2022年のHDD出荷台数は2021年に比べて約半減。クラウドストレージが絶不調

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HDDは依然として大容量ストレージとして需要はあるものの、2022年のHDD出荷台数はNVMe SSDの普及とエンタープライズ向けHDDの需要低下などにより2021年比で出荷台数が40%以上減少した事が明らかになりました。

目次

2022年のHDD出荷台数は2021年比で半減。

ストレージ関連の情報を扱うサイト、Storage Newsletterによると2022年に記録されたHDD出荷量は2021年比で40%以上の減少が記録されたとのことです。

メーカー HDD出荷量(百万) 前四半期比 (%) 前年比 (%) 市場シェア
Seagate 15.10 – 15.60 -3.9% -0.7% -43.7% -41.7% 42.9 – 42.9%
Toshiba 7.80 – 8.0 -2.6% -0.1% -39.3% -37.7% 22.2% – 22.0%
WDC 12.30 – 12.80 -16.2% -12.7% -43.0% -40.7% 34.9% – 35.2%
合計 35.20 – 36.40  -8.3% – 5.2% -42.5 -40.5% 100%
HDD大手を製造するメーカーは主にSeagate、東芝、Western Digitalの3社がありますが、このすべてのメーカーで前年比40%以上の減少が記録されています。
この3社の中で最も低いパフォーマンスを記録したのがSeagateで、HDDの出荷台数は前年比で43.7%減少しています。次に悪いのがWestern Digitalで前年比43%とSeagateに近い下落を記録、東芝は他の2社に比べると善戦していますが、39.3%と大幅な下落を記録しています。
また、3社合わせた業界全体でのHDD出荷台数も前年比で42.5%減、台数では3500万~3600万台となりました。2021年は8000万台を超えていた事を考えると大幅な下落となっています。

コンシューマー向けからエンタープライズ向けとすべてのセグメントで絶不調

HDDの出荷台数減少の最も大きな要因となっているのが、AmazonやMeta、Microsoftなどクラウドストレージを扱う企業においてエンタープライズ向けHDDの需要減退であると見られています。この需要減退についてはアメリカの利上げに伴う景気後退によるものと見られているほか、クラウドストレージ企業の合併や在庫調整などが重なった結果、出荷台数は1000万台近く減少したと見られています。

コンシューマー向けにおいてはデスクトップ向けで主流の3.5inch HDDは前年比は1桁台の減少とエンタープライズ向けに比べると小さいですが元々の台数が2021年より過去に比べると大きく台数が落ちている他、当初コンシューマー向けPCについては2022年後半にかけて需要が持ち直すと見られていましたが、その期待は裏切られる結果になったようです。

ノートPCにおいて主流の2.5 inch HDDについては2022年Q4は前年四半期比で15%増となっており、他のセグメントに比べると明るい兆しはあるものの2022年Q4はノートPCなどの売上が伸びやすいホリデーシーズンに掛かっているためこの結果が2023年Q1にも繋がるかは不透明という状況になっています。

ノートPC向けの2.5inch HDDについては今後も需要は縮小していく方向で、512GBの2.5inch HDDと512GBのNVMe SSDの価格が同等になるなどHDD最大の低価格で大容量と言うアドバンテージは特定の領域では失いつつあります。そのため、2023年に販売されるノートPCに関しては内96%がNVMe SSDを搭載する見込みで、2.5inch HDDについては需要は今後も低下し続ける見込みのようです。

 

MicrosoftやMeta、Amazonなど大手IT企業では景気後退に備えてレイオフ(リストラ)を行っている他、研究開発費や経費削減に取り組んでいるため、データセンターへの投資なども必然的に減ると見られています。在庫調整については恐らく2021年夏頃に一時的にブームとなったHDDマイニングのChiaやロシアによるウクライナ侵攻でヘリウムが入手困難になった事から在庫を多く持っていたと見られていますが、その反動で2022年Q4は前年比大幅悪化と言う結果に繋がったようです。

HDDについてはコンシューマー向けにおいてはもう主流とは言えず、恐らくコンシューマー向けの3.5inchについてはNVMe SSDの価格が今後も低下していくと同時に、出荷台数も大きく減少していくと見られています。2.5inch HDDについてはもう生産が止まってしまう事も近い内にあり得そうな勢いと言えそうです。


 

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