
AMDでは2024年ごろにZen5アーキテクチャーを採用した第7世代RyzenであるRyzen 8000シリーズを市場投入する予定としています。ここではそんなZen5搭載のRyzen 8000シリーズについてリーク情報などから明らかになっている情報をまとめて紹介します。
Zen5搭載 Ryzen 8000シリーズの最新情報一覧
Zen5搭載 Ryzen 8000シリーズの最新情報
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AMD Ryzen 8000に搭載するZen5の情報登場。IPCは最大20%向上し、コア数は最大32基
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AMD Zen5搭載のRyzen 8000 Strix PointのHWINFO情報が登場。Compute Unitは16基搭載で確定。
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AMD Zen5 Strix Point APUのキャッシュ容量などが判明。L3キャッシュはZen2以来の分割構成に戻る。
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AMD Ryzen 8000 Strix Point APUの仕様判明。GPUは16コアのRDNA3.5を搭載。CPUはZen5を4コアとZen5cを8コア搭載。
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AMD Zen5 Ryzen 8000シリーズのコア構成が明らかに。最大16コアでZen5+Zen5cのハイブリッド構成。
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AMD Zen5 EPYCの一部仕様が判明。Zen5モデルは最大600WのTDPに。
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AMDのソケットAM5は最低でも2026年までサポート。Phoenix APUのデスクトップ向けも登場。
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第7世代AMD Ryzen 8000『Zen5』の最新情報まとめ
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AMD Zen5搭載のRyzen 8000は3nm採用でL3キャッシュ倍増。2024年前半に発売へ
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AMD Zen5搭載Ryzenは2024年後半登場。Zen5 Threadripperは2025年に
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AMD Zen5のキャッシュ構成が判明。L3は分割構成に戻り、L2は最大3MBに
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AMD Zen5搭載Ryzen APUの情報登場。GPU性能はPS5超えでRTX 4070M並み?
Ryzen 8000シリーズの基本情報
AMDのRyzen 8000シリーズは2024年ごろに市場投入が予定されているデスクトップおよびノートPC向けコンシューマーCPUとなっており、CPUアーキテクチャーには最新鋭のZen5アーキテクチャーが採用されます。この変更により性能や省電力性などはZen4を搭載するRyzen 7000(Ryzen 7040)シリーズに比べて大きく向上すると見られています。
初代Zen並みの刷新規模。Zen5アーキテクチャーとは?


Ryzen 8000シリーズではZen5アーキテクチャーが採用されると見られており、製造プロセスはZen4のTSMC 5nmからより微細化されたTSMC 4nmまたはTSMC 3nmが採用されると見られています。製造プロセスについてはZen5ではTSMC 4nmでも3nmでも製造ができるように設計が行われており、各プロセスの歩留まりやコストを元に最終的にどちらのプロセスを使うかが判断されるものと見られています。
アーキテクチャー面においてはZen5は初代Zen並みのアーキテクチャー刷新規模になると言われており、IPCは15~20%ほど伸びると見られています。このアーキテクチャー刷新によりキャッシュ周りの構成が見直される見通しになっています。現時点ではリークが錯綜している段階ですが、L2キャッシュについては1MB~3MBとなりL3キャッシュはZen4に対して倍の最大64MBにもなると言われています。ただ、L3キャッシュに関してはZen5では各CCDに最大8コア搭載される予定ですが、Zen5cやZen6など多コア化を見越した設計が取り入れられる見込みで、Zen2時代のようにL3キャッシュが分割される可能性があるようです。
デスクトップ向けはコア数やTDPは最大16コアのTDP 170Wと据え置き予定
Zen5については通常版のZen5とコア数に振ったEPYC向けのZen5cの2種類が登場すると見られていますが、デスクトップ向けやノートPC向けではZen5が採用される予定になっています。このZen5搭載によりデスクトップ向けでは現行Zen4と同じく最大16コアのCPU構成になると見られていますが、性能面では上述のアーキテクチャー刷新により大きく向上すると見られています。なお、Ryzen 8000シリーズではZen4と同じソケットAM5が採用される予定で、TDPについても現行Zen4と同じく上位モデルは最大170Wに設定される見込みになっています。
3D V-Cache版も登場予定
AMDではZen3搭載のRyzen 5000シリーズから3D V-Cache搭載モデルを発売しており、Zen4搭載のRyzen 7000シリーズでも3D V-Cache搭載モデルを2023年上旬に発売しています。この流れはZen5搭載のRyzen 8000シリーズでも同様で、3D V-Cacheモデルが通常モデル登場後に発売されると見られています。
最大の売りはノートPC向けのAPU『Strix Halo』。グラフィックス性能はPS5並みに


