
Intelでは2023年末までにデスクトップ向け第14世代Core CPUとして『Raptor Lake Refresh』を発売予定としていますが、ここでは現在判明している『Raptor Lake Refresh』の仕様や各最新情報の記事一覧を紹介します。
Intel デスクトップ向け第14世代Core CPU『Raptor Lake Refresh』の最新情報一覧
Intel デスクトップ向け第14世代Core CPU『Raptor Lake Refresh』の最新情報一覧
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Intel Core i7-14700KFが6 GHzで動作した際のベンチマークが登場。性能は先代のCore i9-13900KSに迫る
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Intel Core i9-14900KFのPassmarkベンチマークが登場。シングルコア世界最速に
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Intel Raptor Lake Refreshがカナダの販売店に掲載。価格は3%値上げに留まる?
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Intel第14世代CPU『Raptor Lake Refresh』の発売日は23年10月17日
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Intel Core i9-14900KのCinebench 2024のベンチマーク登場。消費電力は最大253Wで据え置き
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Intel Raptor Lake Refreshの全モデル情報が判明。Core i7以外コア構成は変わらず。Pentium後継のIntel 300も登場予定。
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Intel Core i9-14900Kのベンチマーク登場。6 GHzで動作しCore i9-13900Kより9%高速化。
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Intel Raptor Lake Refreshは平均14%の値上がり。Core i5-14600KFでも6万円ぐらいに?
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Intel Raptor Lake Refreshの情報がMSIから流出。消費電力が300Wに迫る事が確定。
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Intel Core i7-14700KのES品を使ったベンチマーク登場。Core i7-13700Kよりゲーミング性能は4%ほど向上も消費電力は300Wほどに。
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Intel Core i7-14700Kは先代より20%性能向上も、消費電力はCore i9-13900K超えに。
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Intel 第14世代CPU Core i5-14600KFのベンチマークが登場。先代に比べて17%性能向上。
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Intel デスクトップ向け 第14世代Core CPU『Raptor Lake Refresh』の基本情報
Intel
当初はデスクトップ向けMeteor Lake登場までの繋ぎとして登場予定だった『Raptor Lake Refresh』
Intelでは2022年に第13世代CPUのRaptor Lakeをデスクトップ向けに発売し、その次の第14世代CPUはMeteor Lakeになると言われていました。実際にIntelではMeteor Lake登場と同時に投入されるLGA1851についても2022年中頃からリークが登場しており、この時は2023年中頃から末までに登場すると言われていました。


しかし、2022年12月になるとRaptor Lakeの次のCPUとして唐突に『Raptor Lake Refresh』の名前が登場し、これが2023年後半に投入されるという情報が出ます。この時はMeteor Lakeについては開発遅延により2024年に延期された事に伴う対応と見られていましたが、2023年12月末にはMeteor Lakeでは最大14コア構成となりCore i9は投入されないという話や2023年に入るとMeteor Lakeのデスクトップ向けは開発中止となったという情報が登場するなど雲行きが怪しくなります。


そして、2023年5月にIntel社内で開示された資料のリークによると、Intelはデスクトップ向けMeteor Lakeについてはキャンセルすると記載がありこれによりデスクトップ向けMeteor Lakeは登場しない事が濃厚となりました。
結果として、Intelは2023年に投入するデスクトップ向けCPUは現行のRaptor Lakeの改良版にあたる『Raptor Lake Refresh』を投入予定で、これを第14世代デスクトップ向けCPUとして発売を計画しています。
なお、ノートPC向けでは『Meteor Lake』が投入されるため、第14世代CPUはデスクトップ向けは『Raptor Lake Refresh』、ノートPC向けは『Meteor Lake』と言う形でアーキテクチャーが別れる事になります。
アーキテクチャーは同じだが、DLVR有効化で消費電力とCPU温度が低減?
2022年に発売がされたRaptor Lakeについては当初はDigital Linear Voltage Regulator (DLVR)と呼ばれる新しい電源供給方法が採用される予定でした。このDLVRについてはマザーボードに搭載されているCPU電圧供給用のレギュレーターとは別にCPUにも電圧レギュレーターを追加するもので、消費電力を低減するという技術になっています。
Raptor Lakeでは現行製品比で消費電力を大幅削減。Intelの特許情報より
通常であればレギュレーターの追加は効率低下に繋がるため消費電力の増加を招くのですが、マザーボード側の電圧レギュレーターはCPU負荷が瞬間的に増えた際に電圧を確保するLoad Line Calibrationや電圧レギュレーターの誤差が原因でCPUが要求する以上の電圧をCPUに供給するケースがあるようで、CPU側にDLVRを追加することでCPUへの電圧を監視し、消費電力と発熱を抑える事が可能となるようです。
Intel Raptor Lake-Sに搭載予定だった省電力機能DLVRは無効化されている模様
なお、このDLVRについては上述の通りRaptor Lakeには搭載されているものの無効化されている状態になっていますが、Raptor Lake Refreshではこの機能が有効化され、消費電力とCPU温度の低減が行われると見られています。
動作クロックはさらに向上。ブーストクロックは最大6.5 GHzまで向上する可能性
Intel Raptor Lake Refreshは第14世代CPUとして登場。最大6.2 GHzで動作へ?
