新型PlayStation5(CFI-1200)ではAPUがTSMC 6nmに縮小。供給不足解消へ?

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PlayStation 5(PS5)ではAMD製のZen 2とRDNA 2を採用したAPUが搭載されていますが、9月15日より発売が開始されたマイナーチェンジ版のPS5 CFI-1200ではこのAPUが従来まで採用されていたTSMC 7nmプロセスからTSMC 6nmプロセスに改良されている可能性があるようです。

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軽量、低消費電力化と値上げとなったPS5 CFI-1200

ソニーでは2020年11月12日から発売するPlayStation 5 (PS5)についてマイナーチェンジモデルであるCFI-1200モデルを2022年9月15日から発売開始しており、世界的な物価上昇や為替変動を理由に通常版を54,978円から60,478円、デジタル・エディションを43,978円から49,478円へ値上げする一方で、本体重量が最大600グラム低減し、消費電力も30~50Wほど低減されています。

今回、このPS5のマイナーチェンジモデルであるCFI-1200について、軽量化や消費電力低減を実現するためにAMDとソニーでは従来までTSMC 7nmで製造されていたAPUをTSMC 6nmへ移行したバージョンを採用し始めたと見られており、その詳細がAngstronomicsにて紹介されています。

APUの面積は15%縮小。つまり供給量改善へ?

PS5 Refresh: Oberon Plus – by SkyJuice – Angstronomics

左:TSMC 6nm版、右 TSMC 7nm版

Angstronomicsによると、PS5に搭載されているTSMC 7nmで製造されたAPUであるOberon(右の写真)とマイナーチェンジ版PS5であるCFI-1200に搭載されたTSMC 6nmで製造されたOberon Plus(左の写真)両方のダイ写真を入手したようです。

両者を比べると、中央のAPUを取り囲むパワーチョークのレイアウトが異なる他に、APUのダイサイズ自体が縮小しています。TSMC 7nm版においては合計で300mm2ほどあるものが、TSMC 6nm版では260mm2、約15%の縮小となっており、1枚のウェハーから取れるAPUの数は20%ほど増える計算になるとの事です。

今回、このTSMC 6nm化によりAPUの供給量が大きく改善する可能性が高いですが、同時に低省電力化や低発熱化も行われているため、冷却機構や電源などの部品点数を従来モデルに比べて大きく削減が可能となり、従来モデルより高い生産ボリュームの確保による供給量改善が期待されます。

コストと消費電力を減らすダイシュリンク。

CPUやGPUなどの半導体製品では同じ製品を生産し続ける場合、再開発の手間を減らしつつ、消費電力の低減やコスト削減を行うために既存のプロセスルールから新しいプロセスルールへ移植して生産するダイシュリンクと言う方法が取られる事が良くあります。

今回、PS5に採用されているTSMC 7nmでは上位プロセスルールであるTSMC 6nmと互換性を有しており、最小限の設計変更でTSMC 6nmへの乗り換えが可能となっています。その特徴を利用してPS5 CFI-1200に搭載されているAPUは製造されていると考えられます。

TSMC 7nmに比べて6nmではウェハー辺りの単価は高くはなりますが、ウェハー辺りで取れるAPUの数が増えたり、冷却機構や電源などの部品点数削減にもつながるためAngstronomicsによるとソニーはPS5の原価を約12%ほど引き下げる効果があると試算しています。

 

PS5のTSMC 6nm化については2021年5月頃にリークとして出現していましたが、リークより若干投入時期が早まったようです。これに関しては、半導体不足が解消した事による影響が大きそうですがこのダイシュリンクをキッカケにPS5の供給量が大きく改善する事が期待されます。

特に、PS5については世界各国で発売から2年間も経過していても抽選販売となるなど消費者側からすると呆れる状態となっており、PS5専用ソフトの登場も滞っている状態です。そのため、2023年初頭発売となるPSVR2発売と同時にPS5供給量を大幅改善をしなければこのまま手に入りにくいハードとしてユーザーからは見放されてしまう可能性が高いと個人的には思っています。

 

今回話に挙がったPS5 CFI-1200系の抽選販売はAmazonで受け付けられています。

 

 

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