AMDの96コア Zen 4 EPYC Genoaを2基搭載のモバイルワークステーション登場

AMDでは96コアを搭載するEPYC Genoaを2022年末から投入し、徐々に搭載製品が増えていますがこの中でディスプレイを内蔵する持ち運びが可能なEPYC Genoaの内、96コアを最大2基まで搭載可能なモバイルワークステーションが発表されました。

出張先やスタバなどで本格的なワークステーションを展開可能？96コアのEPYC Genoaを2基搭載できるモバイルワークステーションが登場。

AMDでは最大96基のZen 4コアを搭載するEPYC Genoaを2022年末から投入し、徐々にサーバー・データセンター向けで搭載製品が増えてきていますが、Mediaworkstationがこの96コア搭載するEPYC Genoa 9654を2基搭載した持ち運びが可能なワークステーション『a-X2P』を発表しました。

Mediaworkstationsは、標準的なノートパソコンの性能を超えるシステムが必要なメディアや技術者向けにモバイルワークステーションを作成するメーカーで、今回このMediaworkstationsの最新製品が『a-X2P』と呼ばれる製品です。

このa-X2Pでは上述の通り、最大96コアと192スレッドでTDPは300WのAMDに留まらずx86系最速CPU、EPYC Genoa 9654を最大2基と3TBのDDR5を搭載できる超高性能ワークステーションとなっています。

a-X2Pの最大の特徴は普通のワークステーションとは異なり、デスクトップ型PCの形状はしているものの、側面に画面を内蔵しているため、持ち運びが可能で例えばホテルやスタバ、新幹線など出張先や移動中にも供給される電源が1000W程度まで耐えられるのであれば、192コアのZen 4 CPUをフルで使うような作業も可能となります。ただし、大きさはデスクトップ向けPC並みの長さ62cm、幅27cm、高さ41cmという事で大型なスーツケースには収納できるサイズですが、重さはEPYC Genoa 9654を2基搭載する最大構成では25kgにも達するため、新幹線の収納式机や膝の上に載せての作業は不可能と言えます。

a-X2Pに使用されているソケットSP5に対応するマザーボードの詳細は不明ですが、EPYC CPUを2基搭載できるデュアルソケット設計である事の他、DDR5-4800 3DS RDIMMをサポートし、Aspeed AST2600 Management ControllerのGigabyte Management Console Webインターフェイスを使用している事から、GIGABYTEのE-ATXサーバー向けマザーボードのMZ73シリーズが搭載されていると見られています。

モニターについては通常構成ではHDまたはUHD解像度の24インチディスプレイを搭載できるほか、オプションで2×3のレイアウトで6つの24インチディスプレイを備える事も可能になっています。なお、グラフィックカードは非搭載となっていますが、PCIe Gen5対応のx16スロットを搭載しているため、個別にGeForce RTX 4090を2基搭載する事も可能になっていますので、レンダリング用ワークステーションとしても活用が可能になっています。

a-X2Pの価格については明らかにされていませんが、EPYC Genoa 9654はCPU単品で160万円以上するため、EPYC Genoa 9654を2基搭載する構成では軽く320万円を超える価格になると考えられます。他のCPU構成についてはEPYC Genoa 9004シリーズの中から選択は出来ると見られていますが、他にどのようなCPU構成があるのかは公開されておらず、気になる方はMediaworkstationsに直接問い合わす必要があるようです。

実用性や個人用途で使いこなせるかは置いておいて、こういう無駄にハイスペックなマシンはロマンがありますね。ただ、これをもってホテルやスタバで作業をすると電気代を請求されてしまいそうな気がしますね・・・

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