Raptor Lake Refreshでは基本的にはRaptor Lakeの小改良に留まるとのことですが、AMDのRyzen 7000X3Dへ対抗するために動作クロック向上による性能向上が行われる見通しになっています。動作クロックについてはP-Core側のブーストクロックは最低でも6.2 GHzまで引き上げられる見通しで、試作モデルの出来栄え次第では6.5 GHz程度まで動作クロックが設定される可能性があるとのことです。
また、最上位モデル以外のメインストリーム向けモデルにおいてもP-Coreは最大5.5~6.0 GHzにまで引き上げられる見通しで、E-Core側も全コア4.4 GHz~5.0 GHzの動作クロックが設定されるようです。
なお、動作クロックの引き上げに伴って心配されるのが消費電力ですが、DLVR採用によって同一クロックであればRaptor Lakeに対して10~20%程度消費電力低減が行われているため、多少動作クロックを上げても現行のRaptor Lakeを超える消費電力となる可能性は低いようです。
この動作クロック向上によってゲーミング性能はRaptor Lakeに対して一桁%の向上が見られるほか、マルチコア性能については10%台の性能向上が見込まれるとのことで、この性能向上を武器に、AMDのRyzen 7000X3Dに対してゲーミング性能は同等、マルチコアが求められる環境では有利であることをアピールする狙いがあるようです。
一部モデルではTDPを向上させ性能を大幅向上へ。設定次第ではCPUだけで450Wを超える可能性
Intelの第14世代CPU『Raptor Lake Refresh』では消費電力が増加?ASRockの説明資料から判明。
動作クロックの向上などが盛り込まれるRaptor Lake Refreshですが、DLVRによる消費電力低減も行われる見込みにはなっていますが、最上位モデルについては現状よりも消費電力が上がる可能性があるようです。
ASRockが発表したZ790 Phantom Gamingでは電源供給面で20+1+1フェーズのVRMを備えるハイエンドモデルとなっているのですが、このマザーボードのプレスリリースにて興味深い事を記載しています。
ASRockは、新しいPHANTOM GAMINGラインアップを発表し、高級モデルZ790 Nova WiFi7を誇りに思っています。NOVAは、星爆発の眩しい光とエネルギーを象徴し、ゲーマーに強力なサポートを提供します。新しいマザーボードには、最新のWiFi7と5Gbps LANが搭載され、より消費電力が多い将来のCPUに対応します。
ASRock
現行のRaptor Lakeについては最上位モデルで最大の消費電力となるCore i9-13900KSではTDPが150Wでブースト時の最大消費電力は253Wに設定されています。しかし、デフォルトで設定されている電力制限を解除すると簡単に400Wを超えるような消費電力となります。
Raptor Lake Refreshとして登場する最上位モデルに関しては動作クロックが6.2~6.5 GHzに設定される可能性がある事から、AMDのRyzen 7000シリーズと同じ様にTDPは170Wに設定される可能性もある他、デフォルト状態でもブースト時は最大で300W程度まで消費電力が上がる可能性があるようです。
互換性は高め。すべてのLGA1700対応マザーボードに対応する見込み
Raptor Lake RefreshについてはCPUソケットなどは第12世代のAlder Lakeから続いているLGA1700が採用される事になっています。そのため、LGA1700を採用する600シリーズ、700シリーズマザーボードであればBIOSアップデートだけ済ませればRaptor Lake Refreshに対応する事が可能になっています。
ただ、注意点としてRaptor Lake Refreshでは電源供給回りでDLVRの追加の他、上述の通り消費電力が上がるなどしています。そのため、600シリーズマザーボードではCPUの消費電力を抑えるDLVRなどの機能が使えない可能性がある他、TDPや最大の消費電力が上がった際に電源供給面で制約が設けられる可能性があります。そのため、Core i9などハイエンドモデルのRaptor Lake Refreshを搭載する事を考えている場合は最大限の性能を発揮するにはマザーボードの買い替えが必要となる可能性があります。
また、600シリーズや700シリーズマザーボードにRaptor Lake Refreshを搭載する際にはBIOSアップデートが必要となりますが、その際にはAlder LakeやRaptor Lakeなどそのマザーボードが初期状態で対応しているCPUが必要となりますので、新品で600シリーズマザーボードとRaptor Lake Refreshを購入した場合、起動せずに詰みますので注意が必要です。
発売時期は2023年夏から秋頃を予定
IntelのRaptor Lake Refreshについては2023年Q3である7~9月を目途に発売がされると見られています。
Intelでは2023年9月19日にIntel Innovationと呼ばれるイベントを開催予定で、過去にはこのIntel InnovationでAlder LakeやRaptor Lakeも発表されているため、恐らくRaptor Lake Refreshについては2023年9月19日に発表され、同月末までにオーバークロックに対応したK/KFバリアントなどハイエンドモデルから発売が開始されるものと見られています。
コメント
コメント一覧 (3件)
Arrow出るまでおやすみなさい。
もう水冷でも冷やせないだろw
14900KSは間違いなく本格水冷用だな
360mm簡易水冷で冷やしきれないもん出すなよ