AVX-512は課金制?IntelがCPU機能を課金制にする模様。Alder Lake-S Xeonから導入か?

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Intelでは過去に動作クロック向上やキャッシュ容量、ハイパースレッディングなどを課金制にしたIntel Upgrade Serviceと呼ばれるものを過去に出していましたが、批判殺到ですぐにお蔵入りとなりました。しかし、Intelではこれらに似たサービスをサーバー向けのSapphire Rapids Xeonにて導入を行う予定のようです。

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IntelがCPUの機能を課金制にしたい様子

Intel Wants Customers To Pay For Additional Features on CPUs After They’ve Purchased It (wccftech.com)

Intelでは2010年にClarkdale世代のCore i3やPentiumを対象にIntel Upgrade Serviceと呼ばれる有料サービスの提供を行いました。この有料サービスでは、ライセンスキーが書かれたカードを購入し、入力する事で動作クロック向上やキャッシュ容量増加、ハイパースレッディングの有効化などをCPUに搭載されているものの、無効化されている機能を有効化できるサービスとなっていました。例えば、Pentium G6951では50ドル支払う事で1MBのL3キャッシュが増え、ハイパースレッディングが有効化されるなどでした。

ただ、この機能はCPUに搭載されている機能をワザと無効化している事から多くの批判に晒されてしまい、2011年に発売された一部のCore i3やPentium系CPUでのサービス提供を最後に、中止されてしまいました。

しかし、IntelではこのIntel Upgrade Serviceに似た機能を諦めて居ない様で、Linux 5.18にてSDSiと呼ばれるIntel Upgrade Serviceの後継機能が搭載されるようになるようです。

Software Defined Silicon(SDSi)とは?

Software Defined Silicon(SDSi)とはCPUのある機能を出荷段階では無効にしておき、ライセンスキーの購入など課金を行う事である機能を有効化できるようにする機能の一つで、Linux 5.18ではCPUの機能解放に関するライセンス認証関係を行うドライバーが導入されているようです。

ただ、この機能についてIntelはLinuxのカーネルに対して将来搭載される『可能性』がある機能についても先行して追加しており、今回のSDSiは可能性のある機能の追加と言うケースに当てはまると説明を行っています。

Alder Lake-S世代のXeonにてSDSiを投入か? AVX-512無効化騒動も関連?

Intelでは将来的に追加される機能をあらかじめLinuxカーネルには入れるようにしていると説明をしていますが、パッチが頻繁に更新されている事からこのSDSiについては間もなく登場が予定されているSapphire Rapids XeonやAlder Lake搭載のXeon W-1400シリーズで投入が行われる可能性があるとの事です。

特に、Sapphire Rapids Xeonに比べて安価な価格で提供がされるAlder Lake搭載のXeon W-1400シリーズではこのSDSiが導入される可能性が高いと見られています。

と言うのも最近、IntelではZ690などAlder Lakeに対応するマザーボードを販売するメーカーに対して元々使えていたAVX-512を完全に無効化するように要請を行った話がありました。なぜこのような対応を行ったかなど詳細な説明もないことからもしかしたら、Alder Lakeを搭載するXeon W-1400でのSDSi投入に備えてこのような行動が行われた可能性があるそうです。

一方で、Sapphire Rapids Xeonでも同様にSDSiが投入される可能性はあります。例えば、Ice Lake世代のXeonでは非常に多くのモデルやバリアントが発売されていますが、この原因は機能のあり無しに起因するものとなっています。そのため、Intelとしては生産効率や物流など類別を大量に作る事で発生するコストを抑えつつ、開発費を回収するためにこのSDSiを投入するという背景もありそうです。

既に炎上の兆し。コンシューマー向けに投入はされるかは不明

IntelのSDSiに関する話は既にインターネット上では炎上の兆しが見えており、批判コメントが来ているようです。

Only a matter of time before you bring this to end user CPUs and we have to pay monthly to overclock or even pay per months of usage. You should be ashamed of yourselves as developers.

-Eric Kosovec, coder on GitHub

 

その内、Intelはコンシューマー向けCPUにもこのような機能を導入し、サブスク制でオーバークロックやCPUの利用にさえも金を取られるのでは無いかと言う懸念やAMDのCPUをある特定のマザーボード以外では動作させなくするPSBと並んで消費者軽視な姿勢を非難するコメントなどが徐々に出現してますので一筋縄では行かない事は確実そうです。

 

Intel Sapphire Rapidsのベンチマーク出現。HEDT向けモデルや課金要素も判明

 

Sapphire Rapids Xeonなどサーバー向けCPUでは多くのバリエーションが存在し、これらを生産上シンプル化するためにSDSiを導入するというのは合理性がありますし、ユーザー側としても多くの機能が存在するサーバー向けCPUで要らない機能にお金を払わなくて済むようになれば消費者側もコストダウンが出来、Win-Winの関係にはなります。ただ、コンシューマー向けCPUや機能があまりついていないコンシューマー向けに近いXeonではユーザー側のメリットが殆ど失われてしまうため、このような反発が起きてしまうと考えられます。

ただ、Intelでは既にCPUでオーバークロックが可能なKと非対応な無印モデルなどSDSiに似た事はしているので、コンシューマー向けにSDSiが導入されても『やっぱり、やりやがったな』って言うリアクションになりそうな気がしますね・・・

ただ、Intelの流れに追従してNVIDIAやAMDも同じことをするような流れにもなりかねないので、コンシューマー向けにはSDSiが絶対に導入されるようなことは無いことを祈りたいです。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 必要な機能に追加出費を迫られると考えるか、不要な機能への追加出費を避けられると考えるか。
    コンシューマーだとKもそうですが、Fもそうですよね。
    上位CPUだとdGPUを使う人が多いでしょうから、安く買えてお得という解釈が多いでしょうけど。

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