[UPDATE] NVIDIA GeForce RTX 3000シリーズのLHRを完全無効化するソフトが登場?

NVIDIAではゲーミング用GPUであるGeForceがマイニングなどに利用できないようにマイニング性能を制限するLite Hash Rate(LHR)を2021年6月頃からRTX 3000シリーズに搭載しましたが、このLHRを完全に無効化するソフトが登場するかもしれないようです。

全GeForce RTX 3000シリーズで投入されたLHR

UPDATE:2/24 不正ソフトと確定したようで、Github上からは削除されています。

 

NVIDIA RTX LHR BIOS v2 Unlocker supposedly removes mining hashrate limit from Ampere cards - VideoCardz.com

NVIDIAはゲーミング用GPUであるGeForceシリーズがマイニングなどで利用される事を防ぐためにLite Hash Rate(LHR)と呼ばれるEthereumマイニングをGPU側が検知した場合GPUの性能を約50%程度に制限する機能を2021年6月頃から全GeForce RTX 3000シリーズにて投入しています。

NVIDIAのLHRマイニング性能制限を若干無効化するマイニングソフトが出現

このLHRについては、2022年2月時点では50%程度の制限を70%程度に緩和する方法などは見つかってはいますが完全に無効化する方法についてはまだ見つかっていませんでした。しかし、その状況が変わるかもしれないソフトウェアが間もなくリリースされるようです。

BIOSを改変してLHRを無効化するソフト→マルウェア確定

UPDATE:2/24 マルウェアと確定したようです。

Testing this LHR Unlocker LIVE with ChumpchangeXD & Y3TI - YouTube

Red Panda Miningと呼ばれるマイニング関係を扱うYoutubeチャンネルにて、LHRを解除するソフトウェアをダウンロードし、解析をしていますがどうやらPCからデータなどを盗むリモートサーバーに接続がされるように設定がされていたようです。

Ethereumマイニングを行うユーザーをターゲットにしている事から、インストールしたPCからBinanceなどEthereumに関するアカウント情報などを盗み、仮想通貨を盗み取る事が目的だった可能性がありそうです。

 

LHRを無効化する仕組みとしては、ソフトウェアを利用したBIOS改変を行うようです。流れとしてはOSに読み込まれているグラフィックスカードのBIOSをソフトウェアが自動的に読み込み、そのBIOSにLHR無効化の処理を施した後、グラフィックスカード側にLHR無効化されたBIOSを書き込むというものになっています。

ただ、BIOSを改変するだけではLHRを完全無効化することはできないようで改変されたドライバーも同時に必要とのことです。このドライバーについてはLHRを無効化するソフトウェア作者が配布する予定となっており、Windowsの場合は自動的にインストールがされるようです。一方でHiveOSなどWindows以外のOSを利用しているユーザーは自らドライバーをダウンロードし、インストールする必要があるとのことです。

このLHRを無効化するBIOSに改変するソフトウェアと改変ドライバーについては2月26日から配布を開始予定とのことで、作者のGithub上で無料公開するとしています。

GitHub - BySergeyDev/NvidiaRTX-LHRv2Unlocker: The first fully automated BIOS modifier for RTX cards with LHR v2 lock.

→情報を抜き取るマルウェアが入っているとしてGithub上から削除されています。

無効化後の性能はRTX 3060で49MH/s、RTX 3080 Tiで115MH/sなど

ソフトウェアの作者によるとこれらの改変を加える事でGPU本来のマイニング性能が発揮されるため、GeForce RTX 3060では50MH/sほど、RTX 3080(12GB)では100MH/s、RTX 3080 Tiに関しては115MH/s程度になるとの事です。GeForce RTX 3080 Tiなどは発売当初からLHR化されていましたが、性能的にはGeForce RTX 3090の121.2MH/sに近い値になっている事から完全に解除された値のようです。

なお、RTX AシリーズについてはLHRは搭載されておらずマイニングを行っても性能が制限される事はありませんが、このソフトウェアで改造BIOSとドライバーを入れるとマイニング性能が僅かに向上するようです。

GPUモデルLHR有効(MH/s)LHR無効化後(MH/s)
GeForce RTX 30603649.6
GeForce RTX 3060 Ti4461.2
GeForce RTX 30704557.9
GeForce RTX 3070 Ti5869.1
GeForce RTX 3080 (12GB)78100.7
GeForce RTX 3080 Ti87115.5
GeForce RTX 3090LHR非搭載121.2
RTX A200041.5(LHR非搭載)46.2
RTX A400061.2(LHR非搭載)67.3

BIOS改変などリスクが高く、ゲームなど通常使用できない可能性も

今回出現した方法自体、肝心なソフトウェアはまだリリースされていないため本当に言われた通りにLHRが無効化されるのか、また改造BIOSやドライバーに不正なソフトウェアが入れられていないかなど不明な点が多いです。特にBIOSを書き換える作業が発生している点から、作業を誤ったり悪意があるソフトであった場合はGPUが完全に壊れてしまう可能性もあります。そのため、例えソフトウェアがリリースされたとしてもLHRをすぐに無効化したいからと飛びつくのはかなりリスキーな行動と言えそうです。

また、LHR無効化に必要とされている改造ドライバーは恐らく最新ドライバーがベースでは無く、旧ドライバーの脆弱性やバグを利用してLHR無効化を行えるようにしていると見られています。そのため、通常通りゲームをする傍ら、マイニングをするという使用環境では使えない可能性があるようです。

どちらにせよ、数日以内にこのLHR無効化するソフトウェアなどはリリースがされるため人柱的に使ってみる人がどのような事になったのか報告が上がってくると見られます。

 

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LHRは2021年6月頃に投入がされていますが、今回もし完全にLHRを無効化できるとなれば初めての事態となり、GPUを買おうと考えていたユーザーにとってはあまり喜ばしいニュースでは無いのは確かです。

ただ、幸いなことにEthereumの価格は依然として低い価格を推移し、ウクライナ情勢の緊迫化も相まって2月23日時点では30万円を下回っています。一方で、世界各国では原油高を背景に電気代が高騰しているためGPUを新たに買ってマイニングをしても収益を上げる事は困難な状況となっています。

Ethereumがマイニング不可能となるPoSへの移行も6月と噂されている事もあるため、例え今回LHRが完全に無効化されるという事になったとしても、去年5月の時のように店頭からGPUがすべて消え去るという状況は考えにくいのであまり心配する必要は無いと言えそうです。

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