デスクトップ向けRyzen 8000シリーズなどは性能向上など順当な進化を遂げた新世代CPUとなりそうですが、期待が非常に大きな革新的なCPUがノートPC向けに投入される予定になっています。これが、ノートPC向けに内蔵グラフィックスを搭載したStrixシリーズAPUです。
AMDではサーバー・データセンター向けのEPYCで2023年末には30%、2025年までには40%程度のシェアを見込んでいますが、それ以降は伸びが徐々に穏やかになってくると見られています。そのため、AMDでは次の稼ぎ頭としてノートPC向けCPUのシェアを抑えようと計画しています。その重要なミッションを担うのがStrixシリーズAPUです。
このStrixシリーズAPUではCPU側にはZen5を搭載し、GPU側にはRDNA 3.5が搭載される見込みで、TDP15~45Wなど薄型ノートPC向けにStrix PointとTDP25~125Wでゲーミング用PCなどに搭載されるStrix Haloの2つが登場予定となっています。
Strix Pointについてはメインストリーム向けノートPCなどをターゲットにしたAPUで、高性能なZen5コアを最大4コア、8スレッド、高効率なZen5cコアを8コア16スレッドの合計12コア24スレッド構成のハイブリッドアーキテクチャーが採用されており性能と省電力製の両立が図られています。内蔵GPUに関してはRDNA3の改良版であるRDNA3.5アーキテクチャーが搭載され、Compute Unitは最大16コア備え、NVIDIAのRTX 3050やIntelが2023年末に投入するMeteor Lakeを超えるグラフィックス性能を目指すようです。なお、メモリー関係では128-bitのLPDDR5X対応メモリーコントローラーを内蔵しています。
Strix Haloが恐らく最も革新的なAPUになる見込みで、CPUコア側はZen5を最大16コア搭載する構成となっており、CPU性能も期待できます。ただ、最も大きな進化が見られるのが内蔵GPUで、RDNA3.5アーキテクチャーを採用したCompute Unitを最大40コア搭載するほか、Infinity Cacheも32MB搭載するなどディスクリートGPUのような構成になっています。性能面では40CUモデルであれば、ノートPC向けのRTX 4070程度の性能で32CUではRTX 4060、20~24CUではRTX 4050並みとなるなどPlayStation5と同等か超えるようなグラフィックス性能をノートPCで実現することを目標に開発が行われているようです。
開発は順調で2024年前半にも登場する可能性


AMDのRyzen 8000については開発状況は順調のようで、Zen5アーキテクチャーを搭載するサーバー・データセンター向け製品のEPYCについては2023年末までに登場する可能性さえあるようです。
一方で、コンシューマー向けのデスクトップ向けRyzen 8000シリーズについては2024年上半期までに登場する可能性があり、Strix PointやStrix Haloについても2024年中頃には投入が行われると見られています。
コメント
コメント一覧 (3件)
apuには期待してるで。
グラボのいらないゲーミングパソコンほちい
apuには全く期待してません
高額なゲーミングノートにしか回さないからです。採用されるのは別途dGPU付きモデルばかりなので、せっかくのAPUが全く活かされてない。
宣伝は毎回勇ましいですけれど、ユーザー目線での商品展開を行う気は無いようですね。
今は中華ミニPCや携帯ゲーム用PCにノート用APUが載る時代なので、以前よりは期待できると思うけどね。
携帯用で40CU行けるとは思えないけど…