAの独走を許さないレベルにまで競争力を上げてきています。例えば、最近ではNVIDIAのGeForce RTX 4090が性能面でAMDを圧倒していますが、よりメインストリームのRTX 4080やRTX 4070 TiについてはAMDのRadeon RX 7900 XTXやXTと比べると性能面で大きなアドバンテージは無く、価格面もRadeon RX 7900の方が優れているという状態になっています。そのため、売り上げ面でもAMDのRadeonが今までにないレベルで売れているという話も出てきています。

ただ、GPUはここ数年でゲームのためだけに使われるものでは無くなりつつあり、最近ではAI用途にGPUが活用される例が増えていますが、AI用途に強いNVIDIA製GPUに対してAMD製GPUは現時点でAIへの対応は圧倒的に弱いのが現状です。

例えば、Tom’s Hardwareは最近、NVIDIA、AMD、Intel製GPUでStableDiffusionなどAIを活用したソフトウェアでベンチマークを行った結果、圧倒的な性能を持つNVIDIAに対してAMD製GPUはあまり高い性能を記録できませんでした。

また、コンシューマー向けAIだけではなくエンタープライズレベルで行われる機械学習処理の場合はNVIDIAの旧Quadro、現在のRTXシリーズが主流で、機械学習用ハードウェアを選ぶ際にはNVIDIA一択で、AMD製GPU(Instinct)を搭載している例はかなり稀です。

コンシューマー用途におけるAI利用もNVIDIAがリードしている側面があり、それがDeep Learning Super Sampling(DLSS)です。このDLSSでは機械学習などを用いてGPUから出力された低解像度の出力を補完しながら高解像度化し、パフォーマンスを下げずに解像度を向上させる技術になっています。AMDでも2022年からDLSSに対抗するFSR2.0を投入していますが、NVIDIAはフレーム全体を生成しフレームレートを向上させるDLSS 3.0を投入するなどAIや機械学習を用いた技術で常にリードしている状態になっています。

AIに取り組み続けてきたNVIDIAの歴史と独走

AMDとNVIDIAのグラフィックカードは、アーキテクチャレベルで大きく異なるため、完全に比較することは不可能です。しかし、ここ数年間の間でNVIDIAのGPUではアーキテクチャーレベルでAIに最適化されてきています。

NVIDIAが最近発売しているGPUには、Compute Unified Device Architecture(CUDA)コアが搭載されていますが、AMDカードにはCompute Units(CU)とStream Processors(SP)があります。

ここまでは同じですが、NVIDIA側では機械学習に活用されるディープラーニングに最適なTensor Coresが搭載されており、このTensor CoreにはさらにSparsityと呼ばれる、GPUが不必要な計算をスキップするのに役立つ最適化手法が用いられています。

これにより、ニューラルネットワークのトレーニングなど、特定のタスクを実行するためにGPUが必要とする処理時間を短縮できます。

また、NVIDIAではプログラマーなど開発者が容易にNVIDIA GPUを利用できるCUDAライブラリを提供しており、機械学習などを実行するためにNVIDIA GPUを簡単に活用する事が可能になっています。このCUDAライブラリの存在こそNVIDIAがAI分野においてAMDを突き放す一つの理由になっており、結果的にAIを用いる多くのアプリケーションはCUDAライブラリを活用して作成されるなど開発者を囲い込むのに成功しています。

一方で、AMDも手をこまねいている訳ではなく、ここ最近ではNVIDIAのCUDAライブラリに対抗するためにROCmなに力を入れています。また、GPUFORTと呼ばれるNVIDIAからAMDへ乗り換えるのに支援する取り組みも行われていますが、人気のある機械学習ライブラリーのTensorFlowやPyTorchなどはNVIDIAのCUDAライブラリのみが公式にサポートされている状態になっています。

AMD最大の死角はAI対応。NVIDIAに対抗できるか?

AIへの投資は、NVIDIAにとって非常に優れた戦略でした。NVIDIAは、AIおよび機械学習関連タスクに対応できる強力なカードのラインナップに加えつつ、主力のゲーミングGPUもラインアップしています。一方でAMDはまだそこまで到達していませんが、Radeon RX 7000シリーズではアーキテクチャ面ではAIに対応できる機能を持っており、後はソフトウェアの開発待ちという状態になっています。しかし、NVIDIAが既に構築しているCUDAライブラリのような一般的に使用されているエコシステムは当然ながら持っていません。

AMDは、ここ最近Intelに対抗できるCPUを発売し高い競争力を獲得し、株価も1株数ドルレベルから70ドルレベルにまで成長しアメリカの半導体産業をリードする存在にもなりつつあります。そんなAMDではGPU分野においてもNVIDIAのライバルとして太刀打ちできるレベルに成長しつつあり、ゲーミング用グラフィックスカードにおいては新世代化される度にNVIDIAに着実に追いついてきている部分もあります。しかし、好調なAMDですが、ここ最近急激に存在感を伸ばしているAI分野についてはNVIDIAに対してほとんど競争力が無い状態と言えます。

現在、AIについてはChatGPTなどで一般に認知されつつありますが、ChatGPTより前からもゲームのチート防止やGoogle Photoなど写真整理、企業などで導入されているチャットBotや音声認識、ナビゲーション、スマートホームデバイスなど多岐に渡り、今後もこのAIは日常生活にますます浸透してきます。そんな中でAIに対応したハードウェアの需要は大きく伸びる見通しでNVIDIAでは既に2023年2~4月期の売上高予測ではAI向けハードウェアの売上が大きく伸びる予測を立てるなどしていますが、AMDについてはAI分野においてはあまり大きな成果を出せていない他、存在感を示せる製品やサービスの提供も出来ていないため、近い内に何かしらAI分野に最適化された製品を出さなければAI向けハードウェアでNVIDIAに対抗する事ができなくなる可能性がありそうです。

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自作PCやゲーム、ガジェット好き。
帰国子女だった事を活かして海外のPCやゲーム、ガジェットのトレンドや情報をいち早く正確にお届けします。